●ロジックと共感はトレードオフ

●脳科学者中野信子が語る 論理と感情の関係 http://logmi.jp/215243
「ロジックと共感はトレードオフ」。論理と感情、社会コミュニティとの関連性について。
「集団の判断が正義であるとする、つまり全体主義は、歴史を振り返ってみたり、他国のことであったり、物語を読んだりしているときであれば、「恐ろしいものだ」と直ちにわかります。私たちは、そのとき外部にいるからです。
でも、自分が内部にいて、当事者になるとできないんです。客観的に見られなくなるようにできているんです、ヒトは。」

ロン・ジョーンズという若い高校教師がやったサード・ウェイブ、という実験がある。
学生自身に、仮の細かいルール作りをやらせたところ、瞬く間にそれが学級から学校全体へ広がり、従わないものを排斥するムードが産まれた。
所属していること、規則に従うことそのものが、快感になっていくから」。「集団のためになにかすることをよしとする。よしとするというのは、そのときにドーパミンが出るという意味」。

●映画『THE WAVE(ウェイヴ)』 全体主義傾倒へのマインドコントロールは5日でできる。 http://hentenna-project.com/2015/02/15/the_wave/
「組織内の支配・従属関係」におけるマインドコントロールは、支配側にも起こりえるんです。つまり教師にも影響があるんですね。

映画中、この教師は次第にリーダーとして崇拝されることに恍惚となっていき、妻にそれを窘められるシーンがあります。教師は戸惑いますが、その魅力に抗えないのか 『ウェイヴ』を解散させることを遅らせてしまい、結果がエンディングの悲劇となってしまいます。」

●結局ハイデガーは『存在と時間』で何が言いたかったのか(轟 孝夫) http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53017
「各自はそれぞれが「自分だけの」現実に直面しているのであって、現実問題として、その「現実」に対応することができるのは、私以外にはいない」、そこで、ハイデガーは「人間」のことを「人間」とは呼ばずに「現存在」と呼んだ。

そして人をそうとらえるのは、「逃げるな」と言いたかったから。組織や社会の支配・従属関係、流布している考え方に逃げ込むな。「各自はそれぞれが「自分だけの」現実に直面している」、そのとき、判断、意思決定を他人に委ねるな、と。
さらに「生きることがそれ自身、さまざまな他なるものの「存在」に対してよりよく応答すること、つまりそれを「あらしめる」ための終わりなき努力なのだ」、とも。

●科学とは何がちがうの?|はじめての哲学的思考 http://www.webchikuma.jp/articles/-/96
「人は恋をしている時、脳の腹側被蓋野が活性化しているとか、フェニルエチルアミンやドーパミンが分泌されている」といった具合に科学は「事実」を教え、他方哲学は意味を教える。そして「恋をした時の僕たちは、フェニルエチルアミンがどうと言うより、その味わい深い恋の「意味の世界」をこそ生きる。

だがここで注意しないといけないことがある。哲学が探究する「意味の世界」は、科学が探究する「事実の世界」に原理的に先立っているのだ、という点。
「たとえば、天体法則という“事実”が存在するのは、僕たちがこの法則に“意味”を見出しているからだ。(また)太古の昔から、人類は農耕を行うためにそのメカニズムを知る必要があった。」
もしも僕たちが、こうした“意味”のアンテナをもっていなかったなら、天体法則や人体メカニズムといった“事実”は、僕たちにとって存在することさえなかっただろう。」

●グローカル公共哲学の意義、役割、射程 http://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/103391/13yamawaki.pdf
「各自はそれぞれが「自分だけの」現実に直面しているのであって、現実問題として、その「現実」に対応することができるのは、私以外にはいない」。しかしいまやその「現実」には、グローバリゼーションの波が来ている。グローカル公共哲学が必要とされる所以である。

グローカル公共哲学とは、「各自が活動する現場や地域に根ざしながら、全地球的な視野で public issues を論考する学問・思想」。あるいは「各自が生きて活動する特定の公共世界や居場所から普遍的な公共的問題を取り扱う実践哲学を意味する」。

●均質な社会のコミュニケーション – iCardbook|知の旅人に http://society-zero.com/icard/906625
「グローバル化の波とインターネットの普及は、フラットで均質な世界をもたらした。」
「しかし、人間の脳は五感を超えてそのような広大な領域に対処できるようにはできていない。相変わらず身体のつながりをもとに信頼関係を構築しようと欲している。」