エージェント・アーキテクチャとは
エージェント・アーキテクチャとは、世界(周囲の環境)と知能の結びつきを定式化する技術のことです。まず、知能と世界(周囲の環境)をそれぞれ独立したものとして捉えます。そのうえで知能と世界のあいだに「情報を取得するためのセンサー」と「世界に影響を与えるエフェクター」を置きます。人間を含む生物の場合、身体がセンサーでありエフェクターですが、この身体、あるいは身体による経験をどう人工知能の設計に具体化するかが大きな課題です。
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Denaのゲーム開発の祭典、「DeNA TechCon 2019」でも話題になり、アプリ開発者、プログラマーに限らずゲームの仕事に携わる人にとって、必須の基礎知識になりつつある概念が エージェント・アーキテクチャです。
キャラクターAIと エージェント・アーキテクチャ
ゲームキャラクターの人工知能を作るエンジニアリング(プログラミング)の枠組みは「エージェント・アーキテクチャ」を基礎とします。「エージェント・アーキテクチャ」とはもともとロボティクスのアーキテクチャですが、「モジュラー・デザイン」(要素を組み合わせるデザイン)になっており、各モジュールの中身をカスタマイズすることで、さまざまな人工知能を作り出すことができます。
( ゲームAIとマルチエージェント(上) https://www.slideshare.net/youichiromiyake/ai-79541209 )
ちょうど水車が水で回転するように、エージェント・アーキテクチャは情報の流れによって、様々なモジュールを励起します。この、世界と知能の間を貫いて流れる情報の流れを「インフォメーション・フロー」と呼びます。これは生物と環境との間の関係によく似ています。
「機能環」と エージェント・アーキテクチャ
「機能環」は「環世界」の言葉です。生物という主体と、世界(環境)における対象(客体)を結ぶ関係のことです。主体は客体におけるある特徴(色、形、動き)、つまり感覚指標に引き寄せられ、特定の部位、つまり作用指標に対して行動(噛む、つかむ)を促されます。
たとえば 蝶であれば蜜を吸う花の「匂い」、蚊であれば血を吸う対象である動物の「湿気」などが感覚指標、これに誘われ「蜜を吸う」「血を吸う」行動が起こされます。こういった主体と客体の間に確立される関係を機能環と言い、生物が持つ主観世界のことを環世界と言います。
主体と客体の円環構造の環世界は生物学の言葉ですが、これは人工知能での「エージェント・アーキテクチャ」に相当します。
ゲーム開発、とりわけキャラクータAIをはじめとする人工知能開発に欠かせなくなりつつある「エージェント・アーキテクチャ」概念に関する参考文献(書籍)を紹介しましょう。
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■参考文献(書籍)リスト
(参考文献のもっと詳しい内容は、書籍タイトルをクリック。関連知識カードもクリックするとコンテキスト(文脈)がわかりとても便利。)
エージェントアプローチ人工知能 第2版
◎関連知識カード
・エージェント・アーキテクチャ
・センサーとエフェクター
・知能の基本モジュール
デジタルゲームの教科書
◎関連知識カード
・インフォメーション・フロー
・センサーとエフェクター
・知能の基本モジュール
人工知能のための哲学塾
◎関連知識カード
・ゲームキャラクターの人工知能
図解入門最新人工知能がよ〜くわかる本
◎関連知識カード
・エージェント・アーキテクチャ
◎これは『人工知能と人工知性(三宅陽一郎)』の「第四章 人工知能の基本構造」の参考文献(書籍)をリスト化したものです。
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