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ケヴィン・ケリーが語る「本と読書と出版」 その6

■アフター・インターネット 「本」はどうなるのだろう

ウェブの引き起こした革命は、ハイパーテキストや人間の知識についてはほんの些細なものだった。革命の中心にあったのは、あたらしい種類の参加の形であり、それはシェアを根本原理とした新しい文化へと発展していった。(『<インターネットの次>に来るもの』 第1章 Becoming)

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フェアユース Google Book訴訟と |EdTechPedia

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Google Book訴訟とフェアユース

2015年10月16日、ニューヨーク連邦高裁(連邦第二巡回区控訴裁判所)は、Googleの書籍全文検索サービス「グーグル・ブックス」がフェアユース(権利制限の一般規定)にあたるとのGoogleの主張を認める判断を下した。

Googleは直ちに表明書を公開、「このプロジェクトはデジタル時代の新しい図書カードのようなもの」と述べた。これに対し、米国図書館協会(American Library Association: ALA),米国大学・研究図書館協会(Association of College & Research Libraries: ACRL),北米研究図書館協会(Association of Research Libraries: ARL),電子フロンティア財団(Electronic Frontier Foundation: EFF)などは、それぞれ控訴裁判所の決定を歓迎する声明を発表している。 Continue reading

 

「知識カード」と5百年前のページネーション

1.「ページ番号」を付した書物の誕生

1452年から55年にかけてドイツのマインツでグーテンベルクが『42行聖書』を印刷した。しかし『42行聖書』に、ページ番号はなかった。
ほぼその五十年後、イタリアのベネティアでページ番号を付与した本がはじめて世に出される。この後書物は、ページネーションを「知の生態系」の基本単位にして成長を続けていくことになる。

ページネーションの工夫で書物には連続性が保障され、飛ばし読みや、気になる箇所の再読が容易になり、知の流通・生成に際し特定「箇所」を指し示すツールとなり、知識の普及と深化に寄与した。

この過程で書物は、「完結性(=クローズ性)」と「階層性(=構造化)」を極める500年を走り抜けた。

 

2.『42行聖書』は意味に番号を振っていた

それでは「聖書」はどうやって特定箇所を指し示し、説教、宣教、布教をなそうとしていのたか。識字率の低い環境では口承が基本で、そこでは章番号と節番号が使用された。聖書の特定の「意味」を、章番号と節番号で指し示すことで、「知」の流通と生成を実現した。

だがページに番号を振るやり方が隆盛を極め、学問の興隆に寄与する一方で、意味に番号を振るやり方は一旦歴史の後景へ姿を隠した。

3.フォクソノミー

21世紀、意味に番号を振るやり方が復活する。章番号と節番号でなく、タグを使うというアイデアではあったが。それはフォクソノミーという手法で、意味を「知の生態系」の基本単位にする道を開いた。

フォクソノミーは別名、Social Tagging、Collaborative Tagginと呼ばれる手法で、folk(民衆)とtaxonomy(分類法)からの造語。特定のキーワードが一つの情報に付与されることで、しかも複数の人による複数のキーワード(タグ)が許容されることで、一つの情報が検索を行う要素そのものになると同時に、その一つの情報に対する多様な意味づけ、複数のコンテキストからの参照を可能にする。

(関連図書:『ページと力』 鈴木一誌、『インターネットはいかに知の秩序を変えるか? 』 デビッド・ワインバーガー)

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「詩想誌」と「知識カード」 

「知識カード」と5百年前のページネーション

「知識カード」と5万年前の人類の知恵