自由であることの苦しみ

世界には、「自由」という長いトンネルを、通り抜けた社会といまだその手前にとどまっている社会とがある。

トンネルの先と手前とでは、見える景色が全く違う。

いまだ政治的「自由」さえ手にしていない社会において、人びとは生き方の「自由」を何よりも欲している。

他方、すでに「自由」を手に入れた多くの先進国の人びとが抱えているのは、むしろ「自由であることの苦しみ」だ。


■参考文献
『ヘーゲルと近代社会』  チャールズ・テイラー 原著一九七九年※I):近代社会の特質とは何か。人間の主体性と自己疎外、政治の優位と自由の可能性、理性の絶対視と歴史の弁証法、言語と意味の発見、今日に続く人類的課題に立ち向かったヘーゲル。その壮大なヘーゲル思想体系の現代的意義を浮き彫りにする労作。[編集部註]

★この記事はiCardbook、『<自由の相互承認 —— 人間社会を「希望」に紡ぐ ——: (上)現状変革の哲学原理 』を構成している「知識カード」の一枚です。

自由の相互承認
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I. :近代社会の特質とは何か。人間の主体性と自己疎外、政治の優位と自由の可能性、理性の絶対視と歴史の弁証法、言語と意味の発見、今日に続く人類的課題に立ち向かったヘーゲル。その壮大なヘーゲル思想体系の現代的意義を浮き彫りにする労作。[編集部註]