◎これはクリップ集です◎
生成AIと動画プラットフォームの台頭は、書籍・メディアの価値連鎖を組み替えつつある。
情報の接点が「検索」から「対話」へ
Amazonが米国で開始したKindleの新機能「Ask This Book」は、購入・閲覧済みのKindle書籍に対し、ネタバレを避けながら内容理解を支援する“読書アシスタント”を目指している。検索の延長とamazonは説明するが、「検索」ではなく「対話」を通じて知を獲得する時代への移行を象徴しする出来事だろう。
一方、AI検索の普及で「自社サイトへの流入減」に直面するメディアは、量ではなく質――信頼性や権威性を持つ「高品質なトラフィック」の提供へと舵を切る。ITmediaや英Future社は、AIを脅威ではなくパートナーと捉え、生成AI上での可視性そのものを新たな収益機会と位置づける。こういった動きは、生成AIが人間の能力を奪う存在ではなく、「何が能力なのか」を問い直し、編集力や判断力の価値を浮き彫りにすることを示しているだろうか。
読書体験の再設計
読書の形も多様化している。ドイツではオーディオブック市場が普及期を終え、今後は新規読者獲得より、利用の深度化やフォーマット差別化が成長の鍵とされる。米国では「オーディオファースト」が進み、出版契約も紙・電子・音声を分けて扱う流れが加速する。KADOKAWAのアクセシビリティ強化や、自治体による書店利用券配布は、読書を社会インフラとして支える動きだ。
アルゴリズムが左右する「読まれる理由」
さらにBookTokに代表される動画発の影響力は、書籍の売れ方そのものを変えている。日本で月間4200万人が利用するTikTokは、若年層に限らず大人世代にも浸透し、創作と消費を結びつける。検索から対話へ――知のOSが書き換わる時代に、AIと動画は「知」と「メディア」の地図を書き換え続けている。
■知恵クリップ
●Amazon「Ask This Book」で考える書籍とAIの関係 https://note.com/libro/n/na42ce109e38c
amazonが始めた新サービス。「ユーザーがKindle上購入したり借りたりした書籍について、質問すると、ネタバレを防ぎながらAsk This Bookがその書籍の内容について教えてくれるサービスです。」
オーディオブックでも似た動き。「オーディオブックの聞き手が声で質問するとAIで生成した読んだ部分までの要約やキャラクターの説明などを受け取れる」。
・Ask This Book

(KindleのAI質問機能「Ask This Book」が米国で開始!)
●アイティメディア 多田頼正氏「AIを脅威ではなくパートナーと捉え、オープンなスタンスで発信力を高めていく」 https://digiday.jp/publishers/inout2026-itmedia-tada/
「AI検索やLLMの台頭により、クライアントの皆さまの「自社サイトへの検索流入減」が深刻化しており、メディアとしてこれを補う「高品質なトラフィック」の提供が問われています。AIによる情報収集や投資行動の変容に対し、我々自身が技術トレンドを捉え、スピーディーにソリューションを展開することが不可欠です。」
●生成AIが迫る「何が能力なのか」の大転換 https://toyokeizai.net/articles/-/928666?display=b
「考える・構成する・文章を書く・推敲する」というプロセスを、生成AIの登場は一変させた。「思考の断片をAIに投げかけ、構造化させ、表現を試させる。私たちはモニター越しにその結果を確認し、「ここは違う」「もっとこう表現すべき」と指示を出す。」
●英フューチャーの2025年度決算、減収減益も利益率維持・・・AI時代の収益機会とは? https://media-innovation.jp/article/2025/12/10/142965.html
「同社は、メディアの構造変化が加速する中でAI時代におけるブランドの重要性が一段と増していると強調。CEOのケビン・リー・イン氏は「AIへの過度な懸念は不要であり、むしろ新たな収益機会が拡大している」と述べ、生成AIモデル上での可視性や権威性を収益化する取り組みが既に始まっていると説明しました。」
★Nach Boomphase: Hörbuchmarkt erreicht Plateau https://www.boersenblatt.net/news/nach-boomphase-hoerbuchmarkt-erreicht-plateau-403279
ドイツの出版市場、その中でオーディオブックについて。
オーディオブックは日常的なメディアとして定着しているが、その普及率には目立った新たな増加がない。今後の成長は、新しいリスナー増ではなく、集中的な使用、フォーマットの多様性と差別化によって推進されるだろう。
・オーディオブック

★With Consumers Listening To Audiobooks In Record Numbers, Entrepreneurial Authors And Publishers Embrace The ‘Audio-First’ Trend https://www.forbes.com/sites/elainepofeldt/2025/11/30/with-consumers-listening-to-audiobooks-in-record-numbers-entrepreneurial-authors-and-publishers-embrace-the-audio-first-trend/
「オーディオファースト」がトレンドともなり、オーディオブック人気が定着したことで、これまで印刷本、電子書籍、オーディオブックなどの権利を「セット」で出版契約が交わされていたのが、別々に契約されるようになった、と。
・オーディオブック

●なぜ文春はYouTubeに本気なのか?動画責任者が語る「文藝春秋PLUS」の勝算と“オールドメディアの逆襲 https://media-innovation.jp/article/2025/12/17/142988.html
「もともと月刊『文藝春秋』の電子版(「文藝春秋電子版」というサブスクリプションサービス)があり、YouTubeチャンネルはその付属物として、有料動画コンテンツのダイジェスト版などを配信」
●KADOKAWA、誰もが読書を楽しめる社会の実現へ出版コンテンツのアクセシビリティ向上に向けた取り組みを推進 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000018312.000007006.html
「電子書籍は「文字の拡大」「TTS(音声読み上げ)」などに対応できる、読書困難者にとって最も身近なバリアフリー図書です。」
さらに、「2007年から音声で書籍を楽しめるオーディオブック制作に取り組み、現在では2,000点以上の作品をラインアップ。」
・2000点を超えるオーディオブックのジャンル割合

●多摩市本のまち書店利用券を配布します! - 多摩市立図書館 https://www.library.tama.tokyo.jp/info;jsessionid=14F9A7FDB4ABA79E3E88F057CAFF478D?0&pid=3293
多摩市はお米券ならぬ、書店利用券。
「物価高騰で厳しい家計を支援するとともに、市内の書店と進める「本のまちプロジェクト」の取組として、市内の書店(4店舗)のみで書籍等を購入できる地域商品券を配布」。
対象は、市内在住の小学生・中学生及び2026年度小学校入学予定者で、一人につき5,000円分が配布される。
●BookTokが作る売れ方と、本づくりのこれから https://note.com/mizuho_furu/n/nb64423c5bb81?app_launch=false
「BookTok 時代の読書意図は、「社会全体の空気」よりも「推しインフルエンサー+アルゴリズム」の方がずっと強く決めている。
だから TPB も、マーケも、読書推進も、“BookToker という新しい社会的参照枠”を中心に組み立て直す必要がある。」
●TikTok、日本の利用者数は月間4200万人 3年で2倍に https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2761Q0X21C25A1000000/
中国発の動画共有アプリ。「日本国内の月間利用者数(MAU)が4200万人を超えたと発表した。2022年11月時点では2120万人で、約3年で2倍に伸びた。世界での利用者数は10億人を超えている。」
●2025年版 国内クリエイターエコノミー調査結果を発表。市場規模は2兆894億円、潜在市場は約14兆5,866億円に https://creator-economy.jp/n/nea7d6ccc982b
「本調査では、クリエイターエコノミーに関連する企業やサービスを「プラットフォーム」と「支援サービス」の2つに大きく分類しました。
「プラットフォーム」は、クリエイター活動の場を提供するもの(略)、一方の「支援サービス」は、クリエイターの活動をより円滑に進めるためのツールやサポートを指します。」







