◎これはクリップ集です◎
「給料日は嬉しいはずなのに、残高を見ると溜息が出る」「以前と同じ生活をしているのに、支払いが明らかに増えた」。
真面目に働き、昇給も手にしているはずの私たちが抱くこの違和感は、単なる気のせいではありません。今、私たちの足元で「かつての常識」が音を立てて崩れているのです。
なぜ努力が報われにくいのか。身近な現象からマクロな構造変化へと視点を広げ、その正体を解き明かすのに役立つ知恵クリップを集めました。ご活用ください。
1. 「コンビニ離れ」が示す実質賃金の実相
最近、コンビニランチを避けて自炊に切り替える人が増えています。米国では賃金上昇が物価を押し上げる好循環がありますが、日本は円安による「輸入モノ」の価格上昇ばかりが先行し、私たちの「労働の価値(賃金)」が置いてけぼりにされています。働いても物価高に追いつけない「実質賃金のマイナス」が、生活を確実に侵食しているのです。
2. 「結婚」のインフレ、中間層の崩壊
かつては「普通」だったライフプランも、今や異常なほど高騰しています。中間層の減少により、年収500万円以上が結婚の必須条件となるような「経済的ハードルのインフレ」が起きています。相続税の負担増や親世代のような資産形成が困難な構造が、将来設計そのものを「贅沢品」へと変えてしまいました。
3. 日本の財政危機は「円」の失墜へ
私たちが稼ぐ「日本円」の価値も揺らいでいます。投資家ジム・ロジャーズ氏が「通貨を下げた国に未来はない」と警告する通り、日本の財政は深刻です。40年債利回りの上昇など、市場は日本の国債危機を警戒し始めています。円安と信用低下は、私たちが必死に稼いだお金の「購買力」を日々削り取っています。
4. エネルギー転換とシステムの「突然死」
さらに世界では、化石燃料文明から新エネルギー体系への激変が進行しています。旧来の発電設備は予測を超える速度で「座礁資産(不良債権)」化するリスクを抱えています。世界的な「ドル離れ」も加速し、インフレが収まらない中で、金(ゴールド)のような実物資産が本命視される時代へと突入しました。
結語:会社や国に依存しない「個」を目指して
「長く勤めれば安泰」という成功モデルは崩壊しました。変動する世界経済から身を守るには、依存思考を捨てなければなりません。自分の賃金ピークを冷徹に把握し、若いうちから資産を守り、育てる「仕組み」を自ら構築すること。この構造的インフレ時代には、経済の地殻変動を自分事として捉え、行動を変える覚悟が求められています。
■知恵クリップ
●コンビニの来店客数、昨年は4年ぶり前年割れ 「物価上昇が影響」か https://www.asahi.com/articles/ASV1N2RMYV1NULFA007M.html
「流通アナリストで、みずほ銀行の産業調査部にかつて所属した中井彰人氏は「物価が上昇して実質賃金のマイナスが続いており、節約志向を強めている層が、コンビニよりも安い店を選んだり自前で弁当をつくったりしている」とみる。」
●実質賃金が伸びない日本と伸び続ける米国 財インフレ・生産性格差・高齢化が生む“構造的な賃金の壁” https://newsdig.tbs.co.jp/articles/withbloomberg/2326424?display=1
物価を財とサービスに分けて日米比較をすると、なぜ日本の賃金が上がらないかがみえてくる。
「サービス価格が「単位当たり労働コスト=賃金」を強く反映して決まっていると考えれば、米国は労働コストの上昇率が財価格の上昇率を大きく上回っている。
「サービス価格上昇率>財価格上昇率」とは、実質賃金の上昇率がプラスにある背景だという見方にもなる。
それに対して、日本は円安によって輸入物価が上がり、財価格の上昇率が高い。半面、サービス価格は1%強の伸び率で推移している。これは、労働コストの上昇率が低いことを反映している。」
・物価を財とサービスに分けてみる日米比較

●「学歴で収入はどこまで変わる?」年収別の平均貯蓄額を見てみる! 《単身・2人以上世帯》年収別の貯蓄額一覧表 https://limo.media/articles/-/107300
「年功序列の傾向が残る日本の賃金体系は、将来設計を描きやすいのが魅力です。しかし、賃金のピークである50代を待つのではなく、手取りが少ない若いうちから「貯蓄の仕組み」を作れるかどうかが重要です。自分の学歴や性別での賃金ピークを把握し、逆算してマネープランを立てることが、安定した将来への近道となります。」
・学歴別性別平均賃金水準の違い

・年齢による賃金の変化

●なぜ相続税は増え続けるのか~少子高齢化と資産価格上昇で広がる負担とその地域差 https://www.dlri.co.jp/report/ld/565606.html
「全国では、2024年の相続税の課税割合は10.4%と、統計開始以来初めて故人の10人に1人を超えた。税額も3.2兆円と、2015年の基礎控除引き下げ以降で最高を更新している。相続税はもはや富裕層に限定された税ではなく、一定の資産を持つ層へと広がりつつある。」
・相続税額と課税割合~5年連続で増収

・現金預貯金で増えている相続財産

●結婚に必要な年収が「インフレ」してしまった構造的問題|年収500万円以上の男性を希望しても2割しかいない https://toyokeizai.net/articles/-/928680?page=2
「20代では400万未満、30代では600万未満の年収帯(その年代の中間層)だけが減少していて、むしろ夫の年収上位層に限れば、これだけ全体の婚姻が減少している中でもまったく減ってはいません。
まず、この「経済中間層が結婚できなくなっている」という現実、言い換えれば「結婚するための経済的ハードルが謎に高騰したために、したくてもできなくなった」現実を前提として話を進めていかないとすべてが的外れになります。」
・夫の個人年収別世帯(子無+子有)数(2017年と2022年))

●「日本の国債危機」を世界の投資家が警戒、40年債利回りが初の4%超え https://forbesjapan.com/articles/detail/90033
「日本の国債市場の混乱は、米国を含む多額の債務を抱える他国にとっての警告でもある。日本国債の利回り上昇は、投資家が米国債の購入を敬遠する要因にもなり、米国の金利を押し上げる可能性があるからだ。アナリストは、日本国債の売りが足元で米国債利回りの上昇につながっていると指摘しており、主要な債務市場の1つに生じたストレスが世界的な借り入れコストを押し上げ得ることを示している。」
●日本の財政状況はロシアより悪い…世界的投資家ジム・ロジャーズが「通貨を下げた国に未来はない」と語る理由 https://president.jp/articles/-/108483
「日本は今、通貨安と債務拡大という「楽な道」を選ぼうとしている。私が心配するのは、その行き着く先である。なぜなら、日本の人口はすでに15年にわたり減少し続けている。誰がどう計算しても、それは国家が縮小し、弱体化するという結論にしかならない。死者が増え、子どもが減っているのだから、足し算と引き算ができれば、小学生でもわかる話なのだ。」
●金価格はまだ上がる?インフレ構造から読み解く「割高ではない」理由 https://limo.media/articles/-/108436
「各国政府はインフレを許容せざるを得ない、あるいは許容したいインセンティブがあり、マネーサプライの量を簡単には減らせない状況にあります。そのため、今回の「お金の価値が下がるインフレ」は簡単には収まらないと考えることができます。」
●「ドル離れ」はもう誰にも止められない…金が大暴落しても世界の投資家の「本命資産」に選ばれるワケ https://news.yahoo.co.jp/articles/3c21eb50a2215f3f3b3558b0c2a3cde5a697585e
「ドルの信認が低下して、世界の中央銀行や主要な投資家は、ドルの価値下落を一段と懸念するようになった。
それを如実に示したのは、今年1月のダボス会議におけるカナダのカーニー首相の講演だった。カーニー氏は、「古い秩序は戻ってこない」と指摘した。米国が世界の政治、経済、安全保障の中心を担う時代は終わった。そう同氏は伝えたかっただろう。」
●化石燃料文明の終焉と、それに代わる新しいエネルギー文明の黎明期 https://news.nifty.com/article/item/neta/12378-4905790/
「私たちが直面している最大の脅威は、既存のエネルギーシステムの緩やかな衰退ではない。それは、予測をはるかに超える速度で進行する突然の崩壊であり、それに伴う莫大な「座礁資産」の発生である。
旧来の石炭火力、ガス火力、原子力発電所は、その経済的寿命を全うするはるか以前に、競争力を失い、不良債権と化すだろう。」








