Category Archives: 知のパラダイムシフト

プレス|新しい「学びの場」と新しい<ホン>の形とがコラボ

ひとり出版者、詩想舎(代表:神宮司信也)はこのたび、熊本大学教育学部・准教授苫野一徳氏が主宰する「苫野一徳オンラインゼミ(有料オンラインサロン)」に対し、「読み放題」サービスを一定期間、無償にて提供することとしました。 Continue reading

 

デジタルトランスフォーメーションを果たしつつある「読書」

社会学者小熊英二氏が『日本社会のしくみ』で、海外先進国の企業が新規採用時に、入社希望者の専門能力と学位を重視するのに対し(=職務に対し人をあてがう)、日本の企業や官庁の人事担当者が「人物」「人柄」を重視する(人に職務をあてがう)傾向が強いことを指摘し、結果、専門知に対する学習が根付かない、根付きにくいキギョウ社会を日本に生みだしたとしています。

日本の出版市場の20年の凋落傾向にはこういったことが背景にあるものかもしれません。

他方、社会的実態として、「読書」のデジタルトランスフォーメーションとでも呼べるような傾向も現れています。 Continue reading

 

日本人は読書しない? する?

日本人の読書の傾向に関しては、毎年毎日新聞が「読書世論調査」を実施し、おおむね5~6割の日本人が読書をしていることになっている。確かにかつては教育大国といわれた日本だ。しかし体感的に違う気がする。「読書」という営為は日本社会の中で劣化しているのではないだろうか。

ただし「読書」のデジタルトランスフォーメーション、という視点も忘れてはならない。その視点を持った時、日本人の読書の傾向はどう判定されるべきなのだろうか。 Continue reading

 

Requirements for “professional books”

iCardbook will support active learners and people who want to think and learn about their lives, groping their way in a transitional society.

How can iCardbook do that?

iCardbook is a card-type professional books optimized for reading on smartphones.

Here, the conditions of “professional books” that Shisousha(詩想舎) think of are as follows.

■Requirements for "professional books"

・ Essential: Be prepared to respond to "What is the authority of this description?"

Clarification of authority in the text
annotation,note
List of references

・ Preferable: Index term list

■academic books vs professional books

As long as the above conditions are met, not only academic books but also enlightenment books and introductory books should be called professional books.


 

About iCardbook(english) | iCardbook|知の旅人に https://society-zero.com/icard/icardbookenglish

◎アイカードブック創刊の狙い http://society-zero.com/chienotane/archives/5063

Aim of iCardbook
・Responding to changes in the “reading” environment
・Responding to changes in the "learning" view
・Renewal and restart of the “Knowledge Ecosystem” is necessary for the human society in the transition period

 

 

「専門書」の条件

iCardookはカード型専門書です。それでは「専門書」の定義、あるいは条件とは何でしょう。

詩想舎が考える専門書はこれです。

「専門書」の条件

必須:「この記述の典拠はいったい何なのか」に応える準備があること

・文章中の典拠明示
・註での記述
・参考文献一覧 他

望ましい:索引用語一覧があること

ただこの点について、ebookであれば作品内検索がKindle本などでは可能なので、必須ではないと考えています。

 

学術書と専門書

上の条件を満たした書き物の中には、学術書だけでなく啓蒙書や入門書もありえます。

 

 

「取次」を必要としない米国 必要とする日本

「取次」を必要としなくなった米国

出版社が「取次」を必要としなくなった米国で、取次第二位のベイカー&テイラー社(B&T)が廃業を決定した。親会社の教育市場への集中という経営方針の反映だった。

しかしそれだけではない。B&Tの社長は「出版社が直販に移行したために」、取次事業の維持が不可能となったと述べている。 Continue reading

 

知って得する 人工知能の基礎の基礎

人工知能(Artificial Intelligence:AI)はもはや、使っている側がそれと気づかないでいるほどに浸透している。また会社が「AIを導入した」「AIによる新サービス開発」と謳えば株価があがるご時世でもある。囲碁や将棋の世界で人間とAIとの勝負が話題になったのはもう昔の話。AIを活用した医療診断システムが稼働するなど、「ニュース・話題」の段階から、確実に日々の生活と社会の在り様を、AIが具体的に変え始めた時代を、私たちは生きている。

ところであなたはAIの基礎知識を持っていますか?AIについての基礎知識、本質的理解なしに仕事を続けることは、会社でのあなたの評価にもつながる切実なネガティブ・ポイントになりかねません

トレンディなキーワードを検索にかけ、情報を取得して、それでなんとなく会話についていければいいやと考えていませんか。それではあとから手痛いしっぺ返しを受けるでしょう。「AI関連ニュースに詳しい人レベル」を早く脱却すべきです。それには、きちんとした書籍を一通り読むことが近道ですが、ここではそういった書籍の書き手でも意外と見落としている、AIの「基礎の基礎」について2点説明します。

◎読解力とヒューリスティック:意味の理解とAI

◎数学と哲学:意味・認識論から始まったAI

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■『Lemon』から『智恵子抄』へ 関心・興味の横に「知」への扉を

徳島県出身のシンガーソングライター(また彼はイラストレーター、映像作家でもある)米津玄師(よねづけんし)が紅白で『Lemon』を熱唱した。

(米津玄師さん紅白で「Lemon」披露 地元・徳島県鳴門市の大塚国際美術館から生中継|徳島新聞 https://www.topics.or.jp/articles/-/144835

1.米津が紅白で『Lemonn』を熱唱
2.『Lemon』から『智恵子抄』へ
3.セレンディピティと棚の力
4.関心・興味の横にそっと「知」への扉を置こう Continue reading

 

アドビの「Adobe Sensei」は福音か、凶報か

日本でも転職はめずらしいことでなくなってきました。DODA、ユーキャンなどのサイトへの来訪者規模はかなりの規模に達するそうです。他方、ある転職サイトの「キャッチ」が「転職は慎重に」となるほどに、転職がむしろ過剰に行われているのかもしれません。

ところであなたはAI(人工知能)の基礎知識を持っていますか?
商業デザインの仕事とその仕事が対象としている社会への、AIの影響についてどこまでの知識と理解を持っていますか?
AIについての基礎知識、本質的理解なしに転職して大丈夫でしょうか。転職先での競争に勝っていけるでしょうか。

いやAIはひとつの例に過ぎません。ビジネス、日常生活、政治、さまざまな局面で「知の体制」に変動が生じ、わたしたちはいま、「人間社会」の仕組み、システムの大きな「移行期」を生きています。文明の巨大な地殻変動が起きつつあることをあなた自身も、実は薄々感じてはいないでしょうか。

 

1.「今ほどデザインが重要な時代はない」

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■日本人と米国人 どっちが読書好き?

■日本人の方が読書好き(!?) 買って読む

「読書週間」ということで、「WIRED」誌が「読む」という行為の変化を追いかけている。その記事の中に、2017年、「米国では本が6億8,720万冊売れた」とあった。


(出典はPrint Sales Up Again in 2017 https://www.publishersweekly.com/pw/by-topic/industry-news/bookselling/article/75760-print-sales-up-again-in-2017.html

この数値、つまり市場規模を金額ではなく冊数ベースで、日本を眺めると、5億9千冊Continue reading