2019年安倍政権下で「GIGAスクール構想」が打ち出され、全国の児童生徒1人1台のデジタル端末を配備し、学校の情報化を進める取り組みがスタートしました。あれから7年。2026年の今年に入って目まぐるしく、その道筋を具体化する動きが出てきました。過去を簡単に振り返りつつ、足下の動きを整理しました。 Continue reading
Category Archives: 知のパラダイムシフト
AIの次に来るもの【セミナー備忘録】
2026年5月8日、日本電子出版協会(JEPA)で服部桂氏が講演を行いました。タイトルは「AIの次に来るもの」。
服部 桂 氏:AIの次に来るもの https://www.jepa.or.jp/sem/20260508/
講演映像 https://youtube.com/live/SDPmmpQOF-c
生成AIの本質は膨大なデータを解析して得られる「パターンマッチング」がその本質で、巷間言われているような「知性」とは別物だと考えられます。服部桂氏の話はその点を踏まえ、冷静な評価をしていると感じました。
以下は、その内容を「備忘録」として手控えたものです。
1. AI万能主義への違和感と歴史的教訓
AI時代の学びの作法 「脳のモード」を切り替える
◎これはクリップ集です◎
■進化する教室:教科書とタブレットが共存する時代
教室の子どもたちの手元にいまあるのは、使い慣れた紙の教科書でしょうか、それとも洗練されたタブレット端末でしょうか。小中学の義務教育課程、さらには高校大学の教育環境が大きく変わってきています。
小中学校に電子教科書が導入されて数年が経ちました。さらに次年度の高校教科書の99%にはQRコードが掲載される段取りになっています。東京都は「次世代の学び」として1人1台端末の活用を加速させる計画ですし、AI教材が立命館大学などの入学前教育に導入されるなど、基礎学力の習得をAIが個別最適化して支援する時代が到来しています。 Continue reading
スマホを閉じて深く潜れ 読書があなたを強くする
◎これはクリップ集です◎
■デジタル時代に起きている“静かな変化”
ビジネスの最前線で膨大な情報に晒される皆さんへ。いま私たちの「知のスタイル」は、効率一辺倒の時代を抜けて、静かに変わり始めています。動画や要約でのインプットが主流となる中、あえてアナログな「読書」を取り戻すことが、むしろ最先端の知的行為として再評価されているのです。 Continue reading
AI・動画時代 「思考のOS」を育てることこそ
◎これはクリップ集です◎
これまで「読書離れ」は大人の問題とされ、日本の義務教育課程は読書習慣をよく育ててきました。しかし、その状況に変化が訪れています。動画とAIが日本の子どもたちの学習環境を揺るがしています。
1.「読書が好き」の低下が示す基盤の揺らぎ
全国学校図書館協議会の「学校読書調査2025」は、日本の読書環境が明確な転換点にあることを示しています。不読率は小中高すべてで上昇し、とりわけ高校生では半数超が月に一冊も本を読まない状況。もっと注目すべきは、単なる冊数の減少ではなく、「全国学⼒・学習状況調査」の調査での「読書が好き」という意識や読書時間そのものが低下している点(下記知恵クリップ)です。言語を通じて世界を理解する力の基盤が、揺らごうとしています。
●読書は好きですか
・小学生の「当てはまる」の回答率
令和7年 36.6%
令和4年 42.1%
平成31年 44.4%
平成29年 49.1%
平成28年 49.5%
平成27年 49.0%
・中学生の「当てはまる」の回答率
令和7年 30.4%
令和4年 38.0%
平成31年 39.1%
平成29年 46.2%
平成28年 46.6%
平成27年 45.0%
全国学力・学習状況調査 「結果読書は好きですか」
AIと動画が書き換える「知」と「メディア」
◎これはクリップ集です◎
生成AIと動画プラットフォームの台頭は、書籍・メディアの価値連鎖を組み替えつつある。
情報の接点が「検索」から「対話」へ
Amazonが米国で開始したKindleの新機能「Ask This Book」は、購入・閲覧済みのKindle書籍に対し、ネタバレを避けながら内容理解を支援する“読書アシスタント”を目指している。検索の延長とamazonは説明するが、「検索」ではなく「対話」を通じて知を獲得する時代への移行を象徴しする出来事だろう。 Continue reading
教育現場での「デジタル活用」と「読書の重要性」
◎これはクリップ集です◎
現代の教育は、デジタル技術による効率化や個別最適化を進めつつも、学力の根幹を支える「読書」や「深い思考」といった価値をいかに守り、融合させるかという転換点にあります。そんななか、文部科学省は教師を「学びをデザインする高度専門職」に位置づけようとしています。 Continue reading
江戸の天才が驚く2025年――生成AIは人間を超えたのか
◎これはクリップ集です◎
■平賀源内も驚いた生成AIの隆盛
江戸の奇才・平賀源内が現代に蘇れば、自律して思考し物理世界をも動かす生成AIの隆盛に、さぞ目を見張ることでしょう。2025年、AIは「ガバメントAI(Generative AI=Gen AI=ゲンナイ(源内))」として行政の中枢に入り込み、NVIDIAやソフトバンクが推進する「汎用ロボット知能」によって、工場の機械にまで「脳」を授けようとしています。 Continue reading
出版業界の未来とAI ― バブルと構造変化の狭間で考える
◎これはクリップ集です◎
■AIがやってきた
出版業界は、生成AIの登場によって編集・翻訳・企画のプロセスが大きく変わりつつあります。校正の自動化や要約生成はもはや当たり前となり、制作コストの押し下げに期待がもたれています。一方、著作権や創造性の根幹に迫る問いを投げかけています。その結果、「人間にしかできない価値とは何か」を改めて問う状況が生まれています。
こういった変化は出版に限らず、あらゆる産業で進行しており、「AIバブル」や「その崩壊」という刺激的な言葉が注目される背景にもなっています。
■バブル論、崩壊論
では実際のところ、生成AIはバブルなのか。
これは論者の立ち位置、視点にもより、結論だけを鵜呑みにするのは危険です。
たとえば方や「300億~400億ドル規模のAI投資にもかかわらず、95%の組織が「何の成果も得られなかった(ゼロリターン)」」とMITが報じれば、他方、ソフトウェアレビュープラットフォームG2によれば、「B2B企業の57%がすでにAIエージェントを本番環境で運用しており、展開後の失敗率は2%未満」としています。 Continue reading
教育のデジタル化:「発達」を考慮したルール整備が課題
「人間の脳は1万〜2万年の時間を経ても変わっていません。生物学的な視点で、私たちの体をいま一度捉え直すことが大切なのです。
(中略)
(デジタル時代の今日、強調したいのは)「テクノロジーそのものは素晴らしいが、適切に使用すべきだ」ということです。特に子どもたちには睡眠や運動、そしてリアルの場での社会的な交流が必要です。
(アンデシュ・ハンセン「テクノロジーは“太古の脳”を持つ私たちに順応すべきです」)」
■デジタル教科書を本格導入
令和6年度(2024年度)は、小学校用教科書の改訂時期であり、それを契機にデジタル教科書を本格的に導入していく年度に当たります。小学校5年生から中学3年生の「英語」が、デジタル教科書の先行導入科目となり、順次拡大されていく流れです。QRコードの多用が話題になっていましたね(中学教科書、デジタル化進む QRコード急増)。
また、2024年4月1日より、特別な配慮を必要とする児童生徒等に対して、「合理的配慮の提供」が義務化されますが、教科書のデジタル化はこの点でも大きな役割が期待されています(たとえばデイジー教科書)。
※「デイジー教科書」とはデジタル録音図書の国際標準規格「デイジー」を採用した教材。パソコンやタブレット型端末などで利用する。音声を聞きながら文字や写真を見たり、文字の大きさや色を変えて読みやすくしたりできる。
これは、主にハード面を念頭に展開されたGIGAスクール構想でICT機器が身近になった教育現場に、教科書や教材などソフト面の充実が、教育ICT化の次の対象と目されているからなのです。
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