選挙イヤーのポピュリズム

■2024年は選挙イヤー

本年2024年は、人口45億人を抱える約80カ国で選挙と投票が行われます。台湾、インドネシア、ポルトガル、ロシア、韓国、インド、欧州議会、英国など。

なかで最も注目が集まっているのが「現存する世界最古の民主主義」米国の大統領選挙です。

・2024年の主要国・地域と欧州の主な政治日程

(2024年は欧州も選挙イヤー-右派ポピュリスト勢力伸長の行方-)

この選挙イヤーは、それぞれの国内外の経済社会の機構が変質しつつある中で行われるため大変な緊張感を世界に与えています。変化の背景にあり、人々の不満の種になっているのがグローバル化です。グローバル化により貧困はこれまでになく減少したのですが、皮肉なことに豊かな国々ではむしろ不満が高まっています。

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21歳の日本人の読書状況(文科省発表)

 

文部科学省が2023年10月13日に公表した、21回目となる令和4年(2022年)の「21世紀出生児縦断調査」には、読書に関する報告が含まれています。これは2001年(平成13年)生まれのこどもの2022年における、つまり21歳の日本人の読書状況を伝える報告となっています。

「第10回調査と比較すると、本、雑誌・マンガとも0冊と回答した者の割合が大幅に増加し、4冊以上と回答した者の割合が減少している。」
第21回 21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)の結果について公表します

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Chatgptに書かせた「Chatgptと教育の未来」

◎Chatgptと読む能力や思考する能力◎

■文章を読む能力や思考する能力、それらと文章の難易度

厚生労働省が発表した2020年の平均寿命で、川崎市麻生区が全国の市区町村で、男女とも最も長寿でした。経済格差が健康格差になっている(元横浜市職員の加藤彰彦沖縄大名誉教授(社会福祉))という分析がある一方、実際に住んでいる住民からは、「麻生区は丘陵地帯を開発して発展した街。どこにいっても坂道ばかり。駅にいくだけで足腰が鍛えられる(地域教育会議の地域教育コーディネーター)」といった意見もあるのだそう。

さてここで、坂道が多いというのは一般的には住宅地にとってデメリットにもなります。たとえば、買い物に行くのに歩きは無理、とか、自転車がそもそも使えないなどです。また不動産専門業者からは、広告をみるとき、「駅から徒歩○○分」はあくまで距離から割り出された数値で、坂道なら実際は朝の通勤時もっと時間がかかるので事前に要チェックとの声がかかります。出張にスーツケースを抱えて移動などというシーンも要注意。 Continue reading

 

ChatGPTがエルサレムのアイヒマンを大量生産しないために

◎子を持つ親、教員、出版人のためのChatGPT入門◎

まず次の「アミラーゼ問題」を考えてみてください。

●アミラーゼ問題

次の文を読みなさい。

アミラーゼという酵素はグルコースがつながってできたデンプンを分解するが、同じグルコースからできていても、形が違うセルロースは分解できない。

この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。

セルロースは(     )と形が違う。

(1)デンプン (2)アミラーゼ (3)グルコース (4)酵素

正解はこの記事の途中(2.問題文が読めないと問題は解けない)で紹介します。

 


目次:
1.ChatGPTは習わぬ経を読む門前の小僧
2.問題文が読めないと問題は解けない
3.書き言葉は学習によってしか習得できない
4.エルサレムのアイヒマンとChatGPTのリスク


 

さて、この記事のポイントは、次の内容となります。


ChatGPT(チャットジーピーティー)は「それらしいことを言うけれど実は何も考えていない人」です。もちろんこの表現はたとえであって、ChatGPTに人格はありません。つまり意思も知性も持ち合わせません。あくまで生成系AIのひとつで、文章生成ツールです。学習・教育のシーンで文章生成ツール・ChatGPTをどう活用するか。その検討の際、成長過程での脳の段階的発達との関係に十分配慮をすべきです。読み書きを通して脳は新しい神経回路を形成し、さまざまな認知機能を発達させます。なかでも書き言葉に励起される「思考」機能は、個人の人生と現代経済社会に不可欠な要素です。


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●ネット・ケータイが起こした風景の変化と本、あるいは読書

 

■出版市場の4割をコミックが占める日本

取次会社である、日本出版販売株式会社やトーハン株式会社は自社データをもとに、日本の出版市場に関する資料を月刊誌や年鑑として出しています。これに対して、中立的な立場から、より総合的な情報を提供する研究機関として、出版科学研究所があります。

今回、出版科学研究所が出している『出版指標年報』を使い分析したところ、2022年の「紙+電子」のベースで、出版ジャンルとしての「コミック」が日本出版市場の実に4割を超えてきていることがわかりました。 Continue reading

 

コミックが書籍を超えた日

・紙と電子を合算した出版市場が4年ぶりのマイナス成長

電子出版、1桁成長に鈍化 22年7.5%増 紙含めた市場、4年ぶり縮小

 

■2022年、出版市場は再び軟化

出版市場は電子版を加えたベースで2018年を底に、前年比増加基調に転じたとされてきました。ところが、2022年再び前年比減少となりました。理由は電子版の軟化です。 Continue reading

 

●「学校パソコン、もう返したい」先生とデジタルで変わる生徒


「まず、大切なのは、教師が適切なデジタル・リテラシーを身につけることである。デジタル・リテラシーとは

・自分の目的合ったデジタル・コンテンツを見つけだし、使えること
・目的に応じて、自分でデジタル・コンテンツを作ることができること(たとえば、ブログを作ったり動画を作成するなど)
・デジタル機器やアプリを使って、コミュニケーションや情報交換ができること

だとわれている。

教師が常に新しいアプリケーション・ソフトに精通している必要はない。ただ、授業の目的に応じて、相応しいコンテンツを自信を持って使えるだけの、最低限の知識とスキルは不可欠である。(バトラー後藤裕子 『デジタルで変わる子どもたち』)」


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●新しい物価体系への移行期と閉塞感を生きる日本の若者

 

■「新しい物価体系」への移行期

物価と金融政策を専門とする、渡辺努(東京大学大学院経済学研究科教授)氏は、現在の世界が「新しい物価体系」への移行期にある、と言っています(『世界インフレの謎』)。

足下のインフレ傾向を驚きをもってみている方も多いと思いますが、このインフレは氏に言わせると、3つの行動変容が引き起こした移行期に生じる事象で、「新しい物価体系」が確立されるまで、社会の異変は続くだろう。従来の経済学で解けない謎はのこされたままだ。そう主張します。 Continue reading

 

『世界インフレの謎』が説く3つの行動変容

著者の渡辺努(東京大学大学院経済学研究科教授・前経済学部長)氏は、物価と金融政策を専門としている。しかし近時の行動経済学の手法を取り入れている点で、最近注目を浴びている。日本銀行、一橋大学教授を経て、現職。ゼミの学生にも起業を勧め、政府に対しては「起業支援より、失敗しても巻き返せる仕組みが必要」と迫る、いま旬な経済学者。 Continue reading

 

でんでんコンバーター10周年と句集の電子書籍化

でんでんコンバーター10周年、おめでとうございます。私にとって、でんでんコンバーターはこれで父に親孝行できた、頼もしくもありがたかったツールです。あらためて感謝申し上げます。

・でんでんコンバーターのマスコット・電書ちゃん


電書ちゃん - でんでんコンバーター

父親は鹿児島で私が生まれる前、1951年(昭和26年)、「天街」という俳句結社を創設したメンバーのひとりで、2013年当時は鹿児島県現代俳句協会顧問でした。まあ、九州で俳句をやっている人の中では名の通った人で、句集も二冊出版しています。 Continue reading