●読むのも書くのも、140文字だけでは済まされない領域がある

教育議論、メディア論、ネット功罪論などで忘れられがちなポイント。生活シーンや社会活動の中で思考を巡らそうというとき、数千字、数万字の文章でないとたどり着けない結論がある、ということ。

そのための訓練の場が高等教育、大学の場であるはず。訓練には膨大な「知識」と、その知識の構造体としての「文脈」「思想」が必要だ。


●「読むのも書くのも140文字だけで済まさないほうがいい」荻上チキ氏が語る SNS時代のメディア・リテラシー http://blogos.com/article/321148/
「読むのも書くのも140文字だけで済まさないほうがいいとは思います。」
このテーマを扱うには○○文字じゃ足りないというのがなんとなくわかってくる。そうやって、必要な議論と、議論に必要なコストっていうものを感覚で計算できるようになることが高等教育の一つの役割だと思うんです。」

大学を出た段階で、何となくこの議論に必要な投資とコストがどれくらいのものなのか、あるいは、どういったものを検索すればいいのかという大ざっぱなリサーチ方法までを知るのが、まず学部生で身につけるべきことです。」

●「知識偏重」「暗記」教育に対する大いなる誤解 東洋経済オンライン https://toyokeizai.net/articles/-/235064
知識は知識から生まれる。認知科学では、一言でいえば、学ぶとは知識を得ることである
しかし、それはバラバラに存在する断片ではない。認知科学では、そのような断片の知識は「死んだ知識」と呼ぶ。それは、覚えていても、それをいつ、どのように使ったら良いのかわからないので、それを使って何もできない状態にある知識である。
「死んだ知識」の対極が「生きた知識」である。」

生きた知識を創造する過程こそが「アクティブラーニング」の本質である。「アクティブラーニング」を標榜するなら、知識を事実の断片の集まりととらえ、「知識偏重」と言って知識を非難する前に、まず知識とは何かを考え、知識の本当の姿を理解してほしい。」

●「バカだから仕方ない」で片付けない 教育格差のない社会を目指して #30UNDER30 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン) https://forbesjapan.com/articles/detail/22705/1/1/1

「──どんな本を読まれましたか。
哲学や経済学、教育学についての本を中心に、広く社会の構造を理解するうえで役立ちそうなものを読みました。さまざまな視点での世界の切り取り方を学んで、貧困問題を「バカだから仕方ない」と言われたときに、ちゃんと反論できるようになるために。教育から子どもたちの貧困にアプローチしていこうと思い始めたのも、ちょうどこのころからでした。

その中で「理論の勉強ばかりでなく、現場での実践も必要だな」と感じるようになって、大学3年の終わりに、初めてTeach For Japanの活動に参加しました。そこからはもう、教育支援の現場につきっきりです。」

●3万時間のコンサルティング現場で見えた 「成長が遅い人」の決定的特徴|ニフティニュース https://news.nifty.com/article/economy/sinkan/12147-8772/

「成長が遅い人」の頭の中は「検索で調べられること」ばかりで、同時にいつまでも責任から逃げてしまう。

「成長が速い人ほど、普段から会うあらゆる人から何かを学び取ろうとする。学ぶ気持ちさえあれば、どんな人からでも学べることはあると知っているからだ。他人は全て自分の知らなかったことを教えてくれる存在だと思えば、相手への敬意が生まれる。必然的に、そういう人は常に謙虚になる。むしろ謙虚さこそが成長の原動力ともいえる。」

●Nature Index Japan 2018から見る日本の現状 - 学術英語アカデミー https://www.enago.jp/academy/nature-index-japan-2018/
「高品質な自然科学系ジャーナルに掲載された日本の科学成果発表は、2012年から2016年の5年間で19.6%減少。Nature Indexに収録されている高品質な科学論文に占める日本からの論文の割合は、2012年から2016年にかけて6%下落していました。背景には中国の急成長があり、米国・英国などの科学先進国が占める相対的な割合も低下していたとはいえ、日本の論文発表数は明らかに減少しており、全体的に見ても日本の研究が低下傾向にあることがはっきりと現れていた」。

●日本の科学研究の壊滅的な没落をこの上なく明確に示すグラフが発見される | BUZZAP!(バザップ!) https://buzzap.jp/news/20180823-science-and-technology-japan2/
中国からの論文の増加が顕著。
・「科学論文の増加」を示す「Science Growth 2005-2015」というグラフ。

・日本からの論文の減少が顕著(2005-2015の論文増減実数)。

China    246,521
Hong Kong   1,294
Japan    -9,850

●粗悪学術誌:論文投稿、日本5000本超 業績水増しか - 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20180903/k00/00m/040/110000c
企業組織、三権の組織ばかりか大学組織のエリート層にまでintelligenceが失われていることが判明。「論文の水増し」、「業績の水増し」。

「有名大からの投稿が多いのは驚きだ。国際誌で成果を発表したという業績を積むため、意図的にハゲタカジャーナルを使う研究者が存在すると考えざるを得ない。」

●劣悪な学術誌「ハゲタカジャーナル」とは? 掲載料が目当て、 根拠乏しい「疑似科学」を拡散 https://www.huffingtonpost.jp/2018/09/02/predatorypublishers_a_23515016/
「掲載料を得るために、まともなチェックもしないため、根拠の乏しい「疑似科学」をまき散らしていることなどが問題視され、国内の大学の研究機関でも注意喚起を始めている。」

●修士・博士:日本だけ減少…研究力衰退あらわ 7カ国調査 - 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20180823/k00/00m/040/060000c
人口当たりの修士・博士号取得者が近年、主要国で日本だけ減っている。

 

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●“売れない理工学書”積極的に出版へ――近代科学社、大学の研究者から広く原稿を募ってPODで書籍化 - INTERNET Watch https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1137127.html