「流行前の生活に戻れば再び、流行の規模が大きくなる」
(「8割おじさん」こと、西浦教授 6月3日)
「指数関数的な増加」あるいは「オーバーシュート」へ向かうのか
2020年7月2日、正午過ぎ各テレビ局は東京の感染者数が百人を超えたことを速報で知らせた。5月25日の緊急事態宣言解除後では初の三桁で、最多の感染者数だったからだ。
感染者数が100人を超えるのは、宣言期間中の154人だった5月2日以来のできごとになるばかりか、いわゆる「指数関数的な増加」あるいは「オーバーシュート」を暗示しているようで、衝撃が走った。
・緊急事態宣言解除後 初の100人越え
(東京都 新たに107人の感染確認 5月2日以来 新型コロナ | NHKニュース https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200702/k10012492591000.html )
感染者数は「2週間前」の状況を表わすと専門家は言っている。百人越えした本日7月2日の二週間ほど前というと、「県をまたぐ移動解禁」が6月19日だった。
・「県をまたぐ移動解禁」が6月19日
課題は接待を伴う飲食店や居酒屋
しかしさらにそこから2週間ほど前の6月3日、厚生労働省のクラスター対策班でコロナ対策に取り組んでいる北海道大学の西浦博教授が、すでに「緊急事態宣言前の生活に戻れば、7月中に東京都内で再び大きな流行が起こる」可能性を予測、指摘していた。
・西浦教授ら試算、解除前の生活に戻れば「7月中に都内で1日100人以上も」 – 医療者が本音で問う「激論」プラットフォーム | MEDIAN TALKS https://median.press/drnishiura-announced-the-alert
発表と共に、8割おじさんこと、西浦教授は小池都知事に対し、
・感染リスクが高い場所での接触を3割から5割減らせれば、感染者数を低く抑えられる
・リスクが高い場所とは、医療機関も含まれるが、ここは「接触を減らす」わけにはいかない
・接待を伴う飲食店や居酒屋などで接触を減らす工夫が必要
とのコメントをしている。
課題は接待を伴う飲食店や居酒屋での感染対策をいかにして実効性あるものにするか、のようだ。
【追記】
西浦博教授は、5月14日の時点でこう言っている。
「(緊急事態宣言が)解除された後も感染者が必ず潜んでいるだろうと考えるのが適当なのがこの感染症の特徴。しばらくの間はリスクが特別に高いと考えられる場所での接触をできる限る避けるということが大事」
ではどうしたらよいのか、新型コロナに対して、どう対応するのかが正しい道なのか。
すでにこのブログでも書いているがポイントを再録してみよう。
検査→隔離→治療
いったんの収束で外出自粛や自主休業が解除されることはあっても、それで終わり(終息)ではない、ということを念頭におかなければならない。
その間の感染症対応は「検査→隔離→治療」が基本。
検査をして感染が判明したら、隔離し感染の拡大を防ぎつつ、感染者に対して即座に治療を始める。臨床検査をどれだけ徹底するかが、目の前の患者と患者が属する集団との、両方を救うやり方。感染者判明が急増することで医療体制が崩壊するという懸念に対しては、東京都や大阪府がやり始めたように、軽症者を医療従事者がサポートするホテル等へ隔離し、病院のベッドを明ける方策が有効だ。
(日本の第一波はピークを過ぎている 専門家会議の資料からは https://society-zero.com/chienotane/archives/8609 )
自己防衛と集団防衛
あるいは、世界の人々が新型コロナについて感染を防ぐ方法に関心を持っています。今のところ、
・手指衛生(自己防衛)と
・social distancing(集団防衛)のふたつが重要。
(風邪が三番目の対応法になるかも 新型コロナに対して https://society-zero.com/chienotane/archives/8728 )