●納税の義務と社会保障の財源

160513 MP

┃Economy あるいは資本主義のメタモルフォーゼ
成長と生産性、ビジネスモデル、経営、、国家、民主主義など

●論点:パナマ文書ショック http://mainichi.jp/articles/20160511/ddm/004/070/014000c
違法か適法かが問題なのではない。民主主義の根幹を支える国民国家と納税の義務との連関の観点で、税源浸食と利益移転をそこまでやらしていいのかが問われている。公益とのバランスで。
近年先進諸国は、「BEPS」(税源浸食と利益移転)と呼ばれる国際的な課税逃れを是正する包括的な取り組みを進めてきた、その矢先の事件がパナマ文書だという視点が重要。

●タックスヘイブンの「租税回避」と「脱税」の違いと「ダブルアイリッシュ・ダッチサンドイッチ」 http://bossanovaday.hamazo.tv/e6761850.html
日本では、タックスヘイブンの活用は一見難しそうなのだが抜け道はある。その一つが「ダブルアイリッシュ・ダッチサンドイッチ」というテクニック。
たとえば、日本の本社で、100億円の営業利益が出たとする。
タックスヘイブンに設立した権利管理会社が、日本の本社に100億円を請求する。
この100億円は、100%経費になる。

●主役は「パナマ文書」 G20国際会議 http://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2016_0419.html
2016年4月14~15日のG20の議論の核心はパナマ文書でBEPS(税源浸食)の規制を強め、テロ対策を含めた不透明な資金の排除を進める。
タックスヘイブンの問題点は
1、租税回避
2、資産の実質所有者が見えなくなっていること(匿名ファンドを作ることで可能)
そこで、
1、匿名ファンドの実質禁止
2、各国との情報交換の場を構築
3、その場を介する自動情報交換
4、各個人の資産や取引情報を集約し課税できる環境を作る
が合意された。

●G20会合で見えたパナマ文書問題「3つの論点」 http://diamond.jp/articles/-/90469
実効性(実際に徴税、取り立てを日本の官僚が海外に出かけて行ってまでするか)を横に置くと、次のようなポイントが実はある。
「わが国は全世界課税方式といって、日本居住者が全世界で得た所得に対して課税し、二重課税については申告の段階で調整する方式」を採用している。だからタックスヘイブンは「違法」と言いうる。
また、わが国にはタックスヘイブン対策税制が導入されている。
さらに2014年から国外財産調書が導入され、5000万円を超える国外財産を保有する居住者は、その保有する財産の中身を記載して税務署に提出する義務を負っている。

●『パナマ文書』って何?マスコミはあまり報道しないが世界がひっくり返る程の事件らしい! http://temita.jp/kaigi/29643
正直者が損をするのでは困る、という世論が湧き上がれば、世界的な課税・徴税体制が将来できるかもしれない。

●経団連:BEPSプロジェクトを踏まえた今後の国際課税に関する提言 (2016-04-19) https://www.keidanren.or.jp/policy/2016/024_honbun.html
パナマ文書が出てくるのを見越していたかのように、実は2015年10月、BEPS(Base Erosion and Profit Shifting:税源浸食と利益移転)プロジェクトに関する最終報告書(最終報告書)をECDは公表し、その内容は同年11月のG20アンタルヤ・サミットで全面的な支持を得ていたのだ。
BEPSプロジェクトを踏まえた今後の国際課税に関する提言 概要
https://www.keidanren.or.jp/policy/2016/024_gaiyo.pdf

●「パナマ文書」で浮かんだ中国「革命家族」の「巨大利権共同体」 http://www.huffingtonpost.jp/foresight/panama-papers_b_9717288.html
中国は世界2位の経済大国だが、海外のタックスヘイブンなどに会社を持つことは厳しく規制されているのが建前。しかし、実態は、いわゆる革命エリートの家族を中心に、一般人の目の届かないタックスヘイブンで資産を保有し、利益を得ていることが明らかにされる格好となった。
一部の人間たちが「革命の功労者」という中国での絶対的な功績によって、改革開放では「チャンス」を優先的に享受することになり、経済的利益をたっぷり得たような構図があることは言われていた」。

●パナマ文書で暴かれた件数は世界一! 「金権」中国の深すぎる闇 http://ironna.jp/article/3273
反腐敗は胡錦濤政権から習近平政権に移るときの最も大きな約束事であった。二人とも、腐敗問題が解決しなければ、これで共産党による一党支配体制は崩壊することを知っていたのだ」。
「そこで習近平政権が誕生するや否や凄まじい反腐敗運動が始まった。その業務は「中共中央紀律検査委員会(中紀委)」が担う決まりがあるので、チャイナ・セブンの中の王岐山が中紀委・書記として大鉈を振い始めた」矢先のパナマ文書だった。

●パナマ文書、中国の腐敗と資本逃避の深刻さ浮き彫り 習近平氏親族、党幹部ら http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160510/frn1605101550003-n1.htm
パナマ文書。そこで不透明な蓄財や資金流出の実態が暴露される対象として最も注目されているのが中国。
「国際金融協会(IIF)は、中国の流出から流入を差し引いた「純流出額」は15年が6750億ドル、16年が約5300億ドルにのぼり、新興国で最大の割合を占めるとみている」。
その一方で、「習政権が政敵をつぶす目的で行った反腐敗キャンペーンの結果、ここ2年ほどは賄賂などによる蓄財はできなくなっている。来年10月の党大会までには反腐敗運動をやめてもらわないと困るという不満が高まり、我慢の限界に達している共産党幹部もいる」ほど。

●「パナマ文書」の税逃れ問題に各国が本腰を入れない真の理由 http://diamond.jp/articles/-/89582
「合法的な節税」が国家のそもそもの成り立ちを侵食している。適法かどうかがいま、問われているポイントではない。勤勉と公正を大事な価値として発達してきた近代資本主義や民主主義の思想から明らかな逸脱が起きていることが議論されなければならない。

●ベーシック・インカム導入案は否決に傾くか 世論調査結果 http://www.swissinfo.ch/jpn/votationpoll/42127844
従来型の社会保障施策を止め、あるいは縮小して、その代わり、ベーシックインカムを政府が国民に支払うことの是非について、スイスでは2016年6月5日、国民投票が行われる。

●なぜ日本政府は「子どもの貧困」対策として「寄付」を選んだのか? http://www.mag2.com/p/news/122177
2009年のOECDの統計では日本の子供の貧困率は調査対象の34カ国の中でワースト10で、ひとり親世帯の貧困率は最下位。
この解決に税金の投下だけでなく、基金(寄附)という形も追及した理由:
1.「社会に広く認識させるために」
2.個別性、適切性の確保=「国の予算で行う事業の場合はどうしても画一的な支援方法になり、特定の地域や分野に偏った支援はできない」。

●財務省の「日本を黒字化するゲーム」 注目度が高まっているワケ http://www.j-cast.com/2016/05/03265901.html
財務省が公式サイトで「日本の財政を考える」ページを立ち上げた。パソコンやスマートフォンで誰でも遊べる、シミュレーションゲーム「財務大臣になって、2020年までに日本を黒字化するゲーム」。
「議員の給料カットのボタンがないんだが」「公務員の人件費削減ないのかよ」「どうあっても自分たちの給与水準は守りながら、国民の首だけを絞めたいんだな」、というバッシングも。

●1位はあの夫妻、慈善事業への寄付が多い富豪ランキング http://forbesjapan.com/articles/detail/12066
どんなに需要があったとしても、その国の経済が持っている供給力を超えて経済が成長することはできない。供給の三要素は資本、労働、生産性。
このうちの資本について、「寄付」というパスを持つのが米国。国が行う社会保障概念を飛び越えて、福祉に資本が流れ込む。実際に貧困や疾病の撲滅といった、「大きな賭け(社会変革)」に大型資金を投じている慈善事業団体がある。
ビル&メリンダ・ゲイツ:GAVI(ワクチンと予防接種のための世界同盟)へ。
チャールズ・フィーニー:認知症研究のためにカリフォルニア大学サンフランシスコ校などに。
スティーブ&アレクサンドラ・コーエン:移民向けの奨学金支援に。

●NIKE(ナイキ)会長が全資産2兆8000億円を慈善活動に寄付http://xn--nyqy26a13k.jp/archives/16184
「息子を亡くした時には、すでに、こうしようと決めていたよ」。10年前に30代だった息子をダイビング中の事故で亡くしたNIKE(ナイキ)会長は言う。
これまでも健康、スポーツや教育関連の分野への関心がうかがえ、寄付金はそう言った分野にに振り分けられる模様。

●2030年の産業構造・就業構造 新産業構造ビジョン中間整理より http://bit.ly/1T9BvJD
社会保障財源のために「成長」が必要だと政府は言う。そのための「新産業構造ビジョン」・
ただしどんなに需要があったとしても、その国の経済が持っている供給力を超えて経済が成長することはできない。供給の三要素は資本、労働、生産性。このうち日本についてい言うと労働人口は今後減る。ならば生産性でその人口減をカバーすればいい。人工知能の加勢を借りて。そこにこそ、「第四次革命」の革命たるゆえんがある。
つまり、「ロボットとAIがフル活用されることで潜在成長率が上昇し、成長率の高まりによって所得が増えて需要も増加し、最終的には仕事そのものが増え」、社会保障の財源にも回っていくハズ?

 

┃Others あるいは雑事・雑学

●日吉駅周辺は何もない山の中!自分の住んでいる場所の100年間が見える面白地図サイト http://hiyosi.net/2016/05/04/time_travel-2/