●「アンバンドリングとリ・バンドリング」が21世紀の鍵 出版でも

A:<メディアとしての紙>から<デジタル化するメディア>へ

●ユニクロ、福音館書店、日販/人と本とをつなぐ新たな取り組み http://ryutsuu.biz/topix/h121408.html
「アンバンドリングとリ・バンドリング」が21世紀の鍵。とりわけデジタル化が進めるモノと意味の流通へ与える変化がそれを後押しする。本を作る、人に本を届ける、本を売る、それらの分離を、本と人との出会いを増やす方向に利用することが出版業界の課題なのかもしれない。さて、それでは、その時、本屋の持つ意味とは。

●残業を減らしたければ権限分掌しろ https://wirelesswire.jp/2015/12/48787/
日本の出版業界が不況に悩み、コンテンツを有効活用できていないのは、権限分掌をはじめとする「経営のやり方」に問題がある気がしています」。

●誰が出版社を潰すのか http://www.ebook2forum.com/members/2015/12/who-kills-the-publishers/
英国の状況についてのレポート。日本に関していうと、取次システムが資金繰りの面倒を見てくれることから、デジタル対応に限らず変革への対応がおっくうになる方向へ働いた側面を見逃せない。また、本というメディアの「相対化」、つまり、雑誌か書籍しかない状態から、インターネットの普及によって人々の情報入手経路や消費傾向が大きく変わったことも。

●電子書籍で少年の読書リテラシーが改善:National Literacy Trustが調査結果を発表(英国) http://current.ndl.go.jp/node/30182
同じく英国の話。。「読書が“cool”(カッコいい)と感じる少年の割合が34.4%から66.5%に増加」、と。

●新刊小説は滅亡について考えた方がいい http://magazine-k.jp/2015/12/04/downfall-of-novels/
「東日本大震災は僕に、自分の足元を支えているのは「文学」や「愛」や「民主主義」などではなく、「地面」であることを認識させた」。
「それと同じように、出版不況や図書館問題、そして自分の小説の売れ行きが思わしくないという事実は、僕に文学の本質が「表現」や「認識」や「自己主張」にあるのではなく、「読む・読まれる」という営為の強度にあることを突きつけたのである。有体にいえば、一回読んだら置き場所に困るような文学など、買わない方がいい、ということだ」。

●学術印刷本の危機:(1)いま米国では http://www.ebook2forum.com/members/2015/11/the-death-of-academic-print-books-and-the-rebuilding-of-digital-ecosystem-1/
大学図書館による購入への依存度が日本に比べ高かった米国専門書出版社は、大学図書館の財政危機がそのまま、出版社の存続の危機に直結してしまった。
一方大学図書館による購入と教科書販売に依存していた日本の専門書出版社は、授業の教材化(脱指定教科書)のトレンドに経営の屋台骨を揺さぶられている。

●教科書、啓蒙書はどこへ行った デジタル化時代の専門書出版(3) http://society-zero.com/chienotane/archives/3058
教科書を指定しない授業・科目の増大が日本の大学で顕著。

●紙媒体の人気健在!約8割が「書籍」「雑誌」「漫画」は今後も「紙で読みたい」 http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000016567.html
電子書籍使用経験者は5割強。使用端末は、「電子書籍リーダー」ではなく、「スマートフォン」がトップ。
書籍や雑誌のデジタル化が約8割は「進む」と思っているが、今後使う頻度が増えると思っている人は約4割。

Print is the new 'new media' - Columbia Journalism Review http://www.cjr.org/business_of_news/back_in_print.php
エンゲージメントに紙も電子もない。「月一回届く」、というのが会員証、つながりの証になるなら、紙でもよい、というお話。その時、Print is the new 'new media'、と。
ただコストに見合う収益をあげられるかについてだって、紙か電子かを問わないことは忘れないように。

●「週刊アスキー」紙版復活 「ディスプレイではなく紙で読みたい」と要望を受け http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1512/01/news108.html
エンゲージメントに紙も電子もない、のと同じように、コスト対効果というハードルについても、紙も電子もない。ユーザーの声に押され紙復活するも、「今後、定期的に紙版を刊行するかは「未定」としているが、「テーマによって紙版がふさわしい場合は紙版を刊行する」、と。

●オリジナル本を1冊からオンデマンド販売 決済機能が付いてさらに使いやすく!『どこでも出版』システム正式リリース http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000004592.html
運営会社のシーズネット株式会社の取締役で、「製本直送.com」の運営責任者を務める渡邉佳樹さんは「米国では当たり前となりつつある、個人出版の時代を国内にも実現するための第一歩となれば、と考えております」と、出版形態の変化と共に今後のシェア拡大に期待を寄せる。(製本直送.com / どこでも出版ボタン説明ページ http://www.seichoku.com/user_data/publish_button.php

●書店レジで買った電子書籍が自動で本棚へ 三省堂書店「電子書籍店頭決済」サービス自動ダウンロード化開始 http://www.sankeibiz.jp/business/news/151207/prl1512071002007-n1.htm
三省堂書店で現金や図書カードで電子書籍を購入できるサービス。今回のリニューアルにより、クラブ三省堂IDとBookLive!アカウントをひも付けた会員カードを店頭で提示することで、購入した電子書籍のデータが「BookLive!」のMY本棚へ自動的にダウンロードされるようになる。


●「るるぶ情報版」の表紙に「ジャポニカ学習帳」!?旅行ガイドのいいとこどり電子書籍「たびのたね」と45周年の「ジャポニカ学習帳」がコラボレーション! http://middle-edge.jp/articles/Zj6x5
「たびのたね」の「まとめ」機能を使うとこんなことができる!

●スマホ漫画家 小さな画面に大きな可能性!業界の構造までも変化 http://m.sponichi.co.jp/society/news/2015/12/07/kiji/K20151207011641870.html
「従来の漫画が右から左、上から下へと読むのに対し、コミコは画面を上から下の一方向にスクロールさせて読む。4コマ漫画のように、コマが自然と上から下に一直線に並ぶ仕組み」。
「動的な絵が描きやすい。1コマずつ読むから、読み飛ばしも先読みもなく、視線誘導しやすい」という。映像フィルムを映写機で再生するような回想シーンなど独自の手法を編み出し、読者を驚かせている」。

メディアドゥ、「進撃の巨人Attack on Titan」「FAIRY TAIL」など講談社作品の英語翻訳版を米国OverDrive電子図書館向けに提供開始 http://www.mediado.jp/corporate/1278/
海外へ、の動きの一環。

●文豪は人工知能……小説執筆、ITが変える!? http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1512/11/news062.html
「研究を進めれば遠い将来、1億人に1億通りの好みに合わせた小説がAIによって書かれ、毎朝自分のスマホに、物語の続きが届く日が来るかもしれない」。

●人工知能と著作権 ~機械創作の普及でクリエイターは失業するのか? http://internet.watch.impress.co.jp/docs/special/fukui/20151201_732993.html
「確かに創作という作業の本質が「感性とひらめき」なら、恐らくコンピュータは苦手な分野だ。しかし、スティーブ・ジョブズの意見は違う。彼に言わせれば「創作とは物事の結び付けだ」となる。つまりは99を集めて100にする作業。ならば、コンピュータはお手の物だろう」。

●Wikipedia、記事の評価に人工知能を導入 http://www.gizmodo.jp/2015/12/wikipedia_ai.html
Wikipediaへ参加しているボランティアに朗報。「これによってエディターは、新たな編集箇所の洪水の中から問題のありそうな部分を取り出し、そこにより強い注意をもってレビューすることができる」。

●研究の生産性向上、科学出版大手がITで後押し http://www.nikkei.com/article/DGXMZO94624830R01C15A2000000/
エルゼビアが論文の世界にアマゾン同様の協調フィルタリングのアルゴリズムを導入。
「かつては論文中のキーワードで関連記事を選んでいたが、新しいシステムでは利用者のアクセス状況をみて、多くの読者がその次にどの論文を読んでいるかをチェック、そのデータをもとにして推奨している」。
「その結果、推奨された論文を利用者がダウンロードする比率がデータベースサービス(サイエンスダイレクトと呼ぶ)全体からのダウンロード数の0.7%から3%に増え、年間1500万件を超えた。これはサービスの質が高まった結果だと言える」。

●ジャパンナレッジはなぜ大学・図書館市場で受け入れられたのか http://www.slideshare.net/JEPAslide/ss-55779133
電子辞書は世界の中で日本が一早く始めたものだった。これを「サービス」という観点でさらに拡充したのがジャパンナレッジ。
日本の読書市場にサービス視点(Books as a Service)が欠落していたことは、他の競合者が出てこないという意味では有利だったが、市場による理解という意味ではニーズがない(売れない)ことを意味し当初苦戦。むしろサービス視点(Books as a Service)理解から海外で認知、浸透が始まった、というエピソードは示唆的。
サブスクリプションモデルと買い切り型との違いはあるものの、利用頻度と普及(売れる)との間に相関があるということは、今後の電子書籍の大学図書館普及にも参考になるだろう。


●博士論文を書き上げるためのtips(についての個人的見解) https://note.mu/matsu_take/n/n907433568cd3
「研究者になれる人は、頭脳明晰で優秀である人(もちろんそういった人はたくさんいますが)であるよりも、こうした厳しいフィードバックにもかかわらず辞めようとしない鈍感で図太い人ではないかと考えます。博士論文を書き上げる最大のコツは、諦めないことです」。

●セミナー登壇者が知っておくべき情報がまとまったページがスゴい! 作成者のCSS Nite 鷹野さんに聞いた http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2015/12/09/21487
「編集部コメント:インタビュー中、鷹野さんが持参したメモがなんと、自身がIllustratorで作ったマンダラート(アイデアを整理したり、発想したりするときに使う3×3の9マス)でした」。

●DTP制作者から電子書籍制作へ https://drive.google.com/file/d/0B0WAPXlOSI4pTm11eHFkS1NpNXc/view
版面作りと電子書籍のデータづくりとの違いについて。

●Book Bang http://www.bookbang.jp/
朝日新聞、産経新聞、読売新聞、カドカワ、幻冬舎、講談社、小学館、新潮社、TOHAN,日販が参加しての新聞書評や出版社の書評が読めるサイト。

●LINEがニュース配信機能を外部メディアに開放 開始1週間の累計ユーザー数は530万 http://edgefirst.hateblo.jp/entry/2015/12/08/193208
新聞社各メディアが独自の視点で選んだニュースを、自社の公式アカウントを通じて、国内約5800万人のLINEユーザーに配信できるようになる。

●国立国会図書館、有償の電子書籍・電子雑誌を保管・閲覧提供する実証実験 http://news.mynavi.jp/news/2015/11/30/499/
「実証実験の主な目的は、電子書籍・電子雑誌の収集及び長期的な保管・利用の技術的検証、および国立国会図書館内での閲覧提供による電子書籍・電子雑誌ビジネスへの影響の検証・納入費用の調査分析の2点」。

●ナショナルアーカイブ構想での NDLと出版界の役割 http://www.slideshare.net/JEPAslide/jepa20151113-55021449
国立国会図書館において、初代電子情報部長として、電子図書館事業を推進してきた元NDL専門調査員の中山正樹(現JEPAフェローの講演プレゼン資料。