●日本の出版業界と「ひとり出版社」

A:<メディアとしての紙>から<デジタル化するメディア>へ

●出版業界に未来はない?神田昌典氏が講師のセミナーで、これからの出版業界で活躍できる人の条件を聞いてきたよ http://someyamasatoshi.jp/visiting/kandamasanori/
神田昌典氏に対し、「電子書籍(kindle)で次の新作を出しませんか、お手伝いしますよ」、とアマゾンが言ってきた。と。
しかし日本の出版業界の問題は、そこにあるのではない。「現在の日本では残念ながら非常に濃い、深い内容の本は売れづらい。理論書、学術書は売れづらい」「日本のAmazonレビューの質の低さ、薄さが悲しくなる。できるだけ考えない本が売れ続ける」。
「アメリカの書籍は素晴らしい。移民が多いからか、若い人口が流入しているせいか、新しい知識がどんどん蓄積されている。アメリカのAmazonレビューではその学術書に関しての議論がおこなわれている」。

●情報禍とどう向き合うか? http://bit.ly/1jQ1Mld
「知恵と知識は違い、知識をいくら身につけても、それを読解するのが知恵であり、それは文脈が読めるか否かにかかっています。その「文脈」が自身のなかになければ、知識に振り回されてしまい、右往左往します」。
文脈を己のなかにつくるということは、時間と根気が必要です。イシューごとに始めなければなりません。そして、直接有識者らに会ったりして、自分の意見をぶつけてみるという体験も有益です」。

●元テレビ記者が「ひとり出版社」を立ち上げた http://toyokeizai.net/articles/-/75563
一人出版社は「テーマ」主体で動けばいい。「ツテもなく資金も限られている中で、「何が大切かは、自分で決める」というテーマを共有できる作家を探した」。
「報道という仕事とは畑違いのようでいながら、テーマがあり人に伝えるという点では似ている。新しいことを始めたというより、これまでの仕事や個人的な経験すべてを映し出している感じです。仕事は私の性格や生き方そのもので、たとえ職種が違っても同じような働き方をしていくのだと思います」。

●レビュー『"ひとり出版社"という働きかた』。私は、どんな円を描く? http://kurashito.hateblo.jp/entry/2015/09/16/190423
「ミシマ社では、「コーヒーと一冊」というシリーズで、既存の流通の仕組みからはずれて、「買い取り」という形をとることで、もし売れれば通常よりも本屋さんに利益がでるような仕組みを打ち出しています」。

●エンジニアから出版社社長へ!「ぶっちぎりのオリジナリティ」を武器に、世界のコミック市場を揺さぶる【超本人 第1回】 http://news.mynavi.jp/news/2015/10/07/283/
「エンジニアと出版社の仕事は、一見かなり異なるように思いますが、実際に転職されてみていかがでしたか"、"チームを組んで一つの商品(作品)をプロデュースしていく、というプロセスは同じだと思います」。

●人間の脳の構造上、テキストメディアは廃れない http://diamond.jp/articles/-/79216
LINEが初めて本格的に登場する恋愛小説、『ぼくは愛を証明しようと思う』の著者藤沢数希氏とLINEの田端信太郎氏との対談。
Web上のやりとりはリアル?それとも? 別れた直後は何も感じなかったのに、スマホの中の写真やその他のデータを全部消したとき寂寥感が募ったという人もいる。
しかしなにより注目しないといけないのは、「テキストの強みはユーザーが時間軸を自分でマネージできる」、このアドバンテッジ。そして人間の脳の認知の仕組みから、人間が実際に感じる情報量が、物理量とは違い、「テキスト>音声>静止画>動画」の順番だという点。

●KADOKAWA × はてな「新・小説投稿サイト」今冬リリース! http://kaku-yomu.kadokawa.jp/
書けて、読めて、伝えられる場所=サイト。


●僕がはてなに入って改めて出版業界に向き合ったワケ。 http://jusei.hatenablog.com/entry/2015/10/08/060000
誰でもジャンプでデビューできる、マンガ投稿サービス、「少年ジャンプルーキー」の企画者が次に取り組んだのが、KADOKAWA × はてな「新・小説投稿サイト」。スマホを中心とした閲覧体験の変化をビビッドに感じたままを、この企画にぶつけた。

●メディバン、スマホだけでイラスト/マンガの制作から投稿・閲覧まで可能に、無料翻訳サービスも提供予定 http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20151015_725856.html
ブラウザからスマホアプリへ。また海外へ=メディバンは海外でも利用されており、マンガ作品を世界中の言語に翻訳する無料のトランスレーションプログラムをスタート予定。

●2年前の単行本がある日突然売れ始めた!電子書籍のバナー広告で紙の漫画が売れる!? http://hon-hikidashi.jp/more/5319/
『ちいさいひと 青葉児童相談所物語』=ドラマ化・アニメ化でもないのに2年前に完結した作品に重版がかかるのは、異例の事態。「電子書籍サイトが作成したバナー広告で作品が紹介されたこと」がきっかけ。

●honto × Ingress 丸善,ジュンク堂書店、文教堂の店舗が「ポータル」として登場! http://honto.jp/cp/hybrid/campaign/ingress
ゲームと書店がコラボ。
IngressはGoogleから独立したNiantic Labsが提供する、現実世界と重ねあわせた仮想世界で、緑のエンライテンドと青のレジスタンスの2チームに分かれて陣取りをするゲーム」。

●キンドル抜いたドイツの電子書籍 書店大手が呉越同舟 http://digital.asahi.com/articles/ASH9H3FQ3H9HUCVL001.html
「書店の未来は電子書籍にしかない」。

●東芝、電子書籍配信事業を売却 http://www.j-cast.com/2015/09/03244332.html
富士通に続いて東芝も。約23万冊の配信事業をU-NEXTに売却。

●映画誌「SCREEN」など出版の旧「近代映画社」が破産へ http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1510/05/news049.html
出版不況で売り上げは低迷し、2005年12月期に約9億5200万円だった売上高は13年12月期には約3億6200万円に落ち込んだ。今年6月に取次の栗田出版販売が民事再生を申し立てたことで、約260万円の不良債権も発生。

●江戸川区との共同編集による60代熟年者向け地域情報誌 『OZmagazine NEXTAGE』江戸川区版10月9日(金)創刊! http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000697.000000607.html
60代が地元を楽しむための働く・学ぶ・遊ぶ情報を満載。区からの64歳以上の人へ無料送付と同時に、書店、コンビニ等で有料販売も。スターツ出版(株)が制作受託。

●雑誌『ワイアード』、 収益の2/3はデジタル部門から:高品位なスポンサードコンテンツがカギ http://digiday.jp/publishers/two-thirds-of-wireds-revenue-is-digital-and-brand-content-is-why/
成長するスポンサードコンテンツ事業。その中で、『ワイアード』OBで組織された精鋭部隊を組成。ただしブランドコンテンツユニットで働くフリーランサーに対し、期間制限を設けることで、「やらせ疑惑」を排除、ブランドの魅力を堅持。

グーグルの書籍電子化、著作権法に違反せず=NY連邦高裁 http://jp.reuters.com/article/2015/10/16/google-books-idJPKCN0SA2GO20151016
「グーグルの行為は「(書籍の)公正利用の限界を試す」事案だとしつつ、実際に読めるのは利用者が検索した言葉に関連する部分に限定されており、著作権法には違反しないとした」。

●グーグル勝訴で浮き彫りになる「フェア・ユース」と著作権(とたぶんTPP)の問題 https://note.mu/lingualina/n/n8e6589a8262b
より詳細な解説。著作権がなぜあるのかを憲法に遡って吟味した。著作権で著者保護を目指すのは、「公益」を守るため、その限りで、という大枠がある話。そこに「フェアユース」にあたるのかの判断基準が存在する。控訴審は公益という観点からみると、GoogleBooksは「本の「transformative」な使用」であって合憲、フェアユーズの概念に含まれる、とした。
また、数行表示されただけで用が済んでしまうコンテンツ、例えば料理のレシピとか、辞書とか、詩歌や俳句などはブックスキャンのsnippetサービスから除外されている。ならば全文デジタル化されたからとって、そのことだけをとらえて目くじら立てるのはお門違いとした。

●図書館情報資源概論 第4回 http://www.slideshare.net/kojikomatsuzaki/4-53728345
「本のつくり」に関する簡潔な整理情報源。