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●「有料」エリアと「無料」エリアをどう結び付けるか コンテンツ・ビジネスの肝

クローズの「有料」エリアと、オープンの「無料」エリアをどう橋渡しするか。デジタル化時代のコンテンツ・ビジネスの知恵の出しどころ。ただ大方のコンテンツ関連企業の対応は鈍い。その中で少数ながら新聞、雑誌、書籍、それぞれの特性を生かした様々な取り組みが続いているのは心強い。紙版と電子版が共存しながら、コンテンツ(作品)のユーザーによる発見とそこから産まれるエコシステムの維持に、寄与する道が発見されなければならない。

注目すべきは、W3Cでクローズとオープンの橋渡しのアイデアが熱心に検討されていることだろう。

両者の接点にあるのが、HTML/CSSの技術群だ。

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ケヴィン・ケリーが語る「本と読書と出版」 その6

■アフター・インターネット 「本」はどうなるのだろう

ウェブの引き起こした革命は、ハイパーテキストや人間の知識についてはほんの些細なものだった。革命の中心にあったのは、あたらしい種類の参加の形であり、それはシェアを根本原理とした新しい文化へと発展していった。(『<インターネットの次>に来るもの』 第1章 Becoming)

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ケヴィン・ケリーが語る「本と読書と出版」 その5

■そして「スクリーンの民」の時代へ

スクリーンで読むことは最初に本を変え、本による図書館を変容させ、次には映画を映像を変え、ゲームや教育に破壊的変化をもたらし、最終的にはすべてのものに影響することになる。(第四章 Screening)

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ケヴィン・ケリーが語る「本と読書と出版」 その4

■アフター・グーテンベルク 「本の民」の時代

安価で完全なコピーを作れることから、印刷された文書は変化の動力源にも安定性の基盤にもなった。(『<インターネットの次>に来るもの』 第4章 Screening)

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ケヴィン・ケリーが語る「本と読書と出版」 その3

■本は固定化されていたからこそ流動化のための工夫を発達させた、先駆的存在

マッシュアップの手法は実際のところ、文章のリテラシーからきている。
(中略)
ジョージ・ルーカスの作品『スターウォーズ』は、それまでの映画撮影術というより、本や絵画に近い手法を取り込んでいる。(『<インターネットの次>に来るもの』 第8章 Remixing )

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ケヴィン・ケリーが語る「本と読書と出版」 その2

■クローズとオープンのバランス

インターネットは世界最大のコピーマシンだ。

デジタル経済はこうした自由に流れるコピーの川の上を動いている。(『<インターネットの次>に来るもの』 第3章 Flowing )

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ケヴィン・ケリーが語る「本と読書と出版」 その1

■取次の危機

JEPA(日本電子出版協会)のビジネス委員会が6月20日「茶話会」を開催する。この先10年の出版を語りあう「茶話会」のテーマは「読み放題モデルってどうなのよ」、であった。これを受けて4回に分け、議論の準備も兼ね手元メモを書き留めたが、その中で何回か、ケヴィン・ケリーの『<インターネットの次>に来るもの(翻訳:服部 桂)』を参照した。

そこで次に、『<インターネットの次>に来るもの(翻訳:服部 桂)』の中でケヴィン・ケリーが「本・読書・出版」について語っている部分をハイライトしてみることにした。


もっと重要なことは、われわれが新しいものを古いものの枠組みで捉えようとしがちだということだ。

(その結果(筆者挿入)(中略))その先が明らかに不可能なものに見えたり、あり得ない、あるいはあまりにもばからしいと思えたりすると、それを無視してしまう。(『<インターネットの次>に来るもの』 第1章 Becoming)

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●amazon effect(アマゾンエフェクト) 書籍から商品全般、さらに経済全体へ

日本のクリスマス商戦でもいまや有名な名前、トイザラス。しかしこのトイザラスでその米国本社は倒産している。ネット通販の影響を受けてのものだ。
そのネット通販に革命的な影響を与えたのがamazonだというのは、いまや周知の事実。本から始まったその革命は現在すべての商品に及ぼうとしている。始まりにはロジスティックへの改革と、ビジネスモデルの刷新があった。だがいま、その革命的衝撃はAI活用により一層の進化と深化を魅せている。
・eコマース高度化(=「顧客直結」競争)の軌跡
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●貧困と情報リテラシー

┃Post Modern あるいは再編成されるLife(生命/生活/人生)
働くって? 育児、教育、ケア、地域、時間、eco、社会保障など

最近私は「シミルボン」というサイトで、本に関するエッセーを書いています。カテゴリーは「ビジネス・経済」です。ただ、「シミルボン」全体がコミックや小説に関する記事の多いのが気になっています。コミックや小説に関する書き手は十分いるので、それ以外の本についてあれこれ書いてみたい方、是非ご参加ください。人気のある連載や記事は、2つの電子ストア(Reader Store/ブックパス)で電子書籍化されることもあるそうですよ。

シミルボン https://shimirubon.jp/

というのも、たとえば今回のクリップでのテーマ、貧困と情報リテラシーといったことを考えると、もっともっと多様な本が日本社会に流通してほしいと痛感するからなんです。

最近、「子供の口腔崩壊」という耳慣れない言葉が注目を集めているのをご存知ですか。

口腔崩壊とは、「未処置の虫歯が10本以上など多数、歯根しかない歯が多数あるもの」をいいますが、その子の体の生育や健康への悪影響だけではなく、声をあげて笑えないなどのメンタルな部分、社交性の発達などにまで尾を引く問題。

一般にはその子供の家庭の経済的な状況が原因とされています。しかし子どもの虫歯対策はその子どもの親の情報リテラシーによって左右される、そううい側面も見逃せません。読書や知識の取得にかかわるリテラシー、さらには行政の制度への無知なども含めた広い意味での情報リテラシー欠如が背景にあるようなのです。 Continue reading

 

本とは~100 words・iCard

「商品とは商品環境も含めて商品である」。

ならば本とは、本棚と読書シーンを含めて、本。

親の本棚、クラスの本棚、図書館の本棚、書店の本棚。
親の、友達の、電車での読書シーン。
図書館で、本屋で、本を探す人。