2020年
五年後の2020年。日本にとっては東京オリンピックの年。
日本は紀元2600年に当たる1940年(昭和15年)に、第12回大会を開催するはずだったがそれは、太平洋戦争で返上。悲願の第18回大会を東京で開催したのが1964年。そこから56年後の、再びの開催が予定されている2020年。アスリートたちだけでなく、日本の社会全体が現状の閉塞感を打破するきっかけにと願っている、節目となる2020年だ。
しかしこの2020年に別の画期を想定し、活動している一団がいる。
イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」だ。
「イスラム国」構想
現在、日本人ジャーナリスト後藤健二さんの身柄を拘束。日本政府に対し(あるいは後藤氏の家族に対し)さまざまな要求を突き付けている。
事態は膠着状態にあり、要求の度重なる変化について、「米国が主導する有志連合が敷く包囲網で資金が枯渇し、戦力もダウンしている。リシャウィ死刑囚奪還によって支持者からの信頼を取り戻し、求心力を回復しようという狙いがあるのだろう」という見立てもある。果たしてどうだろうか。
そもそも2014年、唐突に現れた印象の強いイスラム国だが、『イスラム国の衝撃』によると、イスラーム国あるいはカリフ制国家設立のための20年計画がある、という。
その計画の中で、2000年から開始された活動の通過地点として、2013年~2016年に「国家の宣言」が位置づけられている。
(1)目覚め (2000年~2003年)
(2)開眼 (2003年~2006年)
(3)立ち上がり (2007年~2010年)
(4)復活と権力奪取と変革(2007年~2013年)
(5)国家の宣言 (2013年~2016年)
(6)全面対決 (2016年~2020年)
(7)最終勝利 (2020年)
この計画が公表されたのは2005年5月、ロンドンのアラビア紙『クドゥス・アル=アラビー』に連載されたルポルタージュ、「アルカーウィー-アル=カイーダの第二世代」において。
この構想は2005年までに作られたもので、その意味では第一段階、第二段階は現実に起きたこと(始原はニューヨークでの2001年9.11事件)の後付け、意義づけではある。しかしその後、五つの段階を経て、2020年最終勝利、カリフ制国家を樹立する計画が2005年時点ですでにあったことになる。
2020年、順調に計画が進めばこの年に「はやぶさ2」が地球へ帰還する。
2020年、この年の12月31日には、20世紀最後の日(2000年12月31日)に生まれた人が20歳を迎えるため、20世紀生まれの全員が成人となる。そういう年でもある。
だが、彼らは西洋文明との全面対決を経て最終勝利を画策している。それが、まさにこの2020年なのだ。
◇関連クリップ
●後藤さん妻を引っ張り出した卑劣「イスラム国」 透けて見える弱みと焦りhttp://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150130/frn1501301830005-n1.htm
●7月24日〜8月9日 - 【日本】 東京にて第32回夏季オリンピック(東京オリンピック)開催予定。
https://tokyo2020.jp/jp/