◎これはクリップ集です◎
賑やかな議論のなかで
教育現場とAIをめぐる話題が、このところ急に賑やかになりました。便利そうだけれど、子どもたちに任せて大丈夫だろうか。そんな戸惑いを抱えている先生も多いのではないでしょうか。そこで提案したいのが、AIを「授業」と「校務」の二つに分けて眺めてみることです。
授業は、ゆっくり慎重に
文科省の審議会は、デジタル教科書に載せる動画を1本3分程度までとし、教科ごとに総量の上限も設ける案をまとめました。AIの搭載も、情報の正確性への懸念から、当面は見送る方針です。
紙の良さも改めて認められています。小4以下では完全デジタル型を認めず、5年生以上でも国語や社会などは紙を残す方向で検討が進んでいます。古文のように、じっくり読んで考える学びには紙が向いているのだそうです。新しい学習指導要領が始まる2030年度に合わせ、順次導入される予定です。
読書感想文についての保護者調査も印象的でした。生成AIの時代でも、7割を超える親が「必要」と答えています。うまく書けなくても、自分の言葉で考える時間を手放したくない。そんな気持ちが伝わってきます。授業の場でAIに求められているのは、速さよりも、子どもの育ちに寄り添う慎重さなのでしょう。
校務は、少し前のめりに
一方、校務の側には追い風が吹いています。文科省は教育特化型のAIアプリを開発し、2027年度中に実証研究を行う計画です。アプリは学習用と校務用の2種類。テスト結果や宿題の取り組み状況を読み込み、一人ひとりの得意・不得意を分析して、授業や個別指導の改善につなげることをめざしています。
二本立てで、迷いを軽くする
授業では子どもの思考を守り、校務では先生の負担を軽くする。AIとの付き合いをこの二本立てで整理しておくと、「使うか、使わないか」と悩むかわりに、「どの場面で、何のために」と問えるようになります。その問いこそが、これからの教室を支える羅針盤になるはずです。
■知恵クリップ
●文科省審議会 デジタル教科書のあり方を示す https://news.web.nhk/newsweb/na/nd-20260902de47788
「一方、認められない事例として、娯楽性の高いゲームや漫画、図鑑のデータや大量の練習問題文字や静止画の内容を単に説明するだけのような動画などをあげています。
また動画が多くなりすぎないよう総量に上限を設けるほか、AIの機能を組み込むことは情報の正確性の観点などから慎重な議論が必要だとしています。」
●デジタル教科書、動画1本あたり3分程度まで AI搭載は当面認めず https://www.asahi.com/articles/ASVBF3339VBFUTIL01ZM.html
「文科省の案によると、動画1本あたりの再生時間は3分程度を上限とし、教科書では外国語が1冊あたり計80分、観察や実験の説明などを示す理科は、小3、小4が40分、小5以上が60分とする。音楽は小学生で30分、中1~中3で計60分、国語や算数・数学は20分。社会は、小学校が20分、中学校が科目ごとに40分などとした。
(略)また、デジタル教科書へのAI(人工知能)の搭載は、当面認めない方針も決めた。」
●小4以下は完全デジタルNG? 2030年度から教科書どう変わる https://resemom.jp/article/2026/10/01/87735.html
「ただし、すべての教科書をデジタルにするわけではない。児童生徒の発達段階や教科の特性を踏まえ、小学校4年生以下では完全デジタル型を認めず、小学校5年生以上でも国語、社会、道徳などは完全デジタル型を認めない方向で検討している。英語や音楽、美術などはデジタルを活用できる場面が多い一方、国語や古文など、じっくり読み込んで考える学習では紙が適しているとされる。」
・2030年度の新学習指導要領の実施に合わせて順次導入

●教育特化型のAIアプリ 文科省が開発へ 27年度中に実証研究 [AIの時代] https://www.asahi.com/articles/ASV8P2HN3V8PUTIL00PM.html
「開発するアプリは大きく分けて、学習用と校務用の2種類。学習用端末などにインストールして使うことを想定する。」
生徒のテスト結果や宿題の取り組み状況といったデータを読み込み、一人ひとりの得意・不得意などを分析。授業や個別指導の改善につなげる。」
●生成AI時代に「読書感想文」は必要か?7割超の親が「必要」と答えるワケ【保護者調査】 https://news.nicovideo.jp/watch/nw19657975
「文章の構成や感想の言語化に加え、子どもが最後まで取り組む気持ちを保つことも、読書感想文の難しさの一つではないでしょうか。家庭でどのような工夫をしているのか、保護者の声を紹介します。
1.一度に終わらせず、作業を小さく区切る
2.書けたところを褒め、気持ちに寄り添う
3.集中できる環境を整え、適度に休憩を入れる
4.書き終えた後の楽しみを用意する」
・読書感想文を通して何を学んで欲しい?

・読書感想文のどの工程でAIを利用したか

●小中学生の69.3%が「読書好き」、学校の読書活動が本との接点に https://edu.watch.impress.co.jp/docs/news/2147222.html
「子供の読書好き度と家庭の読書環境にも、関連がみられた。保護者が週1時間以上読書する家庭では、「本を読むことが好き」と回答した子供が91.8%となり、全体の69.3%を22.5ポイント上回った。
一方、保護者の読書時間が週1時間未満の場合は「本を読むことが好き」が74.6%、読書をしない場合は36.3%だった。」
・子どもの「読書好き度」と保護者の「読書時間」の関係

●“長すぎる読書”が正答率低下に?「逆U字現象」とは 読書と学力テストとの相関関係は? https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2848139?display=1
小中高校の間は、さまざまな経験、体験が大事な時期。読書も(時間が)過ぎると部活や受験勉強へのマイナス影響が学業結果へ及ぶことも。
・長すぎ読書で起きる“逆U字現象” ベストは「週に1回程度」?

●【そもそも解説】PISAって?知識の活用力を調査 15歳が対象 https://www.asahi.com/articles/ASV9824DHV98UTIL023M.html
「PISAのテストは3分野に分かれている。「読解力」は前回の3位から4位、「数学的リテラシー」が前回と同じ5位だった。また今回は、前回までの「科学的リテラシー」が「科学コンピテンシー」に改称され、知識や理解だけでなく、それらを活用して意思決定や行動ができるかなどを調べた。順位は前回が2位で今回は5位。3分野とも上位を維持した形だ。」
・日本のPISA順位の推移

●日本学術会議、次期学習指導要領に向け5つの改善事項を提言、算数・数学教育の在り方見解を公表 https://www.kknews.co.jp/news/20260908o02
「AIやデータサイエンスの基盤となる確率論や統計学、線型代数学などの学習を重視し、統計教育の方針を明確化することを主張している。さらに、数学的な見方や考え方を働かせるSTEM/STEAM教育の推進や、女性の理工系進学率向上に向けたジェンダー・ダイバーシティの視点に基づく制度設計も求めている。」
・見解「初等中等教育における算数・数学教育の改善について」日本学術会議
https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf2/kohyo-26-k260904-1.pdf








