●コンピュータ・サイエンスと21世紀型スキル

D:学習・教育のデジタル化と変容する知の体系

●奇跡の学びを手にした少女 タブレットで言葉も計算も http://digital.asahi.com/articles/ASJ3P41B0J3PUTIL008.html
一度は「重度障害」のクラスに、と言われたが子どもがiPadを渡され、アプリのおかげで廊下で会った先生にも「サヨウナラ」と音声であいさつするように。授業は毎時間「コクゴノ ジカンヲ ハジメマス」などと入力してスタート。カタカナも漢字も、次々と覚えた。

文章を読み上げるアプリもあり、教科書の文を「朗読」し、句読点なども覚えた。いまでは紙のプリントと太い鉛筆も併用し、漢字の練習や読解問題も解く」。すると周囲の目が変わってきた。いろんな学年の子どもが遊びに来るように。

電子書籍、電子教科書という、書籍コンテンツのデジタル化、そして構造化。そのことが可能にする「知へのアクセス」。「知へのアクセス」が引き出す、その人の能力の開花そしてコミュニケーション、社会との接点。
加えて電子書籍の構造化データがロボットや人工知能とも関係してくることを示す、Education(教育)とTechnology(技術)を合わせた「EdTech(エドテック)」の話。視点をあげるとこの話はさらに、現代社会が直面している「包摂」という課題とも関連してくる、そういう話だ。

●Voice4u TTS のベータ版を無料で試してみませんか? | Voice4u http://voice4uaac.com/ja/2016/03/voice4u-tts-testflight/
文章を読み上げるTTS。「文字をiPad/iPhoneに入力して読み上げる、もしくは文字を撮影して読み上げる機能を搭載したVoice4u TTS 。現在ベータ版を無料でお使い頂けます」。

●Apple、「iPad」向けに「クラスルーム」アプリを配信開始 http://taisy0.com/2016/03/22/66857.html
教師向けのアシスタントアプリで、生徒全員のアプリケーションを同時に開いて、生徒たちがデバイス上で見ているものをコントロールしたり、生徒がワークシートや数式に取り組んでいる様子を知りたい時は、教室にあるどの画面でもワンタップで見る事が可能」。

●21世紀型スキルの観点からみた、プログラミングを学ぶ理由 - 次世代の子どもたちに必須の21世紀型スキルを修得する『探究型プログラミング学習』 http://dig-learning.hatenablog.com/entry/2016/03/15/203531
「いまのプログラミング教育のあり方は、一方で全ての子にプログラミングを体験させて量産型の技術者を育成しようとし、他方でその中からスーパープログラマーを育成することも狙う、といったどっちつかず」になっている。
本来の姿は、つまり次世代の全ての子どもたちが身につけるべきは、「ITを活用し、他者と協力しながら社会の問題を解決するスキル」。

●子どもたちにプログラミングを教えよう!イベントレポート - Scratch伝道師に聞く、子供たちにプログラミング学習を伝えるときに心がけていること http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/499982/031700023/
「自分の中に持っているやりたいこと、言い換えればアイデアを形にする。そのための手段としてプログラミングを伝えることを重視」。そのためには、「干渉しないことが大事」。
もちろん、多くの子供は、やりたいことが形にはなっていない。けれども、「Scratchでプログラミングを伝える場合の入門的なプログラム、例えばネコが歩く、端に着いたら跳ね返る、ある色に触れたらニャーと鳴くといった例を見せると、それをきっかけにして、前に遊んだゲームのようなことができるのではないか、あるいはアニメで見たあの話を作れるのではないか、というように考えが発展して」いく。
だから、「プログラミング学習は、一斉授業にはなじまない」。

「Why!?プログラミング」では厚切りジェイソンさんが出演。

●高校に必須科目『理科基礎』新設を 日本学術会議が提言 http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-23-t224-1.pdf
物理、化学、生物、地学に縦割り化されている高校理科の基礎内容を全て含む「理科基礎(仮称)」を必須科目として新設し、大学入試センター試験あるいは後継に想定されている統一試験の必受験科目にもすべきだ、という提言。
理科基礎(仮称)」は「将来の進路にかかわらず現代社会を生きるための科学リテラシーを涵養することを目的とし、高校初年次に必修とする」とする一方、こうした分野横断的な総合科目を一挙に完成することの難しさを認め、段階的な導入にも言及。

●「ロボット(EV3)×クラウド(Azure)」探査ロボットでIoTを楽しく学ぼう http://ict-enews.net/2016/03/23iot/
高等学校、専門学校、大学等の教員を対象とした「IoT指導者向けワークショップ」。

●スキマ時間にアプリで学習!チャット形式でプログラミング習得できる「codebelle」 http://techable.jp/archives/37393
一度のレッスンはわずか2~3分!
「「codebelle」は、チャット形式で用意された会話を読みながら、課題を少しずつクリアしていく方式。ラインをやるような感覚で、どんどん進められるから面白い」。
「レッスンは単に読むだけではなく、入力や選択、並び替えを入れることで、実践しながら進めるようになっている。難解な言葉は避け、一般的な表現や身近なものを例にとるなど、理解を深める工夫が随所になされている」。

●STEM〔科学・テクノロジー・工学・数学〕教育の将来は12歳女子の教育にかかっている http://jp.techcrunch.com/2016/01/06/20160105why-stems-future-rests-in-the-hands-of-12-year-old-girls/
OECD(Organisation for Economic Co-operation and Development)のジェンダーが生徒の学業成績およびライフスタイルに与える影響を詳細に調査した結果、数学能力について、女子は男子に比較して、数学に関連する課題の解決に不安を強く抱く傾向が見られた
これは他の調査でも明らかになっており、9歳から12歳までの教育がその後の女性の一生に非常に大きな影響を与えている。
高校に行く手前で対策が講じられなければならない。なぜなら、「STEM〔科学・テクノロジー・工学・数学〕職は他の分野に比べて急成長しており、失業率もはるかに低い」のだから。

●ウーマン・イン・サイエンス-米国の悩み - http://webronza.asahi.com/science/articles/2015031300001.html
日本と米国で大きく違うと感じるのは、「science, technology, engineering and mathematics」(科学、技術、工学、数学)の頭文字をとった「STEM」の仕事の位置づけ。

★Women for Science:Inclusion and Participation in Academies of Science http://www.assaf.org.za/ASSAf%20news/ASSAF_IAP%20Report%20Final.pdf
女性科学者・エンジニアについてのレポート。包摂と参画へ向けたレポート。現状、サイエンスの世界に参加している女性科学者の構成比は12%。

●「いつもマイノリティだった」IBMの人工知能「Watson」エンジニア 村上明子さん http://bizzine.jp/article/detail/1454
女性科学者・エンジニアの述懐:「考えてみればですね、私いつも集団の中でマイノリティだったなと。女子校の中でコンピュータ好きって言って変だな、って言われて、早稲田でもよく考えたら、女の子って4%しかいなかった」。
「それで私が研究所ですごく心がけたのは、マイノリティだったらマイノリティなりの意見というのを、みんなに伝えることっていうのが私の使命なんじゃないかな、って思ったんですね」。

●IBMが誇る若き天才技術者が出産、赤ちゃん同伴で初出勤して大騒動 http://www.businessnewsline.com/news/201603031310380000.html
これまで出産した女性の間では「働く母親(Working Mother)」として仕事と育児を両立する動きが続いてきたが、IBMのリサ・デルカさんのアプローチはそれとは反対で「母親をしながら働く(Mother Working)」というもので、画期的。

●アメリカのスキル危機を解決する鍵は必修一般教育へのコンピュータサイエンスの導入だ http://jp.techcrunch.com/2016/03/05/20160304computer-science-is-the-key-to-americas-skills-crisis/
「今日では、10の学校のうちわずか1つにプログラミングのクラスがあるが、これを変えなければならない」。
・第一に、アメリカのすべての中等学校が、コンピュータサイエンスを必須学科とすべき。
・第二に、コンピュータサイエンスの教育は、若い女性たちや、社会的不利益を被りがちなマイノリティも含め、すべての児童生徒に等しく提供されなければならない。
・コンピュータサイエンスで、子どもたちを問題解決者イノベーターに育てよう。

●大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準 情報学分野|日本学術会議 http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/division-16.html
ここでいう「情報学」は、文系も含めてもの。また「分野別の質保証」とは、基本的には大学の学士専門課程の教育に対するもの。情報分野で言えば、情報科学科や情報工学科、社会情報学科のようなところ。
そして、「参照基準」は、学習指導要領のように「この通りやらなければならない」というものではなく、各大学が自分達の特質や資源、リソースを考慮して独自のカリキュラムを作る際の参考に使ってほしい、というもの。その上で、各大学は初等中等教育との接続や、専門的職業人・市民社会への接続をいかに実現していくかを考えていくことになる。

●東大合格のための知能はもういらない!?人工知能の普及は教育をどう変えるのか http://www.todaishimbun.org/kubota-ai0315/
人工知能を使う側に立つしかない。人工知能はあくまで指示をこなす役目。人間は”○○をやりたい”と指示する役目を譲ってはなりません。そのためには創造力、いや、妄想力と言ってもいいかもしれませんが、新しいことを考える力がどうしても人間として必要になります」。
つまり、IQ(Intelligence Quotient、知能指数)からCQ(Creative Quotient、クリエイティブ指数)へ
今の若者へのメッセージはありますか?→「現状に適応するのはジリ貧だ」。

●なるほどこれはわかりやすい。世紀の天才、アルベルト・アインシュタインの一生を図解したインフォグラフィック http://karapaia.livedoor.biz/archives/52212678.html
「若い頃は、ほかの生徒たちと比べてもそれほど優れたところはなく、むしろ教師に見放されていたことのほうが多かった。このノーベル賞受賞者は、最初の大学受験を失敗し、やっと卒業したときも、クラスでただひとりまだ仕事が決まっていなかった」。
このインフォグラフィックは、そんな天才アインシュタインの生涯を一緒に歩むような形で表わした優れもの。