Category Archives: 学習・教育のデジタル化と変容する知の体系

●答えのない課題に取り組む力と「教育のデジタル化」

D:学習・教育のデジタル化と変容する知の体系

●日本が世界に劣る「中高教育に潜む弱点 http://toyokeizai.net/articles/-/93856
学外の「教育のデジタル化」による大変化:MOOCで大学レベルの講座を受講する中高生は世界的に相当数いる。現に東大のMOOC講座は6コースに過ぎないが、累計20万人が履修、しかも180か国からの参加。
一方学内のデジタル化社会への適応はこれからの段階:21世紀型スキルへの対応、特に、「創造性や答えのない課題に取り組む力のような21世紀型スキルを養うにはどうすればいいのか。中学・高校の教員や大学関係者は真剣に検討すべき時期に入っている」。
その背景に、「教員の国際的な経験や機会が非常に少なく、海外の教員との交流がないことも、日本の現在の教育体制を変えていく上でのアキレス腱になってい」る。
さらに、「大事なことは、親自身も21世紀型スキルに関して自覚的に学ぶということ」。

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専門書の相対化 デジタル化時代の専門書出版(2)

デジタル化時代の専門書出版
(1)専門書の売上推移
(2)専門書の相対化
(3)教科書、啓蒙書はどこへ行った
(4)「越境する知」と「知の体系的血肉化」
(5)XUB:eXtensible Utilization of Books
(6)電子化作業の協業化、、あるいは「公」の視点

(2)専門書の相対化

なぜ専門書は全体の趨勢以上の激しい勢いで減少の一途を辿っているのか。業界の中の人の声を聞こう。

ここでは、東京大学出版会の橋元博樹氏の論考、「学術書市場の変化と電子書籍(「情報の科学と技術 65巻6号(2015)所収)」、 京都大学学術出版会の鈴木哲也氏・高瀬桃子氏共著の『学術書を書く(京都大学学術出版会 2015年)』、有斐閣の鈴木道典氏の「「変わる大学、変わる図書館(第17回図書館総合展 )」からの知見、情報を拠り所に整理してみる。
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●社会が変わったら、教育も変わる

D:学習・教育のデジタル化と変容する知の体系

●今の日本に本当に必要なのは、誰に何の教育か? http://www.huffingtonpost.jp/jpolicy/japan-education_b_8324186.html?ncid=fcbklnkjphpmg00000001
製品にはプロダクト・ライフ・サイクルがある:「導入期→成長期→成熟期→衰退期」。同様に「組織や制度にも寿命というものがあります。教育制度も、けっして例外ではありません。戦後70年間、現在の教育制度は素晴らしい機能を果たしました。しかし、今は変化が必要なのです」。

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専門書の売上推移 デジタル化時代の学術出版(1)

デジタル化時代の学術出版
(1)専門書の売上推移
(2)専門書の相対化
(3)教科書、啓蒙書はどこへ行った
(4)「越境する知」と「知の体系的血肉化」
(5)XUB:eXtensible Utilization of Books
(6)電子化作業の協業化、、あるいは「公」の視点

(1)専門書の売上推移

毎月月初は「出版状況クロニクル」の出番だ。ここ数年は、出版「不況」クロニクルの様相をていしている。

ところで専門書は出版不況の中でどうなっているのか。「クロニクル」ではなかなか触れられてこない数値を追いかけてみよう。 Continue reading

 

●オープンとアクセシビリティがニュースになる日

D:学習・教育のデジタル化と変容する知の体系

●オープンアクセスのパラドックス 【セミナー備忘録】(1) | ちえのたね|詩想舎 http://society-zero.com/chienotane/archives/2565
第17回 図書館総合展での土屋俊氏の講演、「学術情報流通の動向2015」から。
Elsevier社が発行する言語学のトップクラス・ジャーナル(学術専門雑誌)であるLingua誌。そこで2015年11月2日、事件が起きた。ことの発端は「オープンアクセス・ジャーナル」を巡る、出版社側と学術コミュニティ側の主導権争い。背景には高騰する電子ジャーナル価格がある。
次世代の、新しい知のエコシステムをどう構築するか。デジタル化で、パッケージとしての雑誌が相対化されていく中で、知のエコシスムをどう再生するのか。

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オープンアクセスのパラドックス 【セミナー備忘録】(5)

(5)「棄却」が支える、電子ジャーナルの「権威」創出メカニズム

オープンアクセス運動の皮肉な転換点

こともあろうに、あの商業主義、金まみれのゾンビと化したElsevier社が、「自分たちは世界最大のオープンアクセス出版者である」と主張しだした。これはOA運動のある意味皮肉な転換点となるだろう、というのが土屋氏の見立てだ。 Continue reading

 

オープンアクセスのパラドックス 【セミナー備忘録】(4)

(4)出版社による調略

ハイブリッドというトロイの木馬

ところがこの難問を梃に、むしろ商業出版社は「オープンアクセス」運動を逆手にとる戦略に打って出た。「障壁なきアクセスのうち、アクセス可能性、アクセスの対象を広げることについてはお手伝いしましょう。ただ商業出版なんですから、有償の点はご容赦くださいね」、といいながら。

掲載料(Article Processing Charge:APC)を払って論文掲載を申し出る方法でも論文を受け付けましょう。その論文を従来型モデルの論文と同居、混載させます。そりゃあ、権威あるジャーナルに載ることで学者、研究者として箔もつきますし、引用されやすくなりますからね。この新しいジャーナルはハイブリッドジャーナルと呼びましょう」。 Continue reading

 

オープンアクセスのパラドックス 【セミナー備忘録】(3)

(3)オープンアクセス運動

オープンアクセスとは

オープンアクセス(OA )構想は、2002年2月14日にブダペスト・オープンアクセス・イニシアティヴ(BOAI)において「ブダペスト宣言」として発表された。

査読済み論文に対する障壁なきアクセス」がその本質。 Continue reading

 

オープンアクセスのパラドックス 【セミナー備忘録】(2)

(2)デジタル化はオープン化の入り口(のハズだった?)

品質決定と価格決定の分離

現在の学術コミュニティを支える学術専門雑誌のルーツとされるものは、17世紀に始まったとされている。紙に刷り、物流を最適化することで、情報と知識の流通の最大化、知のエコシステム構築を図ってきた。

そもそも学問は先人の業績の上に、新発見、新知見を加えることで進んできた。ならばできるだけ多くの先人の業績にアクセスできることが、新発見、新知見の付加をより強化し、より加速させるだろう。 Continue reading

 

オープンアクセスのパラドックス 【セミナー備忘録】(1)

(1)電子ジャーナルで起きた、編集委員会の反乱

(個人用のメモです。議事録ではありません。記事中の図画は、引用元を表記していないものはプレゼン公開資料を使用しています)●学術情報流通の動向2015:オープンアクセスの先にあるもの http://www.slideshare.net/tutiya/2015-55014969

学術情報流通の動向2015 | 第17回 図書館総合展 http://www.libraryfair.jp/forum/2015/1840

■概要:オープンアクセスの先にあるもの
2015年11月11日 (水) 10:00 - 11:30
第6会場
講師:土屋 俊 大学評価・学位授与機構教授
主催:図書館総合展運営委員会

2014年から2015年にかけての一年間で、実際的オープンアクセスの状況が大きく展開した。国際的な発表論文数の優に10%以上が論文処理費用の著者支払いによって出版される時代が到来し、出版者はその方向への体制を整備しつつある。そのような時代に「購読する図書館」という存在はどうなるのか。それだけでなく学術情報流通の構造全体に変化は生じるのか。さらに学術論文へのオープンアクセスから展開して、データへのオープンアクセス、科学的、学術的営為のオープン化があさりと語られるようになった時代に、もともと秘教的な性格にそのアイデンティティを求めてきた「学問」そのものはどうなるのだろうか。これらの疑問への解答の手掛りを探してみたい。


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