本のネットワーク化

21世紀、様々な「モノ(物)」がインターネットに接続され、さらにモノ同士がデータ・情報をやりとりすることで、これまでにないサービスを実現する、モノのインターネット、IoT(Internet of Things)時代の鳥羽口に私たちはいます。

モノが呼び交い、データ・情報を流通させる時代に、どうして本だけが閉じた系として存在し続けられるでしょうか。本と本とが呼び交い、交歓する世界(books as a service)の構築が急がれています。

ただし モノのネットワーク化と本のネットワーク化とでは根本的な違いがあります。 モノ同士のデータ・情報のやりとりは、実際は記号の流通でしかありません。記号の流通で モノのネットワーク化は具体化できますが、 本のネットワーク化では「読む」という行為が必要です。

「読む」ことではじめて、記号は情報となり、そこへ行動・経験が加わり知識となり、集団にとっての知恵へと昇華していきます。そしてその「読む」の前提には、意識的のみならず無意識下での、このことはどこに書いてあるだろうというニーズに対するソリューションの準備が必要です。

すでに英語圏(英語などの欧文書)ではこれを実現するための活動が始まっています(たとえば、GoogleBooks 、あるいはPortable Web Publications )。


IoTは「Internet of Things(モノのインターネット)」の略。車に搭載したセンサとAIが連携して実現する自動運転や、スマホからドアを開閉するなど、いまではたくさんの場面で実用化が進んでいるが、車、ドアなどがクラウド上のAIと交信して、新しい機能が実現することをモノのインターネットと呼ぶ。


 

 


■関連URL
・日本人の情報行動の変化と<本>の未来 http://society-zero.com/chienotane/archives/7396
・iCardbook(アイカードブック)の船出  http://society-zero.com/chienotane/archives/5033
・Google Book訴訟とフェアユース
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