互酬と再分配

資本主義のしくみ自体は、人類の歴史のどの時代でも見ることができたが、それは必ずしも資本主義がどの時代の経済システムでも優位だったことを意味していない。

人類の歴史では、資本主義とは異なる経済のしくみが存在していた。それが互酬と再分配である。互酬、再分配、資本主義(市場交換)の3つのしくみが組み合わさって、様々な経済システムが歴史的に展開されていったのである。このことを強調したのが、オーストリアの経済人類学者のカール・ポランニー(1886~1964)である。

参考文献:
人間の経済 Ⅰ、Ⅱ (岩波現代選書)』  K.ポランニー(岩波書店、1980年)
世界共和国へ―資本=ネーション=国家を超えて(岩波新書)』   柄谷行人(岩波書店、2006年)
イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」Vol.1 イスラーム経済社会の構造(理論編)』第7章第5節:経済統合システムとしてのワクフ  加藤博(詩想舎、2020年)
イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」Vol.3 基本概念・基礎用語編』第3章第1節:ポランニーの経済学:社会に埋め込まれた経済/【基本用語】  加藤博(詩想舎、2020年)

□関連知識カード:
 ポランニーの「経済統合」論
 「経済統合」の三類型
 互酬、再配分、交換 その1
 互酬、再配分、交換 その2

 


★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(上) 資本主義の危機とイスラーム経済の登場』を構成している「知識カード」の一枚です。



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