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ハッシュタグ(#)としての「人新世」

◎地質年代区分のひとつ、「第四紀」に込められていた問題意識や論点設定の動機から産まれた新語が「人新世」。地質学会が区分厳密化の過程で「第四紀」の呼称をフェードアウトさせる中、問題意識や論点設定の要素を取り出し、むしろ地質学会の外、環境学や人文社会系で沸騰ワードになりつつある。近時、経済思想史、哲学といった学問領域から再考の声があがり、環境問題と格差問題を通底する概念として「資本新世」の語も◎

この記事では後半を扱います。

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【目次】
そもそも「人新世」って 何?
ハッシュタグ(#)としての「人新世」
「人新世」とは そのデータ群・事実認識


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●ポストモダン思想の限界が、大学を危機に陥れている

マルクス社会学は、自由経済と資本主義が諸悪の根元だと考えた。そこで私的所有と自由競争を禁止しさえすれば、よい社会になると夢想した。

しかしそれが大きな勘違いだったことは歴史が証明。つまり、経済的な「平等」を力づくで実現させようとすると、逆にむしろ強大な権力システムが必要となり、必然的に自由の抑圧される社会しか産まない。

一方、新自由主義の社会構想の軸は、「権力自体が「悪」」。だから、それを廃棄してしまえ(官から民へ)ば問題は解決するとした。そしてそこから、どんな権力や制度も絶対的な根拠はもっていない(規制緩和が金科玉条)という相対主義から、社会をいよいよ混迷、不安の淵へと追いやってしまった。 Continue reading

 

●ITは途上国の人口増加に「コペルニクス的転換」を引き起こす

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┃Economy あるいは資本主義のメタモルフォーゼ
成長と生産性、ビジネスモデル、経営、、国家、民主主義など

●ITは途上国の人口増加に「コペルニクス的転換」を引き起こす http://www.sbbit.jp/article/cont1/29947
中国の「一人っ子」政策に象徴されるように、20世紀の発想では人口「抑制」こそが、重要な政策課題であった。つまり、人口「増」はマイナスのイメージ。ところが、このイメージが21世紀に入ってから180度変わろうとしている。
IT技術の変革力。「携帯電話などのモバイル技術が普及したことによって、情報装備した数十億の人々が所得水準を高める機会を手にし、豊富な人口の増加が市場規模の拡大や労働力の供給源としてプラスに評価されるようになった」。

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ピケティ勉強会(4) 実は、ピケティはこうも言っている。

4.実は、ピケティはこうも言っている。

4-1:マルクスは読んでいない

昨年、2014年5月に米国で英語版が出版され、それを日本で読んだ研究者、編集者が「21世紀の資本論」とタイトルを訳して論評を載せ、マルクスの『資本論』と対比させるような議論がさかんに展開された。日本語訳が出た、2015年の今でも、その状況は変わっていない。

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