金融資本主義と経済格差(その1)

フランスの経済学者のトマ・ピケティ(1971~)は、第2章第3節「格差と経済成長」で取り上げたクズネッツの逆U字仮説の妥当性を膨大な統計データから検証し、経済成長の進行によって格差が縮まるのは20世紀半ばのみに観察できる一過性の現象であり、長期的には経済成長は格差を拡大させることになると述べている。特に、実体経済よりも金融資本主義の成長スピードが速い場合、金融資本主義で金儲けをしている一部の富裕層に富が集中し、格差の拡大に拍車がかかると主張している。

参考文献:
21世紀の資本』  トマ・ピケティ 山形浩生他訳(みすず書房、2014年)

□関連知識カード:
 経済成長と格差(その1)

 


★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(上) 資本主義の危機とイスラーム経済の登場』を構成している「知識カード」の一枚です。



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