全国大学生活協同組合連合会が毎年実施している学生生活実態調査の2017年版(第53回)を公表した。学生が本を買わなくなるトレンドは不変。
下記に、2015年までの大学生の生活費(≒収入)に対する書籍購入比率を抜き出しているが、この減少トレンドは変わらず、2017年1.3%%(下宿生)、2.1%(自宅生)。1975年の7.6%、12.4%(下宿生、自宅生)、1980年の6.5%、10.2%(同左)からは大きく乖離している。
(大学生は本を買わない (コミック、教科書以外)本を読まない | ちえのたね|詩想舎 http://society-zero.com/chienotane/archives/3775 )
(第53回学生生活実態調査の概要報告|全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連) http://www.univcoop.or.jp/press/life/report.html )
1.1日の読書時間が「0」分の割合は、五年間で18.6ポイント増となり、遂に50%越え。
・2017年の平均値53.1%
~文系48.6%・理系54.5%・医歯薬系62.6%
・「属性別にみても、「0分」層は女性、理系および医歯薬系、下級学年(1-2年生)に多く分布しており、学生生活の比重が「勉強第一」以外の学生であることが確認された」。
2.読書離れの中、2004年から2017年までの「読書家(※))は一定割合で推移、決して減衰傾向ではないことも面白いトレンド。
※1日120分以上読書(上記折れ線グラフの下の青の線)
3.ただこの統計全体を通じ、アンケートに答えた学生が何をもって「読書」と考えているかは、よくよく留意する必要がある。
・2017年の調査項目にはないが、2014年(第50回)には、そこでいう「読書」とは何を指すかも問うていた。
学生の定義する「読書」には、コミックを含めるものもいて、「教科書+その他の書籍」では40分強(一日当たり読書時間)、授業を離れた読書を「読書」に定義している学生の「読書時間」は、一日平均20分強だったと報告している。
(大学生は本を買わない (コミック、教科書以外)本を読まない | ちえのたね|詩想舎 http://society-zero.com/chienotane/archives/3775 )
4.もうひとつ。必ずしもスマホが読書離れの原因ではない、との分析結果も公表している。
・「スマホ利用が読書を減少させたという説は支持されない。むしろ、最近の大学生の高校までの読書習慣が全体的に下がっていることの影響が大きい」。
■参考URL
●日米大学生の、学習・読書の量と質の差 | ちえのたね|詩想舎 http://society-zero.com/chienotane/archives/3823
●大学生は本を買わない (コミック、教科書以外)本を読まない | ちえのたね|詩想舎 http://society-zero.com/chienotane/archives/3775