新古典派経済学の枠組みがもたらした歪み

環境は物理学的法則や生物学・生態学的な振る舞いによって自律的に挙動している。つまり、人間の意思決定から独立して存在している。

「人間の意思決定から独立して挙動する環境」の存在を前提にした経済学が必要だ。

この点で、新古典派経済学の枠組みにはいくつかの難点、歪みがあると言わざるを得ない。

一 環境負荷関連情報基盤の欠如
二 廃棄後の処理費用の手当ての欠如
三 将来世代まで効果が持続する投資の軽視
四 自然の恵みを確保する仕組みの欠如
五 世代間の衡平を確保する仕組みの欠如

■参考文献
『環境と経済を再考する』 第一章・第一節 経済的意思決定と環境問題  倉阪 秀史 二〇〇六年


★この記事はiCardbook、『なぜ経済学は経済を救えないのか(上)視座と理念の転換』を構成している「知識カード」の一枚です。

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