新古典派経済学の枠組みがもたらした歪み|知活人(chiikibito)

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■[私のお気に入り知識カード]=070 新古典派経済学の枠組みがもたらした歪み

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新古典派経済学の枠組みがもたらした歪み

◎明治神宮からSDGsの理論武装へ◎

人工的に作られた「自然林」

東京都には山手線が巡っていますが、その新宿駅と渋谷駅の間に明治神宮があります。

この社殿を取り囲む広大な森が、世界でも珍しい「人工の自然林」なのをご存じでしょうか。

1912年、明治天皇崩御の際、当時の東京市長や渋沢栄一などの経済人らが「明治神宮の創建」を建策。1920年に神宮鎮座祭が催されましたが、神社林は1915年から育林が始まっていました。このときの造園の基本方針は「永遠の森」。つまり、「何百年もの間、些かの人工も加えず、原生林のような森厳性を保」つ神社林が目指されたのです。

最近よく使われるキーワードで表現するなら「持続可能」な森ということになるでしょうか。

持続可能な森という目標の具体化のために動員された理論や方法論の緻密さは、植栽直後(I)、50年後(II)、100年後(III)、150年後(IV)を見通した図画、すなわち「林苑の創設から最後の林相に至るまで変移(遷移)の順序の予想図」によく表現されており、かつその理論の正しさはこれまで2度の「境内総合調査」によって確認されています。

・林相変移(遷移)予想図

方法論の第一は多種の樹種構成(高・中・低木層の多層構造)、第二は落ち葉だけを肥料とすること、第三は樹林地内への立ち入り禁止でした。

かくしてカシ、シイ、クスノキなど各種の広葉樹木他の混合林を再現することで、手入れしなくても天然更新する「永遠の森」が完成し、今も「150年後(IV)」へ向け、自然林に近い状態を更新し続けているのです。

 

「持続可能」な経済社会

私たちを取り囲む「自然」には本来自律性があります。しかし道路や橋、あるいは上下水道など人工物では手当てがあってはじめて更新がなされます。さらにわれわれの活動は自然に対し負荷を与えていて、その自律性を毀損しています。

「持続可能」な経済社会を実現するには一方で手当てを視野にいれた、他方で毀損を小さくするインセンティブを組み込んだ、経済学が必要だということになりそうです。

これを踏まえ足下までの経済学がなぜ、現在の経済社会の持続可能性に道を拓いてくれないのか、その原因を列挙したのが「70 新古典派経済学の枠組みがもたらした歪み」になります。

そして近年とみに注目されている概念、SDGsへ向けた政策立案に必要な「視座と理念の転換(上巻))と「政策展開の経済理論(下巻)」とを整理したのが、倉阪iCardbookになります。

・経済学はなぜ経済を救えないのか(千葉大学教授  倉阪秀史)
https://wp.me/p5Gp5K-2oE

 


(上)現状変革の哲学原理

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(下)未来構築の実践理論

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