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おわりに_資本主義はなぜ民主主義を捨てるのか

◎資本主義はなぜ民主主義を捨てるのか――権威主義への静かな変異◎

おわりに

民主主義がいかに脆いか。資本主義がいかに冷酷に「自由」を切り捨てうるか。

2026年現在、世界を覆っているのは、議論を無駄と断じ、強権的な決断に喝采を送る「効率性という名の狂気」に他ならない。かつて自明であった「法の支配」や「個人の尊厳」は、いまや瓦礫の中に埋もれ、制度は内側からハッキングされ続けている。 Continue reading

 

第7回 ベネズエラの激震:2026年1月、侵攻の真実

◎資本主義はなぜ民主主義を捨てるのか――権威主義への静かな変異◎

2026年1月早々、世界は「例外状態」の常態化を象徴する凄惨な光景を目撃することとなった。米軍特殊部隊によるベネズエラへの電撃的な軍事介入と、ニコラス・マドゥロ大統領の拘束である。この事象は、レビツキーとジブラットが『民主主義の死に方』で示した「独裁への4ステップ」を、一国の内政問題から国際政治の力学へと拡張し、民主主義の名の下に民主主義を破壊する逆説を体現している。 Continue reading

 

第6回 2025年の悪夢:民主主義のハッキング

◎資本主義はなぜ民主主義を捨てるのか――権威主義への静かな変異◎

2025年の米国において進行した変化は、国家制度そのものを作り替える「革命」というよりも、民主主義の運用原理が内側から書き換えられていく過程であった。制度は存在し続け、手続きも形式上は守られている。だが、それらが果たす機能は、静かに、しかし確実に変質していった。 Continue reading

 

第5回 民主主義の死に方:合法的に殺されるシステム

◎資本主義はなぜ民主主義を捨てるのか――権威主義への静かな変異◎

第4回で考察した「資本主義の脆弱性」ゆえに、人々が議論を捨て、即断即決の「権威」を渇望し始めたとき、政治制度は具体的にどのような末路を辿るのか。ここからは、制度が内側から壊されていく「技術的プロセス」を検証する。 Continue reading

 

第4回 資本主義の脆弱性(=権威主義への転換しやすさ)」の正体

◎資本主義はなぜ民主主義を捨てるのか――権威主義への静かな変異◎

社会学者・哲学者である大澤真幸氏は、現代の資本主義が直面している危機と、それがなぜ「権威主義(オーソリタリアニズム)」へと傾斜してしまうのかについて、非常に鋭い洞察を行っている。

大澤氏の議論の核心は、「資本主義の究極的な限界」と「人々の不安」の相関関係にある。 Continue reading

 

第3回 自由の衰退:フリーダムハウスが鳴らす警鐘

◎資本主義はなぜ民主主義を捨てるのか――権威主義への静かな変異◎

国際的な非営利団体Freedom Houseが毎年公表する報告書「Freedom in the World」は、現代民主主義の「体温計」とも言える指標である。しかし、最新のデータが示すのは、世界が深刻な「民主主義の低体温症」に陥っているという冷徹な事実だ。特に、かつて自由世界の旗手であった米国のスコア低下は、世界の権威主義化を加速させる象徴的な事象となっている。 Continue reading

 

第2回 星条旗の亀裂:トランプが仕掛ける政治革命

◎資本主義はなぜ民主主義を捨てるのか――権威主義への静かな変異◎

民主主義のショーケースだったはずの米国で、異変が起きている。

かつてブランコ・ミラノヴィッチは『資本主義だけが残った』で、ふたつの資本主義のうち、最後に収斂していくのが権威的資本主義ではないかとしつつ、それは米国で、である可能性を示唆していた。

つまりトランプ現象とは、単なる一政治家のポピュリズムではない。 Continue reading

 

第1回 双子の離別:資本主義が自由を捨てるとき

◎資本主義はなぜ民主主義を捨てるのか――権威主義への静かな変異◎

近代社会において、資本主義とリベラルな民主主義は不可分な「双子の制度」であると長らく信じられてきた。市場における経済的自由が個人の政治的自由を担保し、互いを補完し合うという楽観的な歴史観である。しかし、21世紀の現在、我々が目撃しているのはこの両者の劇的な「離婚」である。資本主義はその自己増殖の論理を貫徹するために、もはや民主主義というコストのかかる手続きを桎梏と感じているかのようだ。 Continue reading

 

はじめに 資本主義はなぜ民主主義を捨てるのか

◎資本主義はなぜ民主主義を捨てるのか――権威主義への静かな変異◎

はじめに

「自由な社会は当たり前」――そう信じていないか?しかし今、私たちが生きる資本主義は、自分を守ってくれた民主主義を「邪魔なコスト」として捨てようとしている。トランプ再選やベネズエラ侵攻という衝撃のニュースの裏で、一体何が起きているのか。哲学者・大澤真幸の言葉をヒントに、私たちの知らないところで進む「独裁への変異」を整理してみる思考実験、スタート。

■目次構成

はじめに
第1回 双子の離別:資本主義が自由を捨てるとき
第2回 星条旗の亀裂:トランプが仕掛ける政治革命
第3回 自由の衰退:フリーダムハウスが鳴らす警鐘
第4回 資本主義の脆弱性(=権威主義への転換しやすさ)」の正体
第5回 民主主義の死に方:合法的に殺されるシステム
第6回 2025年の悪夢:民主主義のハッキング
第7回 ベネズエラの激震:2026年1月、侵攻の真実
おわりに_資本主義はなぜ民主主義を捨てるのか

 

    

 

本をどう与えたら良いか、悩む親や先生に

読む、書く行為のデジタル化、したがって液晶画面化が進行している。この変化は果たして、人間の脳の発達や働きにどのような変化を生むのか? 『デジタルで読む脳 X 紙の本で読む脳』はそうした疑問に答えようとする啓発の書。同時に、デジタル時代に「深い読み」が絶滅危惧種にならなくするにはどうしたよいのか、考え抜いた警世の書。

 

■ディスレクシア

著者メアリアン・ウルフは認知神経科学、発達心理学の専門家。とりわけディスレクシア(識字障害)の研究で著名な学者。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院・教育情報学部の「ディスレクシア・多様な学習者・社会的公正センター」所長です。 Continue reading