●「本」のことは嫌いでも、「読書」のことは嫌いにならないでください

(JR東京駅前・丸善丸の内本店のブックフェアに「好書好日」も参加(11月5日まで開催)|好書好日 https://book.asahi.com/article/11860636

日本財団が2.5万人を対象に行った調査では、家庭の経済事情と学力に一定の相関はあるものの、「貧困世帯のうち、学力が高い子どもと、学力が低い子どもを比較すると、学力の高い子どもは、生活習慣や学習習慣、思いを伝える力などが高水準にある」ことがわかっている(https://www.nippon-foundation.or.jp/news/articles/2017/img/92/1.pdf)。

家庭での親の考え方、生活姿勢、普段の行動状況がこどもの生活習慣や学習習慣の経路を伝って学習達成度合いに影響を及ぼす、ということだ。学校教育には限界がある。むしろ家庭であり、「読書習慣」形成には親の責任が大きい。

わたしたちはいま、(20世紀といういろいろな意味で異例な時期を過ぎ、)大きく社会がその在り様を変える「移行期」を生きている。だからこそ「生きていく力」がキーワードとして昨今各所で議論されてもいる。

「生きていく力」の根源に広い意味での「学習能力」があり、その涵養に「読書」が欠かせないのは誰しも否定しないところ。

第72回読書世論調査(毎日新聞社)でも、「本を読むことは大切だ思うか」の質問に「大切」派は95%に上った。

が、しかし他方、本を読まない、買わない人は以前より増加基調の中にある。

「読書週間(10月27日から11月9日までの2週間)」は親が子供の将来を考え、自身の(読書を含む)生活習慣を見直す「週間」であるべきだろう。


 

●「英語教育より国語教育の強化を」 野依氏、藤原氏ら提言 | 教育新聞 電子版 https://www.kyobun.co.jp/news/20180918_03/
「戦後からの極端な漢字制限により、若者の語彙力や読解力の低下は著しいものがある。『幼少期からの自国語による知的基盤の形成の機会をもたない日本人は、いかに英語を巧みに操っても、世界と戦えない』」。
ノーベル化学賞受賞者の野依良治氏、ベストセラー『国家の品格』の著者でお茶の水女子大学名誉教授の藤原正彦氏らが名を連ねる「国語教育問題懇談会」からの提言。

 

●学力の高い子ども、親の習慣や家庭環境に「共通の傾向」…文科省調査で判明 | ビジネスジャーナル https://biz-journal.jp/2018/10/post_25094.html
日本の文科省の調査。
学歴や収入の低い層でも、高い層でも、それぞれの層のなかでは、蔵書数が多い家庭の子どもほど学力が高い
・親自身が知的好奇心をもって暮らしているかどうかが重要(子どもたちは、小さい頃から親に連れられて図書館をはじめとする文化施設に出かけることで知的好奇心が刺激され、そうした経験の積み重ねがその後の学習意欲につながっていることが推察される。)

 

●子どもの時に、自宅に紙の本が何冊あったかが一生を左右する:大規模調査 ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/10/ok-11.php
世界でも実証された、家庭環境と学習意欲・達成度との相関。
「31カ国、16万人を対象に行われた調査で、16歳の時に家に本が何冊あったかが、大人になってからの読み書き能力、数学の基礎知識、ITスキルの高さに比例することが明らかになった」。
・本に囲まれて育った中卒と本がなかった大卒が同じ学力
・大切なのは「子どもたちが、親や他の人たちが本に囲まれている様子を目にすること」だ
・日本は世界の中で平均以下

○16歳の時にどれだけ書籍が自宅にあったか
国 平均冊数
エストニア 218
ノルウェー 212
チェコ 204
デンマーク 192
ロシア 154
ドイツ 151
オーストラリア 148
英国 143
カナダ 125
フランス 117
世界 115
米国 114
アイルランド 107
日本 102

●家庭の経済格差と子どもの認知・非認知能力格差の関係分析 2.5万人のビッグデータから見えてきたもの https://www.nippon-foundation.or.jp/news/articles/2017/img/92/1.pdf
世帯の貧困が、子どもの学習達成や非認知能力にどのような影響を与えているのかを紐解くとともに、貧困下にあっても学力の高い子どもには、どのような特徴があるのか等を分析した。
・貧困を背景とする学力格差は小学校初期から存在するが、大きく差が開くのは小学4年生頃。
・年齢が上がるにつれ、貧困世帯は低学力へ、非困窮世帯は高学力へ集中していく。
・低学力の子どもが、低学力層から脱出できる可能性は学年とともに低下し、逆転が困難になる。
貧困世帯のうち、学力が高い子どもと、学力が低い子どもを比較すると、学力の高い子どもは、生活習慣や学習習慣、思いを伝える力などが高水準にある。
・(海外の研究の紹介)8-9歳時点の非認知能力が最も家庭環境の影響を受け易く、この時期の親の投資(※)が将来の所得に最も大きな影響を与える(※:家庭内の蔵書、新聞、習い事、楽器所持の有無、美術館や映画館に行く回数等

 

●【小学生の読書に関する実態調査・研究】読書は学力が低い子どもたちに大きなプラス効果「自分で調べる」「話題が増える」幅広いメリットが明らかに|株式会社ベネッセホールディングスのプレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000688.000000120.html
教科別に偏差値の変化を見たところ、国語・算数・理科・社会のいずれの教科も「読書量」と「偏差値の変化」に有意差があった。「読書多い」グループがもっとも偏差値を高めている。教科の中でも特に算数は、「読書なし」と「読書多い」で4.8ポイントの差がつき、学力に大きな影響が見られた。

 

●20代女性の67.3%が「読書をしない」と回答 低ストレス者は月1回以上「図書館」を利用する傾向 10月27日~11月9日の「読書週間」を“ストレスオフ週間”に|株式会社メディプラスのプレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000111.000018482.html
ストレスと読書の関係について。
「低ストレス者の傾向だった“読書を30分以上する”人は、SNS・メール利用「30分以下」が、“読書しない”を約12ポイント上回る結果に。ですが、「ほとんどない」は読書をしない人よりもやや少なく、SNS・メール時間がまったくないほうがいいわけではなく、適度な利用が好ましいと思われます」

 

●「読書習慣はない」日本人は6割 ある発想の転換で、誰しも本好きになる? - リアルライブ https://www.npn.co.jp/article/detail/02329293/
アンケートの回答にも多い「読みたいと思う本がない」「他の趣味の方が面白い」といった、本に対するマイナスイメージはどこから来ているのだろうか。
理由のひとつが、「基本的にベストセラーはトンデモ本」。
なぜなら「5年後に書店に残っている本はほとんどない」から(出口治明氏)。

 

●西友を売却しD2C企業と手を組む、ウォルマートの意図 :MarkeZine(マーケジン) https://markezine.jp/article/detail/29276
ここで使っている「量」と「質」を、「小品種大量販売」と「多品種少量販売」の仮に置き換えると、出版こそが、デジタルトランスフォーメーションを急ぐべき理由がわかる図となる。

 

 

┃Others あるいは雑事・雑学
●iPhoneの読書体験が一変、Apple Booksの新機能 | 日経 xTECH(クロステック) https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00088/00025/

●JR東京駅前・丸善丸の内本店のブックフェアに「好書好日」も参加(11月5日まで開催)|好書好日 https://book.asahi.com/article/11860636

●無料マンガ国内最大規模!|読書のお時間です by Ameba https://dokusho-ojikan.jp/

●ニューヨーク・タイムズ、電子書籍大手と読み放題サービス開始 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン) https://forbesjapan.com/articles/detail/23475

●学校向けに千冊の電子書籍 来春から定額制サービス | 教育新聞 電子版 https://www.kyobun.co.jp/news/20181019_02/

●空中分解…海賊版サイト対策検討会はなぜ迷走したか : 深読みチャンネル : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) https://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20181017-OYT8T50059.html

●電子書店「日経ストア」が来夏でサービス終了 ~ 購入済みコンテンツは一部を除き「honto」へ移行可能 – HON.jp News Blog https://hon.jp/news/1.0/0/13863

●書評専門紙「週刊読書人ウェブ」 https://dokushojin.com/