マウドゥーディーの呼びかけに賛同した人々は、「不当利得=利子の禁止」の教義を守った無利子金融を現代世界で再現できないかを模索し始めた。特に、南アジアのイスラーム法学者や経済学者たちは、いち早くアイデアの実用化に取り組み、後のイスラーム金融の本格的な商業実践の開始に大きく貢献した。
参考文献:
Muhammad Nejatullah Siddiqi Muslim Economic Thinking: A Survey of Contemporary Literatu. Jeddah: International Centre for Research on Islamic Economics and Leicester: Islamic Foundation, 1981.
『現代イスラーム金融論』第3章:近代イスラーム経済学の展開 長岡慎介(名古屋大学出版会、2011年)
「南アジア・イスラームの動態」山根聡 『イスラームの歴史2―イスラームの拡大と変容』 小杉泰編(山川出版社、2010年)
『4億の少数派―南アジアのイスラーム』 山根聡(山川出版社、2011年)
『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」Vol.2 市場経済における「イスラームの道」(歴史編)』第7章第2節:なぜイスラーム経済は再び注目を集めるようになったのか 加藤博(詩想舎、2020年)
□関連知識カード:
資本主義に対抗して主張されたイスラーム金融
★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(上) 資本主義の危機とイスラーム経済の登場』を構成している「知識カード」の一枚です。
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