Tag Archives: フィルターバブル

●ネット世界のフローメディアのSNSと、リアル世界のストックメディアの代表である書籍出版

フローメディア(新しい情報が流れていくメディア)のSNSと、ストックメディア(情報が蓄積されるメディア)の代表である書籍出版。その接続がただいま現在の最大課題。

日本では再販制度で資金繰りを取次が担保しているため「資金繰りの不安がない紙版 VS 資金繰りに不安が付きまとう電子版」の壁が存在する。このため、一義的にはこの接続は困難。だからおそらく非ISBN系(取次を通さない書籍・雑誌他の)電子書籍などデジタルコンテンツが日本の「電子書籍」の定義・内容だという風に拡張されたとき、変化の光が差してくる。あるいは「2016年から始まる、『合理的配慮』が図書館から、この状況を突き崩すか、楽しみな来年2016年です。

A:<メディアとしての紙>から<デジタル化するメディア>へ

●出版市場、どうなってるの?――スマホと競合、販売落ち込み http://bizacademy.nikkei.co.jp/culture/nikkey/article.aspx?id=MMACc3000012032015
定期刊行の雑誌売上が取次のインフラ整備投資資金の決定における、予測可能性をかつて担保していた。その雑誌が、情報を次々更新し蓄積していく上、検索もしやすいネットに追いやられた。
ところがその雑誌が地方、中小都市の本屋を支えていた。そこでは新刊本の入荷が限られるため、雑誌売り上げが全体に占める割合は高く、いわば「米びつ」だったのだ。そこで書店が凋落。すると書店が消えてゆくため、書籍と人々との出会いの機会が減った。
加えてスマホの浸透は、ネットとの常時接続で新しい時間の過ごし方を人々に提供。その波に「読書(時間)」が呑まれていった。

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●探索と検索、さらに「発展的検索(evolving search)」

A:<メディアとしての紙>から<デジタル化するメディア>へ

ベリーピッキングモデルで考える探索と検索 http://ekrits.jp/2015/08/1700/
効率性とセレンディピティ、その両方を向上させるには?
「昔から、他の動物と同じようにオフラインで行なってきた「探索(seeking)」という普遍的な行動に加えて、人間はオンラインで情報を探す「検索(searching)」をするようになった」。
「発展的検索(evolving search)」=一度手に入れた結果に基づいてクエリを修正し、再検索。この過程でクエリの性質自体が移り変わっていくことも。
ここで重要なことは、「ベリーピッキングをする探索者の「関心の世界(universe of interest)」の外に、もっと大きな「知識の世界(universe of knowledge)」が広がっている」点。


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知のパラダイムシフト

●アマゾンの電子書籍戦略を聞く

A:<メディアとしての紙>から<デジタル化するメディア>へ

●アマゾンの電子書籍戦略を聞く http://digital.asahi.com/articles/ASGD2421VGD2UEHF008.html

「 本の文化を「温泉」だとしましょうか。これまで、温泉に行くにはバスだけでした。そこに登山電車が出来たとします。そこでバスが登山電車を見て「けしからん」と言う。でもお客さんから言わせれば、登山電車かバスかを論じているわけではなくて、「温泉に行きたい」んです。そんな争いをしていると、気がついたらお客様は、本ではない他のところに行くようになってしまう。それが、出版や書店も含めた「読書」がもっている課題だと考えます」。

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