Tag Archives: 読み放題

●コロナ禍の中で「読書」、メディア、出版産業の危機は深まるか

 


(Rallying Around #BooksAreEssential https://www.publishersweekly.com/pw/by-topic/industry-news/publisher-news/article/83099-rallying-around-booksareessential.html

社会全般で言えることだが、コロナ前にあったトレンドをコロナ禍が加速させる、あるいはもともと問題視され課題であると認識されながら、解決に及び腰であった問題を、コロナ禍が顕在化させる、という現象が起きている。

読書、出版でも同様だ。 Continue reading

 

プレス|新しい「学びの場」と新しい<ホン>の形とがコラボ

ひとり出版者、詩想舎(代表:神宮司信也)はこのたび、熊本大学教育学部・准教授苫野一徳氏が主宰する「苫野一徳オンラインゼミ(有料オンラインサロン)」に対し、「読み放題」サービスを一定期間、無償にて提供することとしました。 Continue reading

 

●本を「作る」ための工夫 「マッチング」のための工夫

PODでいまや、「一冊」からでも本を「作り/売れる」時代がやってきている。

おかげで紙版刊行にまつわる紙代、印刷代、製本代といった嵩むコストがハードルとなり、これまで没になっていた企画が陽の目を見る。しかし、「作る」ソリューションより、いま課題なのは「本と読者のマッチング」プロセスのデジタル化、デジタルトランスフォーメーションによる新流通パイプの開発だ。

AI選書
「抜き書き」の公開
ニュースと作品(書き物)との相互乗り入れ
読み放題(サブスクリプション・モデル)
アイカードブック(iCardbook) Continue reading

 

電子図書館と「読み放題」|「読み放題モデルってどうなのよ」 手元メモ その4

前回、「潜在読者の掘り起こし」と「本と読者のマッチング」を、「「所有」から「利用」へ」あるいは「readingからscreeningへ」のパラダイム転換に対応して展開するのが、「読み放題」というビジネスモデルなのだ、とした。

ここで、本の場合、所有にはコンテンツ単品・買い切り/売り切りの支払方法が、利用にはサブスクリプション(コンテンツを利用した期間に応じて料金を支払う方式)の支払方法が対応すると想定されている。

・所有権:コンテンツ単品単位ベースの取引 買い切り/売り切り
・利用権:コンテンツのマスベースの取引  サブスクリプション(コンテンツを利用した期間に応じて料金を支払う方式)

しかし第一回(その1)に書いたように、二つの異なる世界、また様々なジャンルがあるので当然のことながら、「単品・買い切り/売り切り」と「マス・サブスクリプション」の間にはバリエーションがある。

しかも価格(料金)政策はサービス利用者向け価格にだけ知恵を絞ればよいのではない。

「読み放題」サービスの事業を構築する際、プラットフォーマーにとっての最大の課題が、「書籍コンテンツの仕入れ価格体系と、サービス価格体系との組み合わせの工夫」になる。 Continue reading

 

読み放題ってそもそも何なのだろう|「読み放題モデルってどうなのよ」 手元メモ その3

1.「所有」から「利用」へ

読み放題ってそもそも何なのだろう。

他の「放題」と横並びにして気付くこと。それは「所有」から「利用」へ、という変化。

つまり「〇〇放題」は、

・まず読者の「所有」の中から「利用」だけを切り離して、サービスにしたもので、
・しかもそのサービス提供主体すらも、「所有」していない。

ネットフリックスは世界最大の映像提供会社だが、映画を所有することなく観客にそれを見せている。スポティファイは最大の音楽ストリーミング会社だが、音楽はなにも所有していないのに、どんな曲でも聴かせてくれる。アマゾンのキンドル・アンリミテッドは80万冊の本が読み放題だが、本は所有していないし、プレイステーション・ナウはゲームを購入しなくても遊べる。(『<インターネット>の次に来るもの』 第五章 Accessing )

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Baasあるいは「出版」からの解放|「読み放題モデルってどうなのよ」手元メモ その2

1.もうひとつ、注意したいこと。Baas(Books as a service)

2018年4月24日のJEPAセミナーは「 『<インターネット>の次に来るもの』から読む未来」だった。 http://www.jepa.or.jp/sem/20180424/

『<インターネット>の次に来るもの』は、「リンクとタグは過去50年で最も重要な発明」といったネットの本質についての理解を踏まえ展開されるメディア論、デジタル世界をもっとも深く理解するビジョナリーとして評価されているケヴィン・ケリー氏の最新著作。氏は「ワイヤード」の元編集長。またスティーヴン・スピルバーグ監督の映画「マイノリティリポート」では、未来世界のアドバイザーを担当した人物。

(マイノリティ・リポートの世界が現実に?独で犯罪予測システムの導入検討 https://irorio.jp/daikohkai/20141204/184075/
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注意したいこと|「読み放題モデルってどうなのよ」手元メモ その1

 

「読み放題モデルってどうなのよ」

1.注意したいこと
・出版業界にはふたつの異なる世界がある
・ジャンルの違い

2.Baasあるいは「出版」からの解放
・Baas(Books as a service)
・「出版」からの解放

3.読み放題ってそもそも何なのだろう
・「所有」から「利用」へ
・紙媒体からデジタル・データ表示媒体(デジタルメディア)へ

4.電子図書館と「読み放題」
・電子図書館は単品・買い切り/売り切り、その代わり同時アクセス1
・「読み放題」の仕入れ価格体系は企業秘密


昨年度から、「版元大集合…この先10年の出版を語ろう!茶話会」を企画、運営してきたJEPA(日本電子出版協会)のビジネス委員会が6月20日、2018年度版をスタートさせる。

今回のテーマは、「読み放題モデルってどうなのよ」。原則JEPA会員だけの会合だ。 Continue reading

 

●アンリミテッド騒動より『Picassol(ピカソル)』登場の方が日本市場には大事

A:<メディアとしての紙>から<デジタル化するメディア>へ

●出版デジタル機構 新サービス『Picassol(ピカソル)』提供のお知らせ http://www.pubridge.jp/info/press/397/
作品のデジタル・データを版元自身が所有・保管できる点が画期的。
2016年11月1日、コンテンツの編集や校正、マルチ展開などを支援するサービス「Picasol(ピカソル)」の提供が開始される。同サービスは、講談社と日本電気(NEC)が共同開発した原稿作成、編集ソフトを元に開発したもの。これを出版デジタル機構のクラウド上で展開することで、出版各社が利用できるようになった。
印刷会社に依頼するのではなく、版元自身で原稿整形、校正支援、自動ルビつけなどができるピカソルは(むろんこれまで通り外注も可)、次工程の修正作業の軽減や校正費用の削減に寄与。印刷物、電子書籍、ウェブなど様々な形式に展開できる汎用テキストデータ(独自仕様XML)を採用しているため、特定のアプリケーションやOS、バージョンに依存することなく一つのデータを雑誌連載、単行本、電子書籍、ウェブまでマルチ展開することができる。

(Picassol説明会 - YouTube https://www.youtube.com/watch?v=OZwCvKD4SIQ

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●話すだけで書ける究極の文章法

A:<メディアとしての紙>から<デジタル化するメディア>へ

●電子書籍、アマゾンが定額読み放題に 月1千円前後 http://www.asahi.com/articles/ASJ6W63MBJ6WUCVL025.html
Amazonが、遂に電子書籍のサブスクリプション(定額980円読み放題)を8月から開始。

●Amazon、Kindle上で簡単に他ページを参照できるようにする「Page Flip」を順次公開中 http://jp.techcrunch.com/2016/06/29/20160628amazon-introduces-page-flip-for-kindle/
「複数ページを一気に表示し、図版や地図などを簡単に探すことができる」。

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●探索と検索、さらに「発展的検索(evolving search)」

A:<メディアとしての紙>から<デジタル化するメディア>へ

ベリーピッキングモデルで考える探索と検索 http://ekrits.jp/2015/08/1700/
効率性とセレンディピティ、その両方を向上させるには?
「昔から、他の動物と同じようにオフラインで行なってきた「探索(seeking)」という普遍的な行動に加えて、人間はオンラインで情報を探す「検索(searching)」をするようになった」。
「発展的検索(evolving search)」=一度手に入れた結果に基づいてクエリを修正し、再検索。この過程でクエリの性質自体が移り変わっていくことも。
ここで重要なことは、「ベリーピッキングをする探索者の「関心の世界(universe of interest)」の外に、もっと大きな「知識の世界(universe of knowledge)」が広がっている」点。


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