AI時代の学びの作法 「脳のモード」を切り替える

◎これはクリップ集です◎

 

■進化する教室:教科書とタブレットが共存する時代

教室の子どもたちの手元にいまあるのは、使い慣れた紙の教科書でしょうか、それとも洗練されたタブレット端末でしょうか。小中学の義務教育課程、さらには高校大学の教育環境が大きく変わってきています。

小中学校に電子教科書が導入されて数年が経ちました。さらに次年度の高校教科書の99%にはQRコードが掲載される段取りになっています。東京都は「次世代の学び」として1人1台端末の活用を加速させる計画ですし、AI教材が立命館大学などの入学前教育に導入されるなど、基礎学力の習得をAIが個別最適化して支援する時代が到来しています。

さらに「ポケモン」のような人気コンテンツが探究教材として無償公開されたり、クラスで本を共有できる電子図書館サービス「Yomokka!」が登場したりと、学ぶ楽しさはかつてないほど多様化しています。

そろそろ「道具の使い分け」という視点とその具体策が明確にされなくてはいけない段階にきているようです。

■デジタルの罠:無意識に浅くなる「呼吸」と脳疲労

ところで最新の研究では、スマホなどのデジタルデバイスで文章を読む際、私たちは無意識に呼吸が浅くなっていることが明らかになりました。研究によれば、スマホ読解時には脳(前頭前野)が過活動になり、深い「ため息」による脳のクールダウンが阻害されるため、理解力が低下するというのです。これが蓄積すると「スマホ脳疲労」を引き起こし、集中力や意欲の減退を招きます。

一方で、電子書籍やデジタル新聞には、圧倒的な検索性や即時性、重い本を持ち運ぶ必要がないという利便性があります。2026年の市場データを見ても、この流れは止まりません。大切なのは、どちらか一方を選ぶことではなく、情報の質に応じて「脳のモード」を切り替えることです。

■「モード」を変える

速報を知る、キーワードを検索する、AIと対話しながら探索を深める。これらはデジタルの得意分野です。しかし、物語の世界に没入し、著者の思考の断片を深く咀嚼して自分の血肉にするような「深い読解」が必要な時は、あえて紙の本を手に取ってみてください。紙をめくる手触りや、ページの物理的な位置関係は、脳に記憶のフックを作り、深い呼吸を促してくれます。

文部科学省の報告書が示す通り、これからの図書館や学びの場は、地域社会とデジタルが融合したハイブリッドな姿へと進化していきます。この便利な荒波を泳ぎきるために、時には端末を置き、深くため息をつきながら、紙のページをめくる――。そんな「知的な呼吸」が重要になってくるのかもしれません。

 

■知恵クリップ

●スマホで読むと頭に入らないのは 「ため息をつけない」からだった ― 昭和大学が解明した「呼吸×脳×理解力」の意外すぎる三角関係 https://www.haradaeigo.com/smartphone-sigh/
スマホで文章を読むと紙で読む場合より「ため息」が減り、脳が過活動となり読解力が下がる。昭和薬科大学の研究。
・ため息は脳への負荷のコントロール

・深い理解には「紙」/速い処理にはデジタル

(スマホ読書は理解力を下げるのか?2022年科学論文が示した「脳・呼吸・学習効率」の関係 )

●「スマホ脳疲労」に注意 https://bit.ly/40UO1Zw
スマホの過剰利用は、脳の「前頭前野」に負荷をかけます。ここは思考や感情を司る重要な部位です。マルチタスクが続く日常では、深い思考力が失われがちです。あえて紙の本を手に取りましょう。能動的に読む習慣が、脳の働きを回復させます。スキマ時間のスマホを、短時間の紙の読書に変えてみてください。仕事の生産性やメンタルに好影響を与えます。キャリアの土台となる「考える力」を磨くためのヒントが詰まっています。
https://note.com/gaishi_it_sales/n/n2b8f418d184a

●【2026年最新】電子書籍と紙の本、どちらを選ぶ?脳科学と市場データから見るそれぞれの特徴 https://mamabook.hateblo.jp/entry/2026/01/03/212200
「目的別の使い分け例
電子書籍:場所を取るマンガの多読、移動中の暇つぶし、検索性を重視する実用書、文字サイズを調整したい時。
紙の本:資格試験のテキスト、深い没入が必要な文学、読み聞かせをする絵本、デジタルデトックスをしたい夜。」

●新聞をスマホで読むメリットとデメリット|主要新聞5紙の電子版を徹底比較 https://sonasapo.com/seniorlife/8586/
「新聞を電子版で読むメリット:
・いつでもどこでも読める
・過去記事の検索ができる
・古紙回収・ゴミ出しが不要
・資源の節約・地球環境の保護につながる
(中略)
契約している紙の新聞をそろそろ止めようと思っている人は、購読停止ではなく新聞電子版への変更も検討してみてはいかがでしょうか。」

●AI教材の入学前教育活用が25大学79学部に拡大、立命館大学などで基礎学力習得を支援 https://edu.watch.impress.co.jp/docs/news/2089782.html
「atama plus株式会社は、立命館大学などの25大学79学部において、AI教材の導入による入学前教育が広がっていることを2026年3月2日に発表した。この取り組みは、入学後の学びに必要な基礎学力の習得を目的としている。」

●都立高校を次世代の学びへ。 「新たな教育のスタイル」の実現に向けたプロジェクト(案)|2月|東京都教育委員会 https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/02/2026021903
「デジタルの教育としては、例えば、デジタル教科書の活用では、グラフや図を動かして視覚的に理解したり、英語をネイティブの発音で聞くなど、生徒の理解度に応じた効果的な学習が進んでいます。また、学習指導要領の枠を超えて、多様な視点に触れ、意欲や課題意識を育み行動変容を促進できる「生成AI」や「アントレプレナーシップ」など5つの教科(科目)のデジタル教材を開発しています。」

●高校教科書、QR掲載99% 小中に続き、文部科学省検定 https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/2271020
高校1年生が使用する教科書、「11教科236点のうち235点(99%)が2次元コード(QRコード)を載せ、小中学校に続いてデジタル教材での学びが広がる。」
・高校1、2年の教科書検定

ほぼすべてにQRコード 生成AI、情報モラル記述―高校1、2年の教科書検定・文科省:時事ドットコム

●電子図書館「Yomokka!」クラスで本を共有できる新機能 https://reseed.resemom.jp/article/2026/03/19/12847.html
「待ち望んでいた『みんなの本だな』機能がリリースされました。先生が厳選した本をクラスや学校全体に手軽に共有できる機能です。簡単な操作で一括追加できるため、先生の負担も抑えられます。また、児童生徒は選ばれた本を迷わず見つけられ、先生と同じ配置で閲覧できるため学びの共有も容易です。」
・クラスで本を共有できる新機能

電子図書館「Yomokka!」クラスで本を共有できる新機能

●『ポケモンフレンズ』が探究教材に、小中学校向けに無償公開 https://edu.watch.impress.co.jp/docs/news/2089637.html
「教材は、算数の学習内容をゲームづくりの視点から考える構成で、ポケモンフレンズの開発のポイントを学びながら、身の回りの図形を題材に自分でゲームを考えるプロセスを体験可能だ。」


『ポケモンフレンズ』が探究教材に、小中学校向けに無償公開

●「図書館が拓く未来の学びと地域社会(報告書)」を公表します:文部科学省 https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_01613.html
「【公共図書館】「読む」「集う」「学ぶ」の機能を総合的に展開して「地域共創」に寄与
【学校図書館】 学びの深化を担い、一人一人の「好き」を育み「得意」を伸ばす居心地の良い学校の「中心」へ」
・報告書本文
https://www.mext.go.jp/content/20260317-mxt_chisui01-000048250_02.pdf