経済活動のあらゆる部分が市場化されることを警戒する人々は、市場を通じた自由な売買が行われる結果、富める者と富めない者の間の経済格差が出てくるのではないかと危惧している。
実際、労働市場の流動化によって正社員と派遣社員の賃金格差は拡大し、前節のタクシーの例では、需要をはるかに超えるタクシーが参入したことで1台あたりの儲けが大きく減ったとされている。
参考文献:
『不平等論―格差は悪なのか』 ハリー・G・フランクファート 山形浩生訳(筑摩書房、2016年)
★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(上) 資本主義の危機とイスラーム経済の登場』を構成している「知識カード」の一枚です。
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