それでは、経済学では、市場を通じた自由な売買によって生じた格差はどのように解消されると考えられているのだろうか。それを考えるための1つの仮説がアメリカの経済学者であるサイモン・クズネッツ(1901~1985)によって提唱されている(クズネッツの逆U字仮説)。
クズネッツは、20世紀初頭から半ばまでのアメリカの所得データを分析して、経済成長によって最初は格差が拡大していくが、やがてその格差が縮小していく傾向が見られることを明らかにした。
参考文献:
『経済成長って何で必要なんだろう?』 芹沢一也・荻上チキ編(光文社、2009年)
『諸国民の経済成長―総生産高および生産構造』 サイモン・クズネッツ 西川俊作他訳(ダイヤモンド社、1977年)
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