●日本の若者は創造的か否か 鍵を握る教育現場の「授業づくり」

D:学習・教育のデジタル化と変容する知の体系

日本のカイシャ、教育現場、そして教育を受ける若者自身(またその保護者)の「意識」、「価値観」、いや今この地球で起きていることの「歴史的認識」が需要なカギを握ることになりそう。

それにはヒト社会がいまどのようにあり、どこへ行こうとしているかについて、日本社会はもっともっと勉強すべき、そういう時節にきていますね。

社会を変える創造性が求められ、また実際、世界は変わりつつあるのですから。

●「自分は創造的」と感じる日本の若者、わずか8% グローバル平均を大きく下回る http://www.huffingtonpost.jp/2017/07/16/adobe-research_n_17501442.html
世界のz世代の比較調査(Z世代とは、1995年から2008年のあいだに生まれた世代。 ポスト・ミレニアル世代)。
創造性を高める授業の、理想と現実。日本のZ世代も教師も、創造性を高めることが将来に必要ということは認識している。たとえば教師は、Z世代にとって大切なこととして、「事実や歴史の暗記」(58%)よりも「インタラクティブなデジタルツールの活用」(72%)が大切だと考えている。しかし、生徒への調査では実際に行っている学習法としては、85%が「事実や歴史の暗記」で、他の方法よりも大きく上回っていた。

「「卒業後の将来を考えた際の気持ち」について、日本のZ世代は「不安な気持ち(53%)」「緊張した気持ち(36%)」が上位になっている。他国で上位になっている「ワクワクした気持ち」「自信のある気持ち」はそれぞれ低い値に留まっていた」。

●創造的なんだけど創造的じゃない日本 ~ Ichiya Nakamura / 中村伊知哉 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2017/05/blog-post_22.html
・日本は創造性の社会的価値を評価していません。日本だけが過半数割れ。

・日本は創造性の経済的価値も評価していません。

日本は創造性を大事だと考えていないのです。

つまり、日本人が自身を創造的でないと認識する、評価する(とアンケートに答える)のは、創造的である人間は(日本)社会からはみ出してしまう、と薄々知っているから、なのでは。先生も生徒も。

●「ICTを活用する」ではなく「授業のなかで活用する」という視点の重要性――望月陽一郎先生インタビュー http://topics.buffalo.jp/?p=1205
「もし、全教室にテレビやプロジェクターが常設してあってWi-Fiが完備され、教室のどこからでも無線投影して授業できる状況になれば、先生方のICT利活用率はかなり上がると思います」。
若い先生よりも年配の先生がICT活用しているケースが多いですね。理由としては、「授業づくり」の経験の蓄積があるからアイデアが豊富なのです。
「授業づくり」というキーワードがポイント」。

「同じデジタル教科書でも、「指導者用デジタル教科書」は徐々に広がりつつありますが「学習用デジタル教科書」はまだほとんどみかけません」。
子供たちが「学習者用デジタル教科書」を使う場合、インストール・利用する端末がないといけません。そしてその前に、「指導者用デジタル教科書」の整備が必要です。段階を経ていくことが必要ですね

●総務省、学校にクラウドを導入する手順とお手本事例をまとめた「教育ICTガイドブック Ver.1」公開 http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1067196.html
「ガイドブックでは、教育分野でICT(Information & Communications Technology:情報通信技術)を活用することの意義を
「Active(学びを活性化する)」
「Adaptive(学びを最適化する)」
「Assistive(学びを支援する)」という“トリプルA”に整理されるとした上で、クラウドの活用によってトリプルA効果がさらに高まると説明」。

巻末には、「BYOD」「MDM」「ショルダーハッキング」など関連する用語集(167~168/171)、また事例別索引も。
・教育ICTガイドブック Ver.1(PDF) http://www.soumu.go.jp/main_content/000492552.pdf

●ICT教育とは?メリットやデメリット、問題点は?どんな事例がある?活用方法は? ANSWER https://brave-answer.jp/16317/
「ICTを使うことで、インターネットに聞けばわかることはインターネットに任せて、より効率的に情報を活用した創造的なスキルを養うことに焦点を当てることができる」。

●アダプティブ・ラーニング・サミット セミナーレポート No.2 http://blog.ict-in-education.jp/entry/2017/06/29/050635
EdTechイノベーションとは、「AIやVR、IoTを使った教育ではない」。そうではなく、「これから確実に訪れる「情報化社会」を視野に、いまの教育課題に対して、これまでの成功体験に縛られず、そして、失敗を恐れずに新しい価値や視点を提案すること(=学習者視点への学習観の大転換)」。「授業づくり」における視点の移動と、手法の変革が大事。

●「世界では学校が変わってきた!」上松恵理子さんインタビュー http://ascii.jp/elem/000/001/499/1499501/
プログラミング教育の前提となるネット時代の学校について。それも、学校がどう変わったか、なぜ変わったのか、について。情報社会で創造的であるために。

「イギリスは1995年に教科「ICT」というものを、小中高校の必修で入れました。ところが、2014年にそれをやめてしまったんですね。その理由としては、エクセルやワードの使い方を教えることが中心だった内容を、これからは、コンピューターを使って何かを生み出す、協調して学ぶなど、もっと先のことをやるべきだということからなんですね。それで、2014年に教科「コンピューティング」をはじめ」た。
情報社会と技術がどう関連していくかなどを勉強していくことを大切にして」いる。たとえば、GPS(全地球測位システム)。「どういうシステムで、なぜそれが必要で、それによってなぜ自分たちの位置が分かるのか、システムが構築された経緯や背景まで勉強する」のが、小学三年生

ついで、小学校1年生でスマートフォンの普及率が90%以上のエストニア。
「大人の社会と同じで先生に提出するものはちゃんとテキストエディタで作成して、プリント出力もありますし、クラウドに提出」する。
長文のレポートを書かせるのは米国も。「アメリカもエッセイを書かせますよ。そのためにキーボード操作を覚えるんですよね。
数学に特化した高校ですらエッセイがちゃんと書けないと、いくら数学ができても試験で落とされますね。理科の実験観察結果とか、国語はもちろんですが、毎時間毎時間大量にレポートを書かせています」。

日本は教室がデジタル環境になっていない。またデジタルデータでの長文添削をする先生の技量や、時間捻出に課題。

「フィンランドの倫理学とか宗教学の授業を見せてもらうと、全員タブレットを持って、それを使って意見交換していたりします。タブレットは、クラウド上でみんなの意見をやりとりするのに使っているんですね。面白い意見に対しては、先生がその場でチャットみたいな形で返信するんです」。

●「勉強しないと世界滅亡」 スマホゲームと連動した中学参考書が登場 人気声優起用、ゲームは課金なし http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1706/30/news056.html

「中学の5教科(英語・数学・国語・理科・社会)の要点をまとめ、学年ごとに1冊の参考書にした。専用ゲームアプリ(無料・課金なし)をスマートフォン(iOS/Android)にインストールし、参考書の「チェック問題」のページ上のQRコードにかざすと問題が出現。問題を解いて獲得したアイテムを使い、ストーリーを進める。

「ストーリーは「特殊能力をもつ7人の中学生と謎の転校生が悪の科学者に立ち向かう」というもの。テレビアニメ「名探偵コナン」などの脚本を手掛けたシナリオライターの利波創造さんらが担当し、竹達彩奈さんや柿原徹也さんなど人気声優を起用した。進行度によってキャラクターとの親密度やボイスが増え、「勉強すればするほど楽しくなるしくみを整えた」。

ゲームアプリには、取り組んだ学習項目数を月・週・日別に確認できる学習履歴画面機能も。学習の進捗状況を保護者にメールすると、アイテムがもらえる機能も搭載。「『ゲームだけじゃなくて勉強しているよ!』とアピールをしながらゲーム攻略のアイテムを獲得できる」としている。

 

┃Others あるいは雑事・雑学

●デジタル教科書の導入と著作権制度 / 大谷卓史 http://current.ndl.go.jp/ca1901

●図書館と著作権問題 http://current.ndl.go.jp/files/ca/ca1528.pdf

●デジタルネイティブ世代のための直感型プログラミング教育アプリ『Springin’』アップデートで誰もが作品制作が可能に! http://www.jiji.com/jc/article?k=000000022.000023556&g=prt
これまで有償のプレミアム版の機能としていた作品制作機能の一部を無料版に開放。他のユーザーが作成したワークで遊ぶことに加え、実際にSpringin'での作品制作を誰もが体験できるように。

●プロ声優を起用した音声合成用データ、無償公開 研究用途に期待 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1706/27/news096.html

●Microsoft Teams - グループ チャット ソフトウェア https://products.office.com/ja-jp/microsoft-teams/group-chat-software
Slackだと10000件以上は有料(850円/月/人と高額!)ですが、こちらはOffice365 の一機能なので無料。OneNoteやYammerと連携できます。