後世のイスラーム法学者たちは、このムハンマドの言行を手がかりにリバーの禁止の具体的な法規定を作っていった。そして、次の2つの条件をリバーの禁止に抵触する経済取引として定式化した。
その1つは等価交換でない取引(不等価取引)、もう1つは同時に行われない取引(信用取引)である。これらの条件は、どのようなモノを取引するかによって適用されたりされなかったりする。
参考文献:
Nabil A. Saleh Unlawful Gain and Legitimate Profit in Islamic Law: Riba, Gharar and Islamic Banking. Cambridge: Cambridge University Press, 1986
『現代イスラーム金融論』第2章:リバー論の系譜 長岡慎介(名古屋大学出版会、2011年)
「徴利論2(リバー)」小杉泰
『歴史学事典1 交換と消費』 川北稔編(弘文堂、1994年)
『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」Vol.1 イスラーム経済社会の構造(理論編)』第5章第2節:イスラーム弁証手続きの形式合理性/第6章第3節:イスラーム経済と不確実性 加藤博(詩想舎、2020年)
□関連知識カード:
イスラーム性を担保するイスラーム弁証手続き
等価交換の徹底は商売の否定につながる
★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(下) 金融資本主義からの脱却と「利他利己」の超克』を構成している「知識カード」の一枚です。
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