基本的人権だけは断じて茶化してはならない。

インターネットを利用して映像を配信する「動画配信サービス」サイトのひとつ、Netflix。オリジナル作品でも世界のユーザーを楽しませているが韓国のtvNに製作発注されたオリジナル作品『秘密の森』で、手塚治虫の言葉が引用されている(第8話)。

基本的人権だけは断じて茶化してはならない。

秘密の森 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト https://www.netflix.com/jp/title/80187302

『秘密の森』は子どもの頃に脳の「島質」を切除する手術をしたため、情感より論理が勝ちすぎる性格形成のまま「冷徹な検事」となった主人公ファン・シモクと、人情味あふれる熱血女性刑事ハン・ヨジン、このふたりが、ある殺人事件の真相に迫っていくTVドラマ。

その準主役の女性刑事が後輩刑事にこう話す場面がある。

「アトムの父親がこう言っているの」

「ロボットに父親がいるんですか」

「作者の手塚治虫のことよ。この言葉が大事なの。」

「漫画で何を描いてもいいけど、基本的人権だけは茶化してはいけない」

「漫画でもそうなのに、私たちも見習わなきゃだめ。警察官としての誇りを貫くのよ。」

殺人事件の真相に迫っていったその先に、検事組織そのものの腐敗を突き止め、社会の底辺と財閥等の間に横たわる不条理を、むしろ醸成していた権力機構の闇を明らかにする、社会派エンターテインメントが『秘密の森』の魅力。シリーズの前半に出てくるこの「アトム」のシーンは最終話への伏線だ。

最終話、主人公はテレビのトーク番組で検事組織、裁判組織の現状を憂え、検事の一人として国民に謝罪するしたとしたうえで、まだ希望はある、憲法がある限りと語る。

「法執行官にとって一番強力な武器は憲法だとおっしゃった方がいます。憲法がある限り(私たちは)闘うことができます。」

腐敗は韓国だけではない。憲法が支える基本的人権のひとつ、社会権に照らして、現代社会の不条理、格差問題を議論することが日本でも必要なのかもしれない。

●2025年、「アンダークラス」1000万人超の絶望 | ちえのたね|詩想舎 http://society-zero.com/chienotane/7916
「格差は「自己責任」の名目の下で放置され、日本は今や「階級社会」と呼ばれる状態になっている。」
「アンダークラスの中心となっている非正規雇用の労働者は、正規雇用の労働者と比べると、不安定な状態に置かれており貧しい。貧困のために結婚して家族を形成することさえできない状況は、倫理的にも非常に問題です。」

 


 

 

韓国の賃金格差 4.3倍でOECDで2番目 l KBS WORLD Radio http://world.kbs.co.kr/service/news_view.htm?lang=j&Seq_Code=69101

・手塚治虫さんが41年前に言った「漫画を描く上で守ってほしいこと」が現代の皮肉になっていると話題に・・・「基本的人権だけは、断じて茶化してはならない」 : はちま起稿 http://blog.esuteru.com/archives/9098157.html

・『秘密の森』完観 - まったり まぎぃ https://blog.goo.ne.jp/1959magii/e/a9c24cd80b8450d73cad8925da2318ac