イスラーム金融の担い手:イスラーム法学者

イスラーム法学者は、預言者ムハンマド没後、ムスリムたちが直面する新しい事態に対して、聖典『クルアーン』や預言者ムハンマドの言行にもとづき法解釈を行い、具体的な法規定を作り出してきた人々である。彼らは、イジュティハードと呼ばれる決められた法解釈の方法にもとづいて、イスラーム的合法性の観点からイスラーム金融商品の開発や金融業務の監督を行う役割を果たしている。

参考文献:
現代イスラーム世界論』第2章:法学派の史的展開とウラマーの機能  小杉泰(名古屋大学出版会、2006年)
「イスラーム金融を作る―法学者たちの静かなる革命」長岡慎介 『現代中東の宗教・メディア・ネットワーク―イスラームのゆくえ』  千葉悠志・安田慎編(春風社、2021年)
イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」Vol.1 イスラーム経済社会の構造(理論編)』第2章第2節:イスラーム経済と不確実性  加藤博(詩想舎、2020年)
イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」Vol.3 基本概念・基礎用語編』【基本用語】  加藤博(詩想舎、2020年)

□関連知識カード:
 イスラーム世界の多様性をもたらす弁証手続き
 ウラマー
 イジュティハード その1
 イジュティハード その2

 


★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(下) 金融資本主義からの脱却と「利他利己」の超克』を構成している「知識カード」の一枚です。



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