教育現場での「デジタル活用」と「読書の重要性」

◎これはクリップ集です◎

現代の教育は、デジタル技術による効率化や個別最適化を進めつつも、学力の根幹を支える「読書」や「深い思考」といった価値をいかに守り、融合させるかという転換点にあります。そんななか、文部科学省は教師を「学びをデザインする高度専門職」に位置づけようとしています。

1. デジタル化の進展

文部科学省は次期学習指導要領を見据え、デジタル教科書の推進や「情報活用能力」を全教科の基盤と位置づける方針を強めています。たとえば新たに学習指導要領のポータルサイトを開設し、AIが内容を解析・参照しやすくすることで、教員の指導計画作成を支援する環境を整えています。また、DNPなどの民間企業も、定期テストの結果をデジタル解析して個別の弱点を可視化し、自律的な学びを支援するハイブリッド型のデータ活用サービスをスタートさせています。

2. デジタル技術がもたらす学びの個別最適化

デジタル化は、学びの個別最適化を加速させるツールでもあります。大学での生成AI利用の日常化や、テスト結果のデジタル解析による弱点克服、AI選書による「不読層」の減少などは、学びの効率を飛躍的に高める可能性を示しています。しかし一方で、海外ではデジタル教材への過度な依存が読解力の低下を招くとして、紙の教科書へ戻す「アナログ回帰」の動きも顕在化。

3.「思考の土台」としての読書と学力の相関

ここで重要となるのが、読書が脳の発達や学力向上に与える科学的根拠です。データによれば、本を好む子どもの学力は明らかに高く、読書は単なる知識獲得を超えて、深い思考力や集中力の土台を形作ります。米国のようなカリキュラムと連動した「課題図書」の活用も含め、デジタル時代だからこそ、膨大な情報を精査し、思考を深めるための「読解力」の重要性が増しているのです。

4. 学びをデザインする教師の新たな役割

このような状況下で、教師に求められる役割も変容しています。単なる知識の伝達者ではなく、デジタルの利便性とアナログの深化を適切に組み合わせ、子ども一人ひとりの特性に応じた「学びをデザインする高度専門職としての教師」、の存在がかつてないほど高まっています。

 

 

■知恵クリップ

●デジタル教科書推進ワーキンググループ(第12回)配付資料  https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/100/mext_00017.html
「学びをデザインする高度専門職としての教師」
「自らの人生を舵取りすることができる、民主的で持続可能な社会の創り手をみんなで育む」

●次期学習指導要領で変わる情報活用能力と新設される情報の授業 https://project.nikkeibp.co.jp/pc/atcl/19/06/21/00003/111200668/
「まず大まかに「情報を活用する力」と「情報技術を活用する力」に分けられる。前者はICTとは直接関係なく、情報(Information)そのものを扱う。そこには情報の収集・分析・表現などの情報リテラシーと、批判的読解のようなメディアリテラシーの領域が含まれる。情報技術を活用する力の方は文字通りのICTリテラシーで、操作スキルや情報技術の理解、プログラミングなどだ。」

●学習指導要領のポータルサイト開設、文科省方針 AIも活用しやすく https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD118720R11C25A1000000/
「ポータルサイトは2027年度中に開設し、次期指導要領の実施が始まる30年度に向けて改善を進める。学校種や教科を横断してキーワード検索できるようにするなどし、利便性の向上をはかる。人工知能(AI)に読み込ませやすいデータ形式にして、授業の計画策定にAIを活用できるようにする。サイトは保護者も閲覧できる。」

●【識者に聞く】「学習指導要領のデジタル表現」が内容の理解を助けて使いやすくする https://project.nikkeibp.co.jp/pc/atcl/19/06/21/00003/111200671/
◎カリキュラムの構造的デジタル化がポイント◎
「例えばWebサイトで既に実現しているようなリンクとビジュアル化の技術を使えば、学年間のつながりや到達目標が一目で分かるようになります。これだけでもユーザビリティは大きく向上します。既に海外では、構造化したカリキュラムをWebサイト上で検索できる仕組みが使われています。」

●「大学公認AI」導入は11%のみ 学生の“野良AI”利用が標準化する大学教育の実態:MM総研の調査 https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2512/02/news114.html
「大学が生成AI活用ルールを整備しているかどうかで、学生の活用度と意欲に差が出ている。
「授業や課題提出で生成AIを積極的に活用したい」49%、
「就職活動で生成AIを活用することは重要だと思う」51%、
「大学生のうちに生成AIのスキルアップをしておきたい」66%と、ルールのある大学の学生は、ルールのない大学の学生を10~20ポイント程度上回っている。」
・大学でのデバイスやAI

●国期待のデジタル教科書 先進国では進むアナログ回帰 子供の学力低下への懸念背景に https://www.sankei.com/article/20250921-KEK7GC4BW5L4LMMHMB2U6JH7KU/
「教育のデジタル化で一番危惧されるのは、書く、話すなどの機会が減ることによる言語能力の発達への影響だ。思考の形成につながる言語能力で地盤沈下が起きれば、あらゆる教科の学力が落ちる。」(機器を使う児童のうち正答率が高いのは1日30分未満)
・教室外でのデジタル機器接触時間は正答率を下げる


●課題図書が上位に来るアメリカ、自由読書しかない日本 日米の小学生の読書傾向の違い https://ichiiida.theletter.jp/posts/2f44c890-cb62-11f0-8650-7ff3d1678941
「日本では、国語の教科書と資料集のようなサブテキスト、ドリルや問題集が授業で用いられているだけだ。「丸一冊、本を読んできたことを前提に議論や作文を課す」「1学期を使って1冊の本を読んでいく」ような授業や宿題のスタイルは、一部の国立や私立の学校を除くと一般的とは言えない。」

●「本好きの子どもの学力は明らかに高い」調査が明らかにした読書の効果 https://shuchi.php.co.jp/article/12965
読書で脳が発達したことによる変化:「読書習慣を強くもっている子どもたちは、言語を主に扱う脳がより発達し、言葉の理解力が高まり、情報処理がきちんとできるようになって、どの教科のテストであっても良い点を取りやすくなった、と私たちは解釈しています。」

●子どもの成長に読書が不可欠な理由 データが示す「本が脳に与える影響」 https://shuchi.php.co.jp/article/13410
「直感というのは、人間の膨大な情報量に経験や失敗などが積み重なって培われていきます。(略)たくさん本を読んで脳に知識を定着させていけば、そういった直感やひらめきが生まれ、正しい決断ができるようになります。どんどん読んで、自分の直感やひらめきを養っていく。」
・「読書1時間以上」のほとんどの子どもたちが平均点を大きく超える

・「読書1時間未満」の子どもは家庭学習と睡眠時間が成績に寄与


●「AI選書アプリ」の導入で学校図書館の貸出冊数が2.4倍に増加、"不読層"にも変化をもたらした「ヨンデミー実証実験」の中身 https://toyokeizai.net/articles/-/919108
「テストの問題文の意図が読み取れているのだろうかと思うような回答が増えていて、子どもたちの読解力の低下を感じています。ゲームや動画視聴に費やす時間が増え、本を読む時間が減っていることが関係しているのではないかと考えています。」
・「ヨンデミー」導入で貸出冊数は2.4倍に(豊橋市立津田小学校)


●テストの分析を軸とした教育データ活用サービスを提供開始 https://www.dnp.co.jp/news/detail/20177552_1587.html
「教師が自作する定期テストの設問属性を解析し、テスト結果に対して項目反応理論の手法を用いて、児童・生徒の強み・弱み領域を分析します。さらに、GIGAスクール端末で利用するデジタルドリルのデータ・紙のノート・ワークシート・成果物の画像などの日常の学習データも取り込み、可視化します。」

 
□その他図書館関連など

●「冬場の疲労と入浴・学び習慣」を調査 https://netkeizai.com/articles/detail/16671
「年収800万円以上の層では、入浴時間を「落ち着いて考える時間」として活用する傾向がある。この層では、入浴中にスマートフォンやタブレットでビジネス・学習系動画を視聴するなど、インプット・学習に関する行動が多く見られる。」

●こどものための読み放題型電子図書館「Yomokka!(よもっか!)」が「2025年度グッドデザイン賞」を受賞 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001104.000031579.html
「十分な図書予算を確保していない小規模自治体等に向けた、子どもに特化した読み放題サービスの提供が評価のポイントとなった。」

●高校でスマホを禁止したら、「図書館の本の貸出冊数」が67%も増えた! https://courrier.jp/news/archives/417472/
「2025年、ケンタッキー州ルイビルにあるこの高校では、始業から終業まで携帯電話の使用が禁止になった。(すると)同校では、8月の本の貸出冊数が昨年の同月と比べて67%も増加した。全校生徒2189人に対し、2024年8月には533冊だったのが、2025年8月には891冊も貸し出されたのだ。」

●都道府県及び市町村における子ども読書活動推進計画の策定状況について(令和7年9月22日) https://www.kodomodokusyo.go.jp/happyou/datas_download_data.asp?id=70
2027年度までの策定率の目標:市100%、町村80%である2024年度末時点での策定状況:市98.8%(2021年度末時点 93.9%)、町村80.9%(2021年度末時点 74.4%)

●生涯学習の施設として地域コミュニティの基盤形成に資する図書館 https://www.mext.go.jp/content/20251106-mxt_chisui02-000045724_3.pdf
「人間にとって本というのはたいへん大切な道具です。これがあるから文化は、昔から今へ、今から未来へ、東の国から西の国へ、西から東へ、つたわります。わたしたちがものを知り、考えるのは、主として本によってです」(丸谷才一氏)

●絵本から専門書まで…東洋英和女学院大、横浜の教育関係者に図書館開放 https://reseed.resemom.jp/article/2025/10/10/11878.html
東洋英和女学院大学は2020年3月より横浜市緑区との連携・協力に関する協定を締結。「(今回新たに)横浜市全域の保育・教育関係者には、保育や教育に関連する専門書やデータベース、国内外の絵本などを利用できるようになり、学術研究の向上および多彩な地域社会づくりに役立てられる。」

●「電流協、電子図書館サービスを導入している公共図書館情報を更新」 https://aebs.or.jp/pdf/E-library_Introduction_press_release20251030.pdf
「前回2025年7月1日時点と比べ、実施自治体は10増加し610自治体、電子図書館(電子書籍サービス)は10増加し481館となっ」た。

●AIと図書館をつなぐ「カーリル for AI」の運用を開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000171200.html
「カーリルはこれまで、アフィリエイトと広告収益で、無償のウェブサービスを維持してきました。しかしAI時代、この前提は崩れつつあります。ユーザーは検索結果ページを直接訪れなくなり、ウェブページへのアクセスは減少が見込まれます。実際、コンテンツ連動型広告の収益性は、ここ数年で顕著に低下しており、広告の品質も低下しました。広告に依存しないサービスモデルへの転換はもはや不可欠です」
・カーリル for AI


●神保町が2025年「世界で最もクールな街」ランキング第1位に選出 https://www.timeout.jp/tokyo/ja/news/jimbocho-is-the-world%E2%80%99s-coolest-neighbourhood-in-2025-092425
「基準となったのは、文化・コミュニティー・住みやすさ・ナイトライフ・飲食店・街のにぎわい、そして「今らしさ」といった要素である。その結果、神保町は「世界で最もクールな街」という枠を超え、「世界で最も活気にあふれた街」として頭角を現した。」
・世界で最もクールな神保町の魅力

@timeouttokyo

We’ve just released our annual ranking of the world’s coolest neighbourhoods, and Tokyo’s Jimbocho takes the number one spot. Of course, there are incredible things to discover all over this city, but if you’re looking for one essential stop, make it here. From hidden bars to quirky museums, pizza toast to top-notch coffee, here are some of our favourite things to explore in Jimbocho. タイムアウトが「世界で最もクールな街ランキング」を発表。2025年はなんと、東京の神保町が堂々の第1位に輝いた。東京には素晴らしいスポットが数えきれないほどあるが、今こそぜひ神保町に足を運んでみよう。 この動画では、隠れ家のようなバー、博物館、ピザトーストから本格派コーヒーまで、神保町でぜひ体験してほしいおすすめスポットを紹介する。ほかの街では体験できないユニークな1日を過ごせるはずだ。#神保町 #TimeOutTokyo

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