そこで柄谷は言う。この問題を克服するために、わたしたちは再び「交換様式A」、すなわち「互酬性」を原理とする社会を構想しなければならないのだと。それを柄谷は、「交換様式A」の高次の回復、すなわち「交換様式D」と呼ぶ。
柄谷によれば、これこそ、「互酬性」および「遊動性」が回復された来たるべき未来社会のあり方なのだ。
■参考文献
『世界史の構造』 柄谷行人 二〇一〇年
『世界共和国へ――資本=ネーション=国家を超えて』 柄谷行人 二〇〇六年
★この記事はiCardbook、『自由の相互承認—— 人間社会を「希望」に紡ぐ ——(下)未来構築の実践理論』を構成している「知識カード」の一枚です。
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