知のパラダイムシフト

●「1冊も本を読まない」…47・5% 文化庁調査で「読書離れくっきり」

A:<メディアとしての紙>から<デジタル化するメディア>へ

●「1冊も本を読まない」…47・5% 文化庁調査で「読書離れくっきり」 http://www.sankei.com/life/news/141011/lif1410110008-n1.html

「日本人に限ることではないだろうが、近年はインターネットなどの普及により、細切れの情報を短時間で取得する風潮が一般化している。一方、小説をはじめとする紙媒体の書物は、練り上げられた文章を時間をかけて読むことが求められ、結論を急ぐ現代人の感性には、合わなくなってきている。読書量の減少は、ある意味、時代の必然といえるかもしれない」。

●平成 25 年度「国語に関する世論調査」の結果の概要 http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/yoronchousa/h25/pdf/h25_chosa_kekka.pdf

全体としては、言葉とその使われ方の変化、またコミュニケーション、敬語の変遷などを扱った調査。中に、「読書について」がある。平成14年度から平成25年度にかけ、雑誌、漫画除きでの「本を読まない人」の趨勢は、増加基調。年齢別では、30代、40代が大きく増加している(本を読まなくなっている)。電子書籍(ここでは雑誌、マンガを含む)の認知度、利用度は17.3%。ここでは年齢が上がるにつれ、利用率が下がる曲線を描く(16~19歳:30.5%、20代:31.9%、60代:8.3%、70代以上:5.6%)。

●「子どもの読書活動と人材育成に関する調査研究」【成人調査ワーキンググループ】報告書 http://www.niye.go.jp/kenkyu_houkoku/contents/detail/i/80/




読書をする子は、外では遊びたがらない、とイメージしがちだが、調査結果は違った。読書活動と体験活動(自然体験、友達との遊び、家族行事、動植物とのかかわり、地域活動、家事手伝い)との相関関係は高い。そのうえ小学校に通う前から中学時代の読書量とその多様性が人生全体に大きなプラスを与えている(未来志向、社会性、自己肯定、意欲・関心、文化的作法・教養、市民性)。

●読書に関する調査 http://www.i-research.jp/report/?p=1322

月に1冊以上本を読む20歳以上の男女600人が母集団。つまり全員「本好き」、ただし本を買わない人も(借りて読む=21.0%)。買わない人は年齢別で、30代の27.5%、50代の24.2%が高く、その間の40代は15.8%。40代は購入冊数でも「1~2冊」が最も多く(60.8% 平均は49.5%)、読書は好きでも忙しく読書の時間が取れない、また節約に迫られている年代か。

●電子書籍の今:第68回 毎日新聞読書調査~電子書籍関連 (まず67回の整理から) http://societyzero.wordpress.com/2014/10/26/00-115/
ゆっくりだが、電子書籍が浸透(電子書籍を読んだことがある人は21%)。電子書籍に対する評価も前進(電子書籍を読んだ感想を尋ねると、「便利だと思った」が80%、「簡単だった」が69%に上り、利便性や操作性を評価。一方で「目が疲れた」は50%、「読みにくかった」は37%)。

●電子書籍に関するアンケート調査 https://www.justsystems.com/jp/download/contents/fastask/biz/report/fa_report-ebook-20141023.pdf

電子書籍親派だとこうなる、という調査。事前の調査で電子書籍を購入した経験のある20~60代の男女1310名が母集団「紙より電子」派と「電子より紙」派とがほぼ互角(点数ベース)。利用端末(複数回答):PC=47.4%/スマホ=50.9%/タブレット=46.4%/専用端末=38.0%。

●メディアドゥの第2四半期業績、電子書籍事業がけん引し増収増益 http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=yuho_pdf&sid=2126472

上期売上で電子書籍は約32億円(前年同期 約21億円)。電子書籍コンテンツ配信サーバー「md-dc」の月間ダウンロード総数(サンプルダウンロードも含む)が平成26年8月単月において、6,600万ダウンロードを突破。電子書籍市場が停滞していた平成24年8月の約1,400万ダウンロードから、わずか2年で4.7倍を達成(=市場のスマホシフトが背景)。さらにACCESSが開発し、医学書院が展開するiPad用電子書籍アプリ「iTexビューア」の共同企画や米Scribdとの戦略提携など業容の拡大を進めている。

●All Aboutが1ヶ月で6500冊の電子書籍を投入してきてるのってどうなのよ? http://www.denmei.org/201307/allabout.html

「記事を執筆して貰う時点で他媒体での掲載を見据えた契約にしている事と、それを共通フォーマットでまとめて出力できる事自体は評価すべき」としつつも、粗製乱造にクエスチョン。最近のKindle本は2冊に1冊がAll About Booksとなる計算。一方この現象は、「電子書籍における脅威は出版の枠組みの外からやってくる」の、事例のひとつとも言える。

●図書館蔵書検索「カーリル」が電子書籍に対応 「半数近くがオールアバウト」統計データ公開 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1410/27/news136.html

カーリルが図書館の電子書籍にも対応。電子書籍を提供している図書館は29館とされているが、うち22館のデータを取り込める。利便性が増した、のだが、その結果わかったこと。日本の公共図書館の電子書籍の版元別点数の約半分がAll About。「1ヶ月で6500冊の電子書籍を投入」の結果、発生した珍現象。

●電子書籍のある世界 http://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/14090401.pdf
電子版による自己出版。新たな執筆体験ができる土壌が生まれた。投稿型執筆環境が整ってきた(「小説家になろう」や「エブリスタ」のような投稿型サイトに投稿される作品は、かつてのケータイ小説サイトを、質、量ともに越え始めている)。Web文化からのコンテンツ発信(Web文化を色濃く持つ企業は、マイクロコンテンツからのテキストコンテンツ発信機能を持ち始めている。属人性の高いブログから、コンテンツを主体とした「Medium」へ。課金も可能な「note」)。ただし現状は「企画」が追いついていない。

●紙の本と電子書籍、素人が儲けられるのは? http://president.jp/articles/-/13667

電子版による自己出版。従来の出版社がやってくれた、電子版販売とは比べ物にならない成果が手に入った。「4巻の合計販売部数は5万部以上、印税収入は1000万円を超えた。もう少しマンガ家を続けていられるかもと、ちょっとほっとしたというのが正直な感想」。「プロは継続的に食べていくために「打率」を重視するから、ある程度ボリュームのある層を狙う。むしろアマチュアだからこそ、好きなものが当たる可能性に懸けられる。この分野なら誰にも負けないというノウハウや、他の誰にも書けないオリジナリティが詰まったコンテンツなら、誰かが目にとめてくれるかもしれない」。

●卒業生で作家・中村航氏の思考をシステム化~小説執筆の支援ソフトを共同開発 | 芝浦工業大学 http://www.shibaura-it.ac.jp/news/2014/40140312.html


認知心理学で用いられる「プロトコル解析法」という手法を用い、発話内容を書き出し、思考の規則性を整理。小説家の思考をシステム化。画面に出る質問項目に沿って答を入力していくことで、小説を全く書いたことのない人でも話のあらすじを作ることができるソフトを開発。

●半年で2億円! ある上場ベンチャーに見る驚きの電子コミック売上 http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1410/27/news118.html

『サラリーマン金太郎』全30巻を読み放題とする電子コミックアプリをリリース。スマホで隙間時間を埋める行動が広がっているのだから、そこにあうコンテンツを投入することが大事。

●ソフトバンクが無料漫画アプリに参入 Jコミとタッグ「ハートコミックス」 “ソシャゲ風”ビジネスモデルで http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1410/27/news090.html


Jコミが運営する絶版漫画の無料公開サービス「絶版マンガ図書館」と連携。同サイトで公開されている400作品・1000冊以上の絶版漫画を無料で読める。操作性とリコメンド機能で「絶版マンガ図書館」との違いを出していく。

●重たいファッション誌もスマホで楽々―講談社、紙の雑誌の購入者に無料で電子版を提供 http://ddnavi.com/news/212069/


「ファッション誌は上質な紙を使っており、版も大きいため重たくて、一番のスキマ時間ともいえる電車の中で、つり革につかまりながら片手で読むのは無理。スマホやタブレットで読めれば楽なのに」。そのニーズに応えた。あらかじめ会員登録をしておき、専用のデジタル本棚アプリをダウンロードしておくだけ。雑誌に印刷されているパスコードを専用サイトで入力すれば、自分のスマホの専用アプリに自動的にダウンロード。

●子どもに良書を!「絵本の定期購読」のススメ http://president.jp/articles/-/13725

絵本ナビ。クレヨンハウスの「絵本の本棚」。こそだてナビゲーションの毎月お届けの定期購読「ブッククラブ」。童話館グループの「童話館ぶっくくらぶ」。いずれのサービスもいつからでも申し込め、コース変更や中途退会も自由。退会しない限りは、次の年齢のコースへ自動更新される仕組み。

●電子書籍 各ストア 出版社別 冊数調査(2014/10/05) http://idlingsearch.blogspot.jp/2014/10/20141005.html
岩波書店は、Kindle、Koboには出さない方針堅持。

●合冊機能、ソーシャルDRMを付加した、新しい電子書籍販売システムを提供開始 http://www.value-press.com/pressrelease/133115
JTBの「たびのたね」にも使われた。購入した複数のタイトルを一冊の電子書籍にまとめる機能や、著作権管理にソーシャルDRM機能があり、これまでの販売システムと一線を画す。

●カーリルが図書館・電子書籍サービスとの連携を開始しました http://blog.calil.jp/2014/10/ebook.html

全国の図書館の蔵書を横断検索できる「カーリル」を電子書籍に対応。また、独自に整備した図書館所蔵の電子書籍に関する統計をオープンデータで公開。

●バチカン図書館が貴重な4000冊もの古代写本をデジタル化して無料公開中 http://gigazine.net/news/20141024-vatican-library-manuscript/


NTTデータのデジタルアーカイブサービス「AMLAD」などの技術提供で実現した。

●「本が売れなければ図書館の未来もない」―公共図書館電子化モデルの議論 http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1308/05/news065.html
たとえば「電子版ならクラス全員が同時に利用できる」というポイントは、技術的可能性とビジネスモデルからの制約、両方を橋渡しをする何かを考えないと、具体化しない。地域の図書館と出版社が議論しながら実験をすすめ、成果として北海道デジタル出版推進協会ができた、とある。これなどは、「橋渡し」の機能を持たせられないのだろうか。

●ニュースキュレーションアプリは「カメリオ」がいい感じ http://visionmission.hatenablog.com/entry/kamelio


興味があるテーマの、ただし「知らない情報」が結構出てくる。「カメリオ」は、基本的に「テーマ」を選んでいくと、そこに関連がありそうなニュースが表示される。

●キュレーションアプリ「カメリオ」が10万ダウンロード突破!カメリオを愛する各界の著名人が「私流 カメリオのたのしみ方」を公開 http://dmm-news.com/article/895641/

池澤あやか(Rubyが書けるギークな女優)、牛窪万里子(元NHKキャスター・フリーアナウンサー・メリディアンプロモーション代表)、海老名久美(テクニカルライター・技術翻訳者『「次もよろしく!」と言われるための仕事術 』著者)、OZPA(ブロガー・「OZPAの表4(おつぱのひょうよん)」)、佐々木俊尚(作家・ジャーナリスト・TABI LABO共同編集長)、白石昌則(『生協の白石さん』著者)、他。

●SmartNewsはただのニュースアプリなのか? 1億米ドル以上の評価額が付く理由 http://thebridge.jp/2014/10/smartnews-100-million-valuation

「SmartNewsはAppleとGoogleから2013年のトップニュースアプリに選ばれた。その称賛が本物であることは、同社の最近の評価額が示している」。その理由は、「デジタルメディアで難しいことの1つに、思わぬ発見を提供するということがあります。『こんなことに自分が興味があるとは思わなかったけど面白い』というユーザ体験」を実現している点、らしい。

●第60回学校読書調査:武田徹・恵泉女学園大教授に聞く 電子情報、見極めてhttp://mainichi.jp/shimen/news/20141027ddm010040098000c.html
「新聞でニュースを読む習慣を持つ比率が小学生は高く、高校生になるほど低くなっている点。これは携帯を持つ小学生は少なく、携帯を持つようになるとネットでニュースを見るようになるからでしょう」。