●本を「作る」ための工夫 「マッチング」のための工夫

PODでいまや、「一冊」からでも本を「作り/売れる」時代がやってきている。

おかげで紙版刊行にまつわる紙代、印刷代、製本代といった嵩むコストがハードルとなり、これまで没になっていた企画が陽の目を見る。しかし、「作る」ソリューションより、いま課題なのは「本と読者のマッチング」プロセスのデジタル化、デジタルトランスフォーメーションによる新流通パイプの開発だ。

AI選書
「抜き書き」の公開
ニュースと作品(書き物)との相互乗り入れ
読み放題(サブスクリプション・モデル)
アイカードブック(iCardbook)


(知の森に酔いしれる!「世界を変えた書物展」は掘り出し物的なオススメの超優良展覧会でした!【展覧会感想・レビュー】 - あいむあらいぶ http://blog.imalive7799.com/entry/Sekai-Wo-Kaeta-Shomotsu-201809)

 


 

●日本出版販売と富士通、AIを活用した選書サービス「SeleBoo」を共同開発 : 富士通 http://pr.fujitsu.com/jp/news/2018/05/14.html
選書に本格的な学習機能(AI)を使った事例。
日販が持つ書籍情報や書店販売実績情報に、DBpediaやLod4allなどのオープンデータを組み合わせ、富士通のAIを活用したマーケティングサービスで分析することで、テーマや客層に合った本の選定・リスト化を行う。また、書店員が選書結果への評価をフィードバックすることで、機械学習を通じAIが選書能力を高めていく。

 

●ほんをうえるプロジェクト「AI書店員ミームさん」とTBSラジオ「AI時代のラジオ 好奇心プラス」とのコラボ企画を実施 株式会社トーハン http://www.tohan.jp/news/20180806_1249.html
こちらは顔認証技術
「デジタルサイネージ「AI書店員」について、TBSラジオで毎週金曜日午後9時より放送中の番組「AI時代のラジオ 好奇心プラス」と 「トーハン ほんをうえるプロジェクト」が特別コラボを実施。」

AI書店員:「AI書店員が登場するディスプレイにはカメラが取り付けられており、撮影した画像から顧客の年代・性別・表情を読み取り、そのときの顧客の気分にぴったりの「おすすめの1冊」を紹介してくれる」。

 

●Socrates(ソクラテス)とは何か – Socrates(ソクラテス) https://socrates.media/about/
クローズ(本は紙も電子もクローズ)とオープン(書誌データ以外で情報のデジタル化/オープンアクセス)のバランスが「本と読者のマッチング」の課題。
ここでは、「書誌データ以外の情報」として「抜き書き」

「出版社の役割は、煎じ詰めれば、著者の方々の主張をパッケージし、それを欲している読者の元に効率的にお届けするということに尽きます。パッケージとしての“本”は、紙であれ電子であれ、今だにそのための有効な手段であり続けています。この“本”の便利さ、面白さを、ネットにふさわしいかたちで伝えたい。もっとたくさんの人に、もっとスマートに。そして、気に入ったら購入してほしい。この思いを実現するに、はたしてどういう方法があるのか?」

 

●“クリエイターの本拠地”目指すnoteは、日経新聞とのタッグで新たな出口を作る | TechCrunch Japan https://jp.techcrunch.com/2018/09/05/note-fundraising-story/
書籍はずっと個人のメディアとしての出口だった。それが少しずつネットに変わって言っているのが今の状況。以前は本を出版する時に宣伝媒体としてネットを使っていたが、現在はむしろ人々が携帯を見ている時間の方が長くなってきている。」そこで、ネットの方を執筆者の本拠地にして、書籍も作品伝達の、あるいはマネタイズのひとつの方法と、とらえてはどうか。それが「note」の発想。

「あくまでnote側の視点になるが、noteの中の才能をどうやって世の中に出していけるか。たとえばnoteで活躍している作家さんの発信や作品が日経BPさんで書籍化される。あるいはnoteで書いた論説が評価されて日経新聞や日経MJ、日経ビジネスなどで連載になる。そういったことを実現したい」。
読者と本(作品/書き物)とのマッチングの、ネット時代ならではの、ひとつの方法論。

 

●言葉と他者|Hiroki Tanahashi|note https://note.mu/tanahashi/n/n6c6a5c7f9b67
「言葉の扱いに配慮するということは、他者に配慮することに他ならない。自分とは違う他者というものを前提に「確かさ」を求めないと、いい結果にはならない。」
出版業界は、情報洪水の現代にあって「本」こそが確かなもの。これが売れないのは買わない方がおかしいのだ、と言わんばかりの姿勢でここまでやってきた。言葉を扱う仕事をしながら、「他者(読者)に配慮すること」があまりに少なく、今日の市場の惨状となったのではないか。

「言葉はそう簡単には伝わらない。そう認識できているからこそ、言葉にすること」が大事なのだ、本にすることが大事なのだ、と感得しなければならない。

 

●アマゾン、GM、BMW…米国で注目の「サブスクリプション・モデル」のメリット・デメリットを解説! | トウシル 楽天証券の投資情報メディア https://media.rakuten-sec.net/articles/-/16404
読み放題会員の世界(クローズ)にすべての書籍をアクセス可能に(オープン)するのが「読み放題」。
課題は、出版者への還元ルールと、読者のニーズ予測をどう最適化するか。

 

●◎「読み放題モデルってどうなのよ」手元メモ

その1:注意したいこと http://society-zero.com/chienotane/archives/7720

その2:Baasあるいは「出版」からの解放 http://society-zero.com/chienotane/archives/7732

その3:読み放題ってそもそも何なのだろう http://society-zero.com/chienotane/archives/7742

その4 :電子図書館と「読み放題」 http://society-zero.com/chienotane/archives/7757

 

●本のIoTと「アイカードブック(iCardbook)創刊の辞」 https://society-zero.com/chienotane/archives/5041
「読者は、自分の探し物の周辺に意外な「知の世界」があることを知る。本と読者との出会い(=セレンディピティ)を演出する、新しい本のカタチです。」
ここではオープンをiCardサイトが担当(iCardbook|知の旅人に – 関心と興味の外に広がる、「知の世界」へ ようこそ https://society-zero.com/icard/)。

 

 

┃Others あるいは雑事・雑学
●消え始めた短冊状伝票 1年で20社が廃止、出版不況で  :日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35131370X00C18A9H52A00/

●主に文科系の研究者が学術書、専門書を1冊から「紙の出版」も「電子出版」も出せる出版ブランド「アスパラ」を開設 - イースト株式会社 https://www.est.co.jp/press/180912

●アマゾン、1冊から製本 少数出版システムを整備 自費出版・復刻需要に対応 SankeiBiz(サンケイビズ) https://www.sankeibiz.jp/business/news/180913/bsd1809130500006-n1.htm
「出版社に在庫がなかったり、専門的なものは出版していなかったりといったケースが多く、結果として、売れている本でなければ、手に入りにくい状況が起こっている。PODサービスに対応した書籍であれば、アマゾンサイト上で、常に『在庫あり』と表示される。ロングテール型の部数が見込めない書籍でも、いつでも購入できるようになる」。

●電子書籍ソリューションのブランド名を「CLIP STUDIO READER」に変更|株式会社セルシスのプレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000395.000005223.html

●中世風の架空都市を一瞬で自動生成してくれる「Medieval Fantasy City Generator」 GIGAZINE https://gigazine.net/news/20180910-medieval-fantasy-city-generator/