Tag Archives: 障害者差別解消法

電子図書館が増えている(2016年4月)

2015年の一年間に新規に電子図書館システムを導入した図書館の数は、8カ所。

ところが今年2016年は4月までに、同数の8箇所が導入済み。

背景には、障害者差別解消法があるのでしょうね。

・障害者差別解消法施行を前に出版社が考えること 【セミナー備忘録】 | ちえのたね|詩想舎 http://society-zero.com/chienotane/archives/3957

・「合理的配慮」と電子書籍サービス | ちえのたね|詩想舎 http://society-zero.com/chienotane/archives/2369

 名 称 都道府県 開始年月  システム
1 TRC豊島電子図書館 東京 '16. 04 DNP/TRC
2 みやしろ電子図書館 埼玉 '16. 04 DNP/TRC
3 播磨町電子図書館 兵庫 '16. 04 DNP/TRC
4 田川市電子図書館 福岡 '16. 03 DNP/TRC
5 さいたま市電子書籍サービス 埼玉 '16. 03 DNP/TRC
6 高砂市立図書館 兵庫 '16. 02 DNP/TRC
7 豊川市電子図書館 愛知 '16. 02 DNP/TRC
8 さくら市電子図書館 栃木 '16. 01 DNP/TRC
1 北見市立図書館電子分室 北海道 '15. 12 DNP/TRC
2 山中湖情報創造館 山梨 '15. 10 JDLS
3 桶川市電子図書館 埼玉 '15. 10 DNP/TRC
4 明石市電子図書館 兵庫 '15. 10 DNP/TRC
5 潮来市立電子図書館 茨城 '15. 09 MD/OverDrive
6 龍ケ崎市立電子図書館 茨城 '15. 07 MD/OverDrive
7 八千代市電子図書館 千葉 '15. 07 DNP/TRC
8 八代市電子図書館 熊本 '15. 04 DNP/TRC


(出典:電子図書館について | 電子書籍の情報をまとめてみる http://www7b.biglobe.ne.jp/~yama88/topi_4.html  )

[追記]2016年6月時点、じわりとTRC以外が増えてきた。
(出典:JEPA|日本電子出版協会 電子図書館とは?  http://www.jepa.or.jp/ebookpedia/201607_3165/   )

・紀伊國屋書店

NetLibraryのサービス名で図書館向け学術系電子書籍コレクションを提供。公共図書館では、2016年6月時点で4館の導入実績がある。

・メディアドゥ

2014年にアメリカの電子図書館事業最大手のOverDrive社と提携し、2015年4月から国内での電子図書館サービスを本格的に開始。公共図書館では、2016年6月時点で3館の導入実績がある。 

 

障害者差別解消法施行を前に出版社が考えること 【セミナー備忘録】

「個人用のメモです。議事録ではありません」といつも記述していますが、今回は特に、セミナーに刺激され連想したことと、セミナーの報告部分とは6:4くらいの分量になりそうです。
(記事中の図画で、引用元を表記していないものはプレゼン公開資料を使用しています)

■JEPAセミナー概要

2016年3月9日 障害者差別解消法施行を前に出版社が考えること http://www.jepa.or.jp/sem/20160309/

2016年4月1日に障害者差別解消法(※)が施行されます。

本セミナーでは、出版社が知らなければならない障害者差別解消法のエッセンスと対応についてわかりやすく解説してもらいました。また、講談社、小学館からはこれまでに取り組んできてこと、これからのことについてお話を伺いました。
※ 正式名称:障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai_leaflet.html

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14:20~14:30 開催のご挨拶 ビジネス研究委員会 委員長 岡山将也(日立コンサルティング)
14:30~15:10 障害者差別解消法のエッセンスと電子書籍に関する技術の社会的意義
青木千帆子氏(静岡県立大学グローバル・スタディーズ研究センター客員共同研究員)
15:15~15:35 電子出版とアクセシビリティ
吉羽 治氏 (講談社 デジタル国際ビジネス局 局長)
15:40~16:00 「すべの人に読書権を」34年の歩み
大田亨彦氏 (小学館 社長室 ジェネラルマネージャ)
16:05~16:45 教育機関における出版物障害(print disabilities)への対応
近藤武夫氏 (東京大学 先端科学技術研究センター 准教授)
16:50~17:10 Word文書読み上げアドインの研究開発とデモ
柳 明生氏 (イースト 事業推進部)
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1.「朝から泣いた。」

日本電子出版協会(JEPA)ではfacebook「ページ」を運営している。「JEPAClip」という名称で、電子出版関連のニュースや、Web記事をピックアップしてはタイムラインに流している。閲覧数は記事により様々だが、あまりコメントが付くことはない。

ところが最近(2016年3月24日)、シェアされ、「朝から泣いた。」とコメントされることがあった。コメントの対象は朝日新聞のURL、佐賀県武雄市の女の子の話しで、記事タイトルは「奇跡の学びを手にした少女 タブレットで言葉も計算も」だった。

セミナー講師の青木先生や近藤先生のお話に触れる前に、この記事について簡単に触れておきたい。

 

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●日本の大学の現状は、学位をお金で買う「ディプロマ・ミル」

D:学習・教育のデジタル化と変容する知の体系

●世界の大学変革の兆しが、日本の大学に与える驚異とは http://univ-journal.jp/column/20153183/
オープン化が「大学」という教育機関の存在意義を問うている。しかも、まずは海外の大学からの圧力が。
「日本の大学は、国内の18歳人口の減少というマーケットの急激な縮小だけでなく、科学技術の発展によって、海外の進化が進んだ最高教育の波が日本に押し寄せ、日本の大学の存在価値を奪ってしまう。これが近未来に起きるであろう日本の大学淘汰のシナリオと考えられる」。
・Minerva大学の独自のActive Learning Formと呼ばれる学習プラットフォーム


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●答えのない課題に取り組む力と「教育のデジタル化」

D:学習・教育のデジタル化と変容する知の体系

●日本が世界に劣る「中高教育に潜む弱点 http://toyokeizai.net/articles/-/93856
学外の「教育のデジタル化」による大変化:MOOCで大学レベルの講座を受講する中高生は世界的に相当数いる。現に東大のMOOC講座は6コースに過ぎないが、累計20万人が履修、しかも180か国からの参加。
一方学内のデジタル化社会への適応はこれからの段階:21世紀型スキルへの対応、特に、「創造性や答えのない課題に取り組む力のような21世紀型スキルを養うにはどうすればいいのか。中学・高校の教員や大学関係者は真剣に検討すべき時期に入っている」。
その背景に、「教員の国際的な経験や機会が非常に少なく、海外の教員との交流がないことも、日本の現在の教育体制を変えていく上でのアキレス腱になってい」る。
さらに、「大事なことは、親自身も21世紀型スキルに関して自覚的に学ぶということ」。

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●オープンとアクセシビリティがニュースになる日

D:学習・教育のデジタル化と変容する知の体系

●オープンアクセスのパラドックス 【セミナー備忘録】(1) | ちえのたね|詩想舎 http://society-zero.com/chienotane/archives/2565
第17回 図書館総合展での土屋俊氏の講演、「学術情報流通の動向2015」から。
Elsevier社が発行する言語学のトップクラス・ジャーナル(学術専門雑誌)であるLingua誌。そこで2015年11月2日、事件が起きた。ことの発端は「オープンアクセス・ジャーナル」を巡る、出版社側と学術コミュニティ側の主導権争い。背景には高騰する電子ジャーナル価格がある。
次世代の、新しい知のエコシステムをどう構築するか。デジタル化で、パッケージとしての雑誌が相対化されていく中で、知のエコシスムをどう再生するのか。

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「合理的配慮」と電子書籍サービス

「合理的配慮」と公共図書館

2014年1月、日本政府は「障害者の権利に関する条約」(障害者権利条約)を批准した。また批准に先立ち2013年6月には、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法)が制定され、2016年4月から施行される。

この障害者差別解消法の施行により、障害者に対する「合理的配慮」の提供が、公共図書館では義務、私設図書館では努力義務となる。 Continue reading

 

●変わる教育 図書館入試から「Quipper」まで

D:学習・教育のデジタル化と変容する知の体系

●生徒も先生も親も変わる!世界の教育の最前線でいま起こっていること https://mirai.doda.jp/series/interview/quipper/
「教育をパーソナライズできること。テクノロジーが教育にもたらすメリットの多くはこれに集約される」。
「新興国は優秀な教師を集める力、教師ひとりあたりの生徒数、教材の質と量に大きな課題を抱えています。ですから、新しいテクノロジーに対して、教育の課題を解決することを求める思いが強い」。日本発「Quipper」も新興国で人気=フィリピンでは「Quipper」という言葉が「宿題」と同義で使われている。
「Quipper」は親子のコミュニケーションの促進にもつながる。「子どもが成長するプロセスにおいて「親」という存在が復権を果たすようになるのではないでしょうか」。

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知のパラダイムシフト

●メディアドゥ、取次好調で電子書籍事業の売上高は70億超に

A:<メディアとしての紙>から<デジタル化するメディア>へ

●メディアドゥ、取次好調で電子書籍事業の売上高は70億超に http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=ir_material_for_fiscal_ym&sid=15124&code=3678
電子書籍事業では「LINEマンガ」をはじめ、大型電子書店への電子書籍取次が売上高の伸長に大きく寄与。絵本専門の電子書籍ストアアプリ「Toyboo!(トイブー!)」にも期待。

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●あなたの進路は人工知能が決める

D:<学習・教育のデジタル化>と<脳と身体の生態史観>

●あなたの進路は人工知能が決める http://wired.jp/2015/01/12/next-world-04/


高校時代の成績、大学入学試験のスコア、ACT(American College Test)やSAT(Scholastic Assessment Test)など大学進学の指標となるテストの成績、大学入学後の科目ごとの履修実績や成績など、学生個人に関するあらゆる情報をインプットする。すると、自分自身でも気づかない「適性」を解析、次に履修すべき科目を指示してくれる。

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