●ひとつの言葉や文章の情報がちゃんとその人の中にささって、日々の生活に作用する

A:<メディアとしての紙>から<デジタル化するメディア>へ

●マンガが700冊入る! Kindleの日本限定モデルが発売 http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/pickup/15/1003590/101800624/
「日本限定モデルで、ストレージ容量を従来モデルの8倍の32GBに拡張したほか、ページをめくる動作の高速化や、マンガを高速にスクロールできる機能を追加したことが特徴」。
連続ページターンはマンガ専用の機能で、マンガ以外の小説などでは出来ないようになっている。これは「マンガを読むスピードは速いが、小説はじっくりと読む人が多い。読み方の違いに合わせた」。

●3人に1人が電子書籍の読み放題サービスには「期待しない」--ジャストシステム調べ http://japan.cnet.com/marketers/news/35091154/
定額制の電子書籍読み放題サービスを知っていると回答した人のうち、「より魅力的な、新サービスの登場を期待する」人は27.5%、「より魅力的な、新サービスの登場をまあまあ期待する」人は25.9%。調査対象は、スマートフォンを所有する20~50代の男女。有効回答は1104人。

●電子書籍利用のキャリア女性の読書量、非利用者の1.5倍!全国平均では約2.7倍の結果に https://www.libinc.co.jp/2016/10/ebook/
キャリア女性約63,000名を対象に「読書(電子書籍)」に関する意識調査」実施。
キャリア女性で電子書籍を読んでいる人は、平均で月4.2冊の本を読んでいる(電子書籍を読まない人でも2.9冊)、これは全国平均の1.6冊(平成25年度「国語に関する世論調査」文化庁のデータより)の約2.7倍という数字。

●電子出版ビジネスの3つの肝とは、SocialDRMについて。 http://blogs.itmedia.co.jp/drmevolution/2016/10/socialdrm.html
電子出版ビジネスの3つの肝:
・InternetやSNSなどによる認知
・課金(EC)
・DRMなどによる著作権コントロール
SocialDRMとは通常のDRMとは違ってファイルに暗号をかけずに代わりにコンテンツの販売時に購入者や販売店または販売日時を特定できる情報を可視または不可視の透かしデータをコンテンツに埋め込んで配信するもの。

●いま実際にどれくらいの本が電子化されているか Amazon で出版社別に調べてみた http://www.wildhawkfield.com/2016/10/publishing-points-survey-by-amazon.html
鷹野さんの労作を分析すると、
・アマゾンのサイトで販売している紙の本を分母とし、Kindleサイトで販売している電子書籍を分子にした、電子化率が10%を超えている出版社が121社ある(全体の出版者数1,526社)
・電子本の点数順に並べたランキングで、上位20位で、電子本の6割、50位までで8割をカバー(電子本を10点以上出している出版社数は291社。

●「本当は、本じゃなくてもいい」ブック・ディレクター 幅 允孝さんに聞く、「本」の価値とは。  http://cotas.jp/entertainment/haba-1.html
売上云々とは別の側面で、知らない本や知らないことを面白いと思ってもらっていることに意味がある。
「僕は読んだ本の内容を面白いと思ってもらわなくても構わなくて、自分の知らなかったことがあるのが面白いと思ってもらえればいいんです。だからそれはeペーパーでもいい。
重要なのはひとつの言葉や文章の情報がちゃんとその人の中にささって、日々の生活に作用するというか、そっちの方が重要だと思うんですよ。(略)
ささやかでも何らかの情報がその人に刺さって、日々の生活のどこかの側面を一ミリでも上にあげるような状況ができれば、僕はそれを提供するのがぶっちゃけ本じゃなくてもいいと思っています」。

●hontoブックツリー https://honto.jp/booktree
本を薦めるプロであるが自由に設定したテーマにもとづいて選んだ本を提案する「ブックツリー」。ハイブリッド型総合書店「honto」が新サービス。

●「誰でも本屋になれるしくみ」が、出版流通を少しずつ変えていく https://www.advertimes.com/20161024/article236861/
「ひとつの言葉や文章の情報がちゃんとその人の中にささって、日々の生活に作用する」という観点からは、大規模店より、「ことりつぎ」の小規模店に軍配か
・「実際に「ことりつぎ」を始めてみると、おもしろいデータが集まりました。1カ月で、どれくらいの本が売れて入れ替わるかという「回転率」を見ると、25〜40%という数字だった(大型書店よりよほど高い)」。
・本って、ブランディングにも、プロモーションにも使える。
・ルーチンワークとクリエイティブワークを分ける。インプットとアウトプットのバランスをとる。この2つが新しい発想のために大切。

●この時代に狂気の沙汰!?新雑誌『小説幻冬』、10月27日に創刊します! http://www.gentosha.jp/articles/-/6533
読み物を中心とした月刊文芸誌。
「小説家、芸人、ミュージシャン、俳優、映画監督など様々な表現者の小説、エッセイ、インタビュー、を掲載」。
「ひとつの言葉や文章の情報がちゃんとその人の中にささって、日々の生活に作用する」媒体となれるか。

●絶好調のライブイベント産業と、進むコンテンツの「ライブ・シフトhttp://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1610/04/news070.html
出版のライブシフトってあるのだろうか。音楽を議論したこの論考で、例として原画展、同人誌即売会が挙げられている。
それを有料にするか、無料にするかも悩ましい問題。おそらく希少性がメルクマール。講演会、交流会、サイン会、出版記念パーティーなど「著者と会う」チャンスは希少。映像の配信などは希少性は低いが、会員専用とすると希少性を高めることができる。

●人工知能と「創作」の現状 https://www.jipdec.or.jp/library/report/20160721.html
「膨大なコンテンツから、ユーザーが求めるコンテンツにうまく結びつけるためのデータ解析やマーケティングが重視されるようになっていることや、創作物の鑑賞ではなく体験・参加をすることに価値がおかれる「ライブシフト」が起きていることなどから、これまでのようなコンテンツそのものの保護ではなく、たとえばコンテンツを生み出すAIを作るためのビッグデータへの投資や新たなビジネスモデルなど、投資・ビジネスモデル・創作の場の保護が求められるように変化してきているのではないだろうか」。

★Pearson Shares Slump Following Poor Earnings Report | The Digital Reader http://the-digital-reader.com/2016/10/17/pearson-shares-slump-following-poor-earnings-report/
英Pearsonグループ、学術書販売不振が止まらず、今年1〜9月の売上高が前年比で-7%減。
ひとつは高等教育、あるいは大学空間が提供しているものに、大学生の意識の変化や、社会の変化に合わない部分が出てきている。
しかしそれがここまで世界規模で起きているのは、激しい「格差」再生産のメカニズムが働いているのが最大原因。「知のエコシステム」に携わっている人々の知見(どこまでなにが見えているか)と意思決定(制度を超えて行動できるか)が世界規模で、試されている。

 

┃Others あるいは雑事・雑学

●「かもめブックス」陽気なオーナー柳下恭平さんに聞く、校閲のおもしろさと人生を変える3つの方法 http://jp.misfit.com/misfitlife/201610/interview01-01.html
校正は答えの"ある"仕事、校閲は答えの"ない"仕事。

●原稿の推敲・校正・リライトを支援する3つの文章チェックツールを作りました! http://tokimaki.hatenablog.com/entry/2016/10/23/160512

●Google Developers Japan: Budou: 日本語のための自動折り返し制御ツール https://googledevjp.blogspot.jp/2016/10/budou.html
「Budou は、ウェブページ上で日本語で書かれた単語が途中で折り返されてしまうことを防ぐためのツールです。オープンソース プロジェクトとして、GitHub で公開しています」。
「Budou は、ウェブページのタイトルや見出しなどの比較的短い文章に適用されることを想定して開発しています」。

●Google、オープンソースフォント「Noto」がUnicode標準をフルサポートしたことを明らかに http://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/1024125.html
遂に“Unicode Standard”で定められたすべてのシンボルをサポート。
800を超える言語、110,000を超える文字に対して、一貫した美しいデザインのグリフを提供。