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●本と電子書籍は別の物 ユーザーはちゃんと使い分けている

電子書籍が始まったころ、カニバリ議論が盛んだった。サイマル出版、紙と電子版を同時に、あるいは数週間程度の遅れで刊行していくことはもはや珍しくなくなった。電子版刊行で紙版の売り上げが減るというカニバリ議論は(いまでもそれを恐れている版元が皆無ではないだろうが)、遠い昔の笑い話だ。

カニバリ議論は紙版と電子版が同じものと勘違いした版元の勉強不足から。読者はちゃんと使い分けていた。読者にとって、本と電子書籍は別の物。

「紙の書籍」を選ぶシーン
順位  選ぶシーン             (
1位   家で本を読む            59.5
2位   保管・保存しておきたい本を買う   48.3
3位   何度も読み返しそうな本を買う    37.1
4位   大好きな作家、漫画家など本を読む  35.4
5位   勉強用の本を買う          32.1

「電子書籍」を選ぶシーン
順位  選ぶシーン             (
1位   電車やバスなどで本を読む      41.7
2位   家で本を読む            40.7
3位   旅行や出張などで本を読む      27.5
4位   面白いかどうかわからない本を買う  24.8
5位   暗いところで本を読む        18.8

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●20世紀マインドから21世紀マインドへ

170616 PS/A
┃Networks あるいは知のパラダイムシフト
ICT、意思決定、コミュニケーション、学び、意味と構造化など

A:<メディアとしての紙>から<デジタル化するメディア>へ

トーハンの業績分析を読むと今の出版業界の苦境がわかる。特に雑誌の下落がはなはだしい。「業量が減少する中で人件費等のコストは上昇し、出版輸送の維持は喫緊の課題」だ。

ただこの苦境から脱出する方向性は案外、本の外の世界にヒントがあるかもしれない。

日本と中国を行き来する中国人には日本社会が20世紀をまだ疾走していると感じている。20世紀マインドから21世紀マインドへのシフトがなされていないのが苦境の原因かもしれない。 Continue reading