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日本病への診断書

※これは村上龍事務所が発行するメルマガ、「JMM [Japan Mail Media](サイト:  http://ryumurakami.com/jmm/  )」での人気連載、『from 911/USAレポート』の第706回配信記事全文です。

執筆者の冷泉彰彦氏、またJMM様のご了解をいただき、全文転載させていただいています。


人類の文明の実験場であり、また多様な社会が衝突と共存の歴史を作ってきた欧州では、それぞれの時代において「衰退に瀕した国家」が存在していました。そのような国家のことを、同時代のジャーナリズムや後世の史家は「欧州の病人」と呼んで批判をするのが通例となっています。古くは19世紀末から20世紀初頭のオスマントルコや、オーストリア帝国がそうであり、特に有名なのは1970年代の英国です。

日本では、この英国については、「欧州の病人である英国」という表現を少し変えて、日本独特の形容として「英国病」という言い方がされていました。人類に先駆けて第一次産業革命を実現し、日の沈むことはないという大英帝国を創り上げた栄華は過去のものとなり、人材育成のミスマッチなどから競争力を喪失する一方で、組合主導の高コスト社会が動きが取れなくなっていたのでした。 Continue reading

 

●中流以下が8割超。「消費者」は過去10年で激変した

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┃金融リテラシー あるいは資本主義のメタモルフォーゼ
ビジネスモデル、経営、成長と生産性、金融、会計、税制、経済法など

●中流以下が8割超。「消費者」は過去10年で激変した https://newspicks.com/news/846876/body/
何かがおかしい日本。他の先進国はどこでも1人当たりのGDPが増えており、給料も増えているのに対して、日本の場合はもう20年間GDPも給料も増えていない。特に「女の一生(ライフコース)」が変わった。多様化し、標準といえる生き方が無くなった。いや男だってそう。とりあえず大学をでておけば、という発想では生涯設計は難かしい。そのせいだろうか、1世帯当たりの家計消費支出は、1990年代半ばをピークに減少トレンドへ。1世帯当たりの可処分所得も同様で、こういう国はOECDでも日本の他にない。

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