Category Archives: 再編成されるLife(生活/生命/人生)

●日本的高密都市の行方 企業の「ニューノーマル」は生まれるか

欧米は3月から、日本でも4月から外出禁止(日本では自粛)や対面中心の一部業種に対する営業休止(日本では自粛)が続いている。ここにきてようやく、これら制約の「解除」の動きも出てきた。しかし「新しい生活様式」「ニューノーマル」の起点である、感染予防の「 social distancing」。当面ここは変わらない。

だとすると、コロナはいわば強制的な「共通体験装置」として機能し続ける。いままでの「日常と非日常」区分の見直し、「もともと持っていた価値の転換」を実感する、そういう時間をわれわれは過ごしてきたし、これからもしばらく続けることになりそうだ。

さてそれでこのコロナ下での体験を機に、日本の「会社社会」は変わっていくのか企業の「ニューノーマル」へ向け「社会の危機を変化の入口に」することが、日本の「会社社会」はできるのだろうか。それとも危機が終われば元へ戻るだけの話しだろうか。 Continue reading

 

■日本の第一波はピークを過ぎている 専門家会議の資料からは

 

まるで忍者だ

新型コロナは誠に厄介だ。もともとウイルスは目に見えないが、新型コロナは他の感染症と異なり発症前に長い潜伏期間がある(しかも発症前も感染性が高い)ことや、肺の奥に居ついているとPCR検査でもX線画像でも見つからないことがある。まるで忍者だ。

フランスでは最初の感染例が報告される数週間も前から、じつはパリに新型コロナがいた、と最近分かった。
・フランスで昨年末に新型コロナ患者 医師らが検出 https://www.cnn.co.jp/world/35153330.html
(追記:5月7日
・新型コロナ、人への感染は19年終盤から 英大学が遺伝子分析 - https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-evolution-idJPKBN22I2MRContinue reading

 

5月3日は図書館閉館の日 『膵臓』と『ペスト』を想う日

小説にはない、12年後2015年の春

5月3日は図書館閉館の日です。それに先立つ、桜が散り急ぐある春の朝、閉館のための蔵書の整理担当を、高校教諭志賀春樹が任されることになったのでした。映画『君の膵臓をたべたい』の冒頭シーンです。

映画『君の膵臓をたべたい』は住野よる氏による同名の小説を下敷きにしています。
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●「コロナ後のニューノーマルへの備え」と「社会の危機を変化の入口に」

フランスのマクロン大統領は、「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)には資本主義を作り変える力がある。」、とフィナンシャル・タイムズのインタビューでコメントしています。

世界中が感染症対応と、その対応がもたらす社会インフラ破壊への手当てに追われています。このコロナ危機のさなか、しかしコロナが収束しても、もはや「元の世界」には戻れないのではないか、どういう世界がその先に待ち受けているのかについての思索が、世界では始まっているのです。感染爆発ならぬ企業倒産の多発で、モノとサービスの供給体制が瓦解する「倒産爆発」の後では、もう元の状態に戻れないと考えられるからです。 Continue reading

 

国と東京都が「宣言」でもめた 今後どうなるのか 新型コロナ

日本の備えに不安しか募らない理由」を上昌広氏(医療ガバナンス研究所理事長)が語ったのは、今から三ヶ月前、1月24日のことだった。4月10日、氏の懸念はまさに現実のものになろうとしている。


(「新型肺炎」日本の備えに不安しか募らない理由 | コロナウイルスの恐怖 |  https://toyokeizai.net/articles/-/326434Continue reading

 

感染症が発生した場合、国や都道府県はどう行動したらよいのか

感染症対応は社会的隔離政策発動の、「スピードと果断さ」が重要だ、というのが世界の一致した認識です。これまでのところ(2021年4月6日)、初動が早く、徹底した施策を展開し成功していると言われているのが、ドイツ、台湾、シンガポールです。他の国は「あと○○日早く動けていれば」と臍を噛みながら、しかし果敢に新型コロナへの対応を実施しています。

(NYとカリフォルニアの差はなぜ、米 新型コロナ拡大 - YouTube https://www.youtube.com/watch?v=1OfPEypYsyc

なぜ「スピード」と「果断さ」なのか。感染が指数関数的に増大するからです。 Continue reading

 

新型コロナでオリンピックは延期?

オリンピックは延長(してででも開催)の選択肢を至急検討すべき段階に来たのでは、ないでしょうか。

理由その1 中国共産党の認識の変化

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●男性優位社会と国家の貧窮化

2019年12月17日、男女格差の大きさを国別に比較した世界経済フォーラム(WEF)による、「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」の2019年版が発表されました。これが先進国だろうか、という日本社会への評価になっていました。

そしてその翌日、TV、新聞を賑わしたのが、ジャーナリストの伊藤詩織氏が元TBSワシントン支局長の山口敬之氏から性的暴行を受けたとして起こした民事訴訟での「勝訴」の報道。

海外メディアからはこれを機に、日本社会に対する厳しい言説を展開。たとえばアメリカのワシントン・ポスト紙は「今回の裁判を通じて、(日本という国が抱える:筆者註)性犯罪に関する時代遅れの法律、男性優位で保守的な国家体制、性被害を主張する女性への障害が明らかになった」と報じています。

日本では今、20世紀、戦後を経済大国へ押し上げた様々な要因が、21世紀になって今度は逆に、成長への足かせとなり、社会問題が噴出しています。男女間の不平等もそのひとつ。しかしそれだけではなく、戦後日本社会の慣行のイナーシャが、構造改革を押しとどめる状況が常態化、識者の中には、貧乏国家化を憂える声も高まっています。

そもそもホモサピエンスが「共同保育で共感能力を養い、社会性を高めていった」ことに思いをはせることが、ますます必要になってきているといえるでしょう。 Continue reading

 

おばあちゃん仮説とイクメン理論

少子高齢化はもはや耳慣れた単語になっています。ところがその「少子化」が想定を超えて進んでいるらしいことが最近わかりました。日本という社会を維持していけるか。日本人はとんでもない分岐点の上に、今いるのかもしれません。 Continue reading

 

『未来のミライ』を観ましたか?

『未来のミライ』は、ファンタジーというジャンルが何をできるかを教えてくれる映画だ。

『未来のミライ』を受賞させるかどうか、でアカデミー賞そのものがむしろ試される。このアニメーション映画はそういう作品だ。

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