Category Archives: <メディアとしての紙>から<デジタル化するメディア>へ

「大賞」選定の必然 電子出版アワード2021

2021年は日本における、知の流通とインターネット、というテーマにとって節目になる年でした。Wikipedia登場から20年目、EPUB3.0リリースから10年目。さらに遡ると、著作権切れの有名文学作品をデジタル化し、ネット上で公開する「Project Gutenberg(グーテンベルグ・プロジェクト)」が始まったのが1971年。今年2021年はその50周年にあたります。
Free eBooks | Project Gutenberg

この節目の年の「電子出版アワード2021」の「大賞」に、国立国会図書館(以下NDL)の事業計画書である「ビジョン2021-2025」が選ばれたのはとても象徴的な出来事だったと思います。

ビジョン2021-2025 国立国会図書館のデジタルシフト
・情報資源と知的資源をつなぐ7つの重点事業

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書物と電子書籍のイノベーションの現在

たしかに読書も歌や楽器の演奏、演劇、そしてスポーツも、それがなくて生きてゆくことはできます。しかしことばは、それがなくては社会が成立しない。その意味で、読書には、他の楽しみと違う何かがある、と言っていいのではないでしょうか。 Continue reading

 

「本との出会い」をDXする

 


(Z世代はめっちゃ検索してる! 「若者は検索エンジンを使わない」は偏見だった!? https://webtan.impress.co.jp/e/2021/10/15/41754

 

■棚の力が果たした「本との出会い」

「復調」や「市場の底打ち」が報じられる出版市場ですが、子細に観るとコミック頼り。コミック以外の分野はなお危機の上にある、といってよいでしょう。「書き手→出版社→取次会社→書店→読み手」という仕組みが機能不全に陥りつつあるからです。 Continue reading

 

WEBTOONが見せつける、出版のIT化とDXの違い

◎WEBTOONは、出版でのDX(デジタルトランスフォーメーション)の象徴、「デジタル・ファースト」が進んだのは韓国の漫画・コミック。文字ものでの鍵はCSSか◎

 

■IT化(デジタル化)とDXの違い

日本では社会全体で、テレビ、そして新聞や雑誌へのアクセス頻度・時間が低下しています。 Continue reading

 

本の知識の組織化と長尾構想

 

◎普及が進む電子図書館と長尾構想が目指した「理想の電子図書館」との異同あるいは「知識の構造化」について◎

「問題を解くためには、主題となっている事柄についていくらかの知識が必要であり、われわれはすでに持ってはいるが眠っている知識の中から関係のあるものを選び出し、集めておくことが必要である。」(『いかにして問題をとくか(G.ポリア ) 』)

長尾構想の問題意識、危機感
「知識の構造化」のふたつの場面
理想の電子図書館と「本の知識の組織化」

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専門書出版社が取り組んできた電子出版事業の現場10年とその先 【セミナー備忘録】

◎電子出版事業推進における勘所を専門書・実用書出版社の視点で紹介するセミナー。

講師 馮 富久 氏
株式会社技術評論社 クロスメディア事業室室長

開催概要
日時:2021年2月16 日(火) 16:00-17:30
会場:オンライン Youtube Live(定員ナシ)またはZoom(300名)
主催:日本電子出版協会(JEPA)
https://www.jepa.or.jp/sem/20210216/

(個人用のメモです。議事録ではありません。全体の詳細な内容は下記URL・講演映像をご視聴ください。また記事中の図画はプレゼン公開資料を使用しています)

講演資料 https://bit.ly/JEPA20210216GIHYO
講演映像 https://www.youtube.com/watch?v=nBm2Jp_VH0M

 

1.電子書籍で4桁の売上(部数)も

本セミナー、馮氏発言の一番の注目ポイントは電子書籍の売り部数として3桁の販売数のものがかなりの割合で増えてきているという点。年々進む日本社会におけるオンライン・デジタル化を背景に4桁(売り部数)の例すら出てきた。とりわけ昨年2020年はコロナ禍でのオンライン授業の要請やリモートワークの実践など、その状況を、外的要因が後押ししている。 Continue reading

 

●たとえあまり売れなくても、価値のある本を作る

たとえあまり売れなくても、価値のある本を作る。そのために先ず、他の本で十分な売上を作ること。」

これは韓国出版業界で5本の指に入る図書出版「キョル」の代表、キム・ジェミンの言葉。
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●コロナ禍の中で「読書」、メディア、出版産業の危機は深まるか

 


(Rallying Around #BooksAreEssential https://www.publishersweekly.com/pw/by-topic/industry-news/publisher-news/article/83099-rallying-around-booksareessential.html

社会全般で言えることだが、コロナ前にあったトレンドをコロナ禍が加速させる、あるいはもともと問題視され課題であると認識されながら、解決に及び腰であった問題を、コロナ禍が顕在化させる、という現象が起きている。

読書、出版でも同様だ。 Continue reading

 

丸善出版が『続・人類と感染症の歴史』の一部を公開

新型コロナに関しては楽観説と悲観説が混在、しかも政府の腰は定まらず、私たちは振り回されています。

こんな時こそ、「専門知」の伝搬力が試される。 Continue reading

 

プレス|新しい「学びの場」と新しい<ホン>の形とがコラボ

ひとり出版者、詩想舎(代表:神宮司信也)はこのたび、熊本大学教育学部・准教授苫野一徳氏が主宰する「苫野一徳オンラインゼミ(有料オンラインサロン)」に対し、「読み放題」サービスを一定期間、無償にて提供することとしました。 Continue reading