Tag Archives: アルゴリズム

●書店の未来と新しい社会システムの行方

■アルゴリズムで創られていく社会システムとの具合のいい塩梅

解剖学者の養老孟司氏が、ある本の解説文の中で、現代社会は、自然発生的な社会システムとアルゴリズムで創られていく社会システムとの拮抗、具合のいい塩梅を探っている段階にある、と書いていました。

アルゴリズムで創られていく社会システムとは、スマホに代表される情報技術が変えつつある日常生活、そしてそのイメージの裏側にある、計算や手続きで成立し、合理的なことをよしとする、社会システムのことです。経済や流通、通信分野はどんどん「新しい社会システム」へシフトして行っています。

しかし分野により、また国や民族、宗教により、アルゴリズムで創られていく、「新しい社会」へのシフト状況は様々で、かつ受け入れ、飲み込める程度は異なっています。

出版分野、また書店や本好き人種はどうなのでしょう。 Continue reading

 

●「開いた」社会への希望と不安

20世紀、カイシャも政府組織も閉じた系の中で独自の生態系を構築していた。しかし「閉じた」社会のお約束は、もう後戻り不可能なほど「開いた」社会になってしまったウェブの時代においてなんの役にも立たない、このことを日本の社会はもっと肝に銘ずべきだ。

ウェブに象徴される社会構造をさらに細かく見ていくと、データとアルゴリズムに行き当たる。実は自分の自由意思で決めたと思っていてもそれは、アルゴリズムに誘導された結果でしかない可能性すらある。さらにさらに、アルゴリズムが導き出す結論のほうに、自分の身をゆだねることに価値を置く考え方も知らないうちに定着しつつある。 Continue reading

 

●SNSが巨大ショッピング・ポータルへ

B:暮らしと職場の風景を変えていく(個人の意思決定と情報社会)

●Facebook、eコマース機能を着々強化中―巨大ショッピング・ポータルが出現? http://jp.techcrunch.com/2015/04/07/20150405when-buying-is-as-easy-as-liking/

DeNA Palette(パレット)と同じ発想を構想しているか。つまり、ネットとリアルの融合に、商品の「購買」への導線を位置づける。まず手始めに、メッセンジャー内に支払い機能を導入した(現在アメリカのみ)。メッセージのスレッドに表示される“$”ボタンをクリックして金額を入力するだけでその金額が即座に友達に送金される。またFacebookはBuyボタンの実験も行っている、のだ。

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知のパラダイムシフト

●ついにキャズム超え–コミック市場の4分の1は電子書籍

A:<メディアとしての紙>から<デジタル化するメディア>へ

●ついにキャズム超え--コミック市場の4分の1は、すでに電子書籍になっていた http://japan.cnet.com/sp/t_hayashi/35059325/



電子化における、コミック、そして文字ものの段階では、カニバリズム論は杞憂であった。むしろ新規需要を掻き立て、紙と電子合計でのコミック市場は2012年以降、底を打ち、上昇傾向に。

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知のパラダイムシフト

●アマゾンの電子書籍戦略を聞く

A:<メディアとしての紙>から<デジタル化するメディア>へ

●アマゾンの電子書籍戦略を聞く http://digital.asahi.com/articles/ASGD2421VGD2UEHF008.html

「 本の文化を「温泉」だとしましょうか。これまで、温泉に行くにはバスだけでした。そこに登山電車が出来たとします。そこでバスが登山電車を見て「けしからん」と言う。でもお客さんから言わせれば、登山電車かバスかを論じているわけではなくて、「温泉に行きたい」んです。そんな争いをしていると、気がついたらお客様は、本ではない他のところに行くようになってしまう。それが、出版や書店も含めた「読書」がもっている課題だと考えます」。

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ピケティ用語集

●ヒューマノイドロボが、どんどん人間らしく

C:技術で/技術が/技術を(ICT:産業・法・制度論と技術文化論)

●グーグルに買収されたBoston Dynamicsのヒューマノイドロボが、どんどん人間らしく http://www.gizmodo.jp/2014/11/atlas.html

10年後、ロボットと人間の関係はどうなっているのだろうか。

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ピケティ用語集

●アルゴリズムが変える社会生活 透明性の確保課題

C:技術で/技術が/技術を(ICT:産業・法・制度論と技術文化論)

●アルゴリズムが変える社会生活 透明性の確保課題 http://www.nikkei.com/article/DGXMZO78836900U4A021C1H56A00/

食材の情報を測定して自動的に加熱時間を決定する電子レンジにも、ある種のアルゴリズムが働いている。これが「意味」を扱う世界になると、アルゴリズムを生成する過程で与えたデータの態様や、アルゴリズムそのもののロジックから、意味が偏る、結果が生まれやすい。フィルタリング、キュレーション、レコメンドといった分野で最近、その負の側面が話題になり始めた。たとえば「ニュース・キュレーション・アプリ(サイト)」。報道や、ジャーナリズムの「公共性」との関連で議論が続けられている。

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