●民主主義のバグ

160429 MP

┃Economy あるいは資本主義のメタモルフォーゼ
成長と生産性、ビジネスモデル、経営、、国家、民主主義など

●民主主義の後退 | キヤノングローバル戦略研究所(CIGS) http://www.canon-igs.org/column/security/20160401_3593.html
民主的決定へのストレス、不満が高まっている。世界の民主主義をどのように立て直すのか、大きな岐路に我々は立っている。
リプセット仮説:経済成長は社会の近代化をもたらし、市民社会の形成、都市化の進展、中間層の拡大、教育水準の向上が顕著となる。こうした多元化した社会が権威主義体制の機能不全をもたらし、議会制民主主義へと移行・定着する。
しかし、中国、ロシア、中東・北アフリカで近年観られるのは、「中間層はむしろ抵抗勢力となり、自由化を求める政治運動は権威主義の統制強化の触媒となる傾向」。

●アメリカ・イギリス・スペインに続きフランスでも「反グローバル主義」「反新自由主義」を掲げ99%(庶民)が立ち上がる! http://xn--nyqy26a13k.jp/archives/16270
新自由主義からの脱却」を掲げた新しい社会運動。もっと別の経済システムがあるはずだ、と『プチ・ブルジョワ』と呼ばれる高学歴ホワイトカラーの若者が訴えている。

●「民主主義のバグ」を使ったトランプの躍進──“感情”に働きかけるポピュリズムのリスク http://bylines.news.yahoo.co.jp/soichiromatsutani/20160506-00057264/
山本七平などは、日本人は「空気」に流される傾向があると分析してきた。それは集団主義的とも解釈されたが、見方を変えれば個々人が“感情”を理性で制御できないことを意味する。ここに民主主義の「バグ」がある。
「民主主義では、ひとり一票の原則は変わらない。しかし、過激な言葉になんとなく惹きつけられる圧倒的多数は、政策を丁寧に検証する少数を簡単に凌駕する。議論を前提にひとびとの理性と知性を信頼してきた民主主義は、そのルールを破られないままゲームを支配された」のが、トランプ現象だし、日本でいえば石原慎太郎、小泉純一郎、橋下徹の人気。
「日本もトランプを他人事だと捉えることなく、他山の石としなければならないことには間違いない。保守やリベラルが続けてきた既存の政治は、ひとりのポピュリストによって簡単に土台から破壊される恐れがある。しかも合法的に。われわれは、そのリスクについていまのうちに考えておく必要があるだろう」。

★Donald Trump supporters think about morality differently than other voters. Here’s how. - Vox http://www.vox.com/2016/2/5/10918164/donald-trump-morality
社会心理学者であるジョナサン・ハイトの『社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学』で提唱された6つの分析軸を使った調査で、「トランプ支持者は思った以上に中道に近く、どの道徳基盤でも際立った高さを示していない」とハイトは指摘。
グラフを見れば、それはテッド・クルーズ支持者の道徳基盤をそれぞれ弱めたような感じだが、クルーズは[(比例配分)公正]により重点を置く。
対してトランプを支持するのは、思いやりが低く、従順であることに価値を置く権威主義者だ。ハイトは、トランプ支持者を「真の権威主義者」と断じる。

・6つの分析軸
ケア/危害]基盤:弱者や困窮者へ共感。
公正/欺瞞]基盤:相応の対価(比例配分)を得られているかどうか。
自由/抑圧]基盤:支配に対して結束して抵抗すること。
忠誠/背信]基盤:誰が“われわれ”なのか、あるいはそうではないか。
権威/転覆]基盤:序列や地位に対して分相応に振る舞っているかどうか。
神聖/堕落]基盤:日々の生活が汚染から守られるべきだという感覚。

●100日間で起きた80万人の虐殺-ルワンダ虐殺から「学んだ」、国際社会3つの歩み http://www.huffingtonpost.jp/kanta-hara/rwandan-genocide_b_9807728.html
民主主義のバグ国民国家の前提が崩れると何が起きるかを見せたのがルワンダ虐殺。
「本来国民を保護するべき役割を担うのが政府であるにも関わらず、ルワンダ虐殺ではフツ族系政府(とそれに同調するフツ族系過激派組織)の主導により80万人もの人々が犠牲になった」。
だから、国家の上位にある機関が「保護する責任」を「人間の安全保障」概念から実行していく必要がある。

●NHKは『とと姉ちゃん』のモデル・大橋鎭子の戦争反対の思いを描くことができるのか? http://lite-ra.com/2016/05/post-2222.html
ルワンダ虐殺が国内にいる国民を分断、差別のうえ殺傷した事例なら、戦争は国民一丸を強要し、他国へ向け特攻や玉砕を強いた事例。

「花森氏は戦中、大政翼賛会の宣伝部に属し、かの有名な「ぜいたくは敵だ!」というスローガンも花森氏の作だったといわれる。花森氏は、自分には戦争への責任がある、と感じていた」。
「君も知っての通り、国は軍国主義一色になり、誰もかれもが、なだれをうって戦争に突っ込んでいったのは、ひとりひとりが、自分の暮らしを大切にしなかったからだと思う。もしみんなに、あったかい家庭、守るに足る幸せな暮らしがあったなら、戦争にならなかったと思う」。

●「原爆のデジタルアーカブ」をアメリカで展示発表してみた  http://www.huffingtonpost.jp/hidenori-watanave/digital-archive-of-atomic-bom_b_9849176.html
戦争は国家が国民に対し、人と人とを殺し合わせる所業。国境が人を隔てた20世紀。
一方戦後70年、国境を越え、国家という枠組みを超えて、連帯しあい、共鳴しあう仕掛けは確実に成熟しつつある。その報告書。
「もちろんアメリカでも,やぶから棒に「原爆投下の是非を問う」といった切り口で議論をはじめると,紛糾するかもしれません.これは,日本においても同じことです.国内で「ヒロシマ・アーカイブ」「ナガサキ・アーカイブ」を展示発表する際も,まず「デジタルコンテンツとコミュニティのあり方」という切り口から,解説を始めるように心がけています」。
「そこから徐々に,シビアな話題に進んでいけば,無理なく穏やかな議論ができます.こうした「話のすすめ方」が,原爆の一方の当事者国であるアメリカでも通用することは,私たちにとって嬉しい発見でした」。


 

┃Others あるいは雑事・雑学

●第2次大戦前夜にそっくり!米国離れが加速する世界情勢|ロシアから見た「正義」 “反逆者”プーチンの挑戦 http://diamond.jp/articles/-/86785